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場に適した文章の「振る舞い」とは

私は編集者なので、「文章を書くプロ」ではありません。あえていうなら、「文章を整えるのが得意な人」でしょうか。

では、そんな「文章整え師」である私が文章を編集するとき、最初に考えることは何か? 

今回は、そんなお話です。

文章を編集するときに最初に考えること

もし、何の前情報もなく、

「この文章を編集してください!」

と、原稿がポーンと送られてきたら。

私はざっと目を通したうえで、こんな質問を返信すると思います。

「これは、 どこに載せる文章ですか?」

文章整え師、なぜこんな質問をするのでしょうか。




・・・・・・・・・(考える時間)



それは、文章が発表される「場」によって適したスタイルが変わってくるからです。

つまり、発表される「場」によって

編集方針が変わる→赤字の入れ方が変わる

ということですね。

私たちは、結婚式に行くときはフォーマルで華やかな格好をしますし、キャンプに行くときは動きやすいカジュアルな格好をしますよね。

その場、その場面によって、話し方や話す内容を変えるのも大人のたしなみです。

これは、いわゆるTPOと呼ばれるもの。
時と場、場面に合った立ち居振る舞いのことです。

TPOとは?

T
ime(時)
Place(場)
Occasion(場合、場面)

それと同じで、文章にもTPOがあるのです。

ご自身のWebサイトだったり、メルマガだったり、noteやSNSだったり。

あるいは、文章を依頼されたWebメディアだったり、書籍や雑誌だったり。

それぞれの「場」によって、求められる文章の振る舞いは変わってきます。

媒体ごとの文章の振る舞い方

私は毎週月曜日にメルマガを配信しています。

その際、メルマガという「場」で発表されることから、以下のようなことを心がけています。

☑️ 1行あたりの文字数を絞る
☑️ 改行を多めにする
☑️ 誰でも理解できる簡潔な文章

加えて、

月曜日の朝7:00(T)
通勤電車(P)で、
仕事を始める前のタイミング(O)

読んでいただく設定なので、

☑️ ザッとひと息に読める1,000字前後
☑️ 仕事にも役立つ内容

を心がけています(脱線することも多々ありますが……!)。


では、noteで発表する場合はどうするか。

☑️ 総論、各論、各論、まとめといった展開のある構成にする
☑️ 自身の体験を織り込む
☑️ 自分のことを知らない人でも理解できる文脈づくり

マニュアルにまとめる場合であれば、

☑️ 項目を細かく分ける
☑️ 箇条書きを多用する
☑️ 一文を極限まで短くする
☑️ 使う人の知識に合わせた言葉選び

といった工夫をするでしょう。


自分の文章はもちろん、誰かの文章を整えるとき、

「この文章が発表される『場』はどこか?」

「この文章のTPOは?」

を意識してみると、一歩踏み込んだ整え方ができるかもしれませんよ!

この文章は、毎週月曜日に配信しているメルマガから転載しています(noteに転載するのは、過去のメルマガの一部です)。

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