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介護職をスタートする方へ♯7

介護職をスタートする方に向けてシリーズでご紹介


医療福祉業界に20年近く携わっており、現在は介護職の人事・採用活動や面接官、人材育成、事業運営(6事業所)に関わっています。

先日、新しく介護職として働き始める方から「入職してまずは何から始めるのが良いのか」というご相談をいただきました。

はじめて働き始める時は誰もが緊張したり不安になるものですよね。

今回は「介護職をスタートする方へ♯7」と題して、介護職として入職したあとにすべきことをご紹介したいと思います。

とはいえ…

すべてを一度にご紹介していくと文章量が多くなり過ぎてしまうので、シリーズ(続きもの)として、1記事3項目ずつに分けて投稿していきたいと思います。

私自身、キャリアのスタートは無資格の介護職でした。

自分自身の経験や、現在新人研修で伝達している内容なども踏まえてご紹介できたらと思います。

一記事、約3分~5分程度(3項目の本文は1500文字)で読み終わる内容を目安にご紹介していきます。

これから介護職・介護福祉士として活躍する方、介護職・介護福祉士の仕事にご興味のある方はぜひ最後までご覧ください。

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前回ご紹介した内容


前回は…
➀失敗の捉え方を自分の中で設定する
➁「対話」を積極的にする
➂敬語を使って質問形式で話すクセをつける

基本技術や業務を覚えるといったことも勿論大切ですが、まずは働くうえでの基本となるものから紹介しました。

他の専門職も同じですが、専門職と言えど働くことの基本として求められることの多くは、そこまで大きな差はありません。

その中でも、失敗の捉え方(マインド)、利用者様本位の視点や利用者様の思いを引き出すための基本姿勢に焦点をあててご紹介しました。

介護は人対人の仕事であり、すべてが思ったと通りにうまくいくわけではないため、失敗の捉え方(マインド)を設定しておくこと…

また、介護を仕事とするうえでの基本的な考え方として「利用者本位」という考え方があり、そのことを体現するために”対話と会話の違い”についての理解や、話し方(敬語を使って質問形式で話す)…という内容でした。

介護職として、どのような姿勢でケアや業務を行なうのか、大切にすべきものは何かというマインドセットは専門職として大切なことです。

働き始めた段階で、これらのことを意識できているかどうかは、専門職としての成長に大きく関わります。

「そんなことから?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、当たり前のようなことでも本質的な理解があって実行しているかどうかは、仕事の質に大きく影響するものです。

その積み重ねが後に大きな力となっていきます。

まだご覧になっていない方で、ご興味のある方は下記からご参照ください。

今回は♯7

前回同様、基本的介護の知識や技術ではなく、まずは働くうえでの基本について介護業界ならではの視点でご紹介いたします。

詳細は目次をご覧ください。


➀利用者・家族の思いに目を向けよう

当たり前のように聞こえますが、利用者様、家族様の思いに目を向けることは大切です。

介護は利用者様の人生、生活をサポートさせていただく仕事です。

利用者様はどのような生活を望んでいて、生活の中でどのような生活のしづらさがあるのか、家族様は利用者様にどのような生活を送ってほしいと考えているのか…

この当たり前のようなことが、実は抜けてしまったり、見落としてしまいがちなんです。

しかし、それには理由があります。

介護の仕事は多くの場合、複数の利用者様を同時にサポートしたり見守らなければならない状況にあります。

加えて、生活に必要な身体的援助と生活を送る上で整えなければならない身の回りの環境設定や必要物品の準備など複数のことを同時に連続性の中でこなさなければなりません。

そのため、多重課題の中で時間に追われ、精神的にも物理的にも余裕がなくなってしまい、お一人お一人の思いを大切にするということが、したくてもできない状況に陥ってしまうんです。

この状態を防ぐため、また、生活に必要な環境設定や物品の準備などが抜け落ちないように、効率的かつ効果的な方法を見つけ出して、業務スケジュールやマニュアルが作成されます。

このようなプロセスをたどるため、流れやマニュアル・業務手順をこなそうと必死になってしまいます。

知らず知らずのうちに利用者様や家族様の思いという、本来大事にしていかなかければならないことが抜け落ちてしまうようになってしまうんです。

だからこそ、利用者様の思い、家族の思いに対して意図的に意識を向けることが大切になるんです。

➁6つのミルを大切にする

6つの”ミル”?と、なんのことか…

介護を実践するうえでは、この6つのミルが大切なんです。

…物理的に単純に見る
…意図的に観察する
…じっくり、はっきりとその状況を視る
…世話やサポートなどで看る
(看病という言葉で使われるように…)
…病状や健康状態を診る
…利用者様の思いやニーズに対してなんとかできないか試す

すべて「ミル」という読み方が出来る漢字ですが、同じミルでも意味が違うんです。

この6つのミルを意識できている介護職は、非常に質の高いケアを実践します。

入職した段階でこのことを知っておくことで、介護職としての専門性が向上するだけでなくキャリアの中で後に大きく成長していくことに繋がります。

具体例や詳細については、後日改めて有料記事でご紹介いたします。

③疾患と生活の関係を学ぶ

利用者様がどのような疾患をもっておられ、どのような背景で支援を必要とされているのか、疾患によりどのような症状が生活に支障をきたしているのか…

これらのことを把握し生活支援と紐づけていくことが大切です。

また別の記事で詳細をご紹介しますが、ICF(国際生活機能分類)にも示されているように、健康状態と「生きること」は関係しており、切り離して考えることのできないものだからです。

健康状態は普段の生活や活動のサポート、生活環境の設定だけでなく精神面へのアプローチ方法、服薬後の変化の観察や注意点など様々な部分で大きく影響します。

疾患について知ることで、その方の生活に必要な支援内容を見立てたりすることが出来るんです。

逆に疾患に目を向けることができなければ、場当たり的な対処やケア内容になってしまい、生活を支援することは難しくなってしまいます。

はじめから利用者様お一人お一人の疾患を覚えていくということは難しいのですが、疾患について学ぶ重要性については働きはじめの段階で覚えておきましょう。

しかし、一つ注意しなければならない点があります。

介護職は医療的判断等はできないということです。

疾患や服薬、症状などについては、医療の専門職である医師、看護師、リハビリ、薬であれば薬剤師などに報連相をみつに行い、一つひとつ確認をとるようにしましょう。

勝手な判断が利用者様の命に関わる重大事故に繋がる可能性もあるので、注意しましょう。

介護職・介護福祉士としてレベルアップが現状を変える(継続は力なり)

いかがでしたでしょうか。

今回は♯7として…

➀利用者・家族の思いに目を向けよう
➁6つのミルを大切にする
➂疾患と生活の関係を学ぶ

以上の3つを簡単にご紹介いたしました。

介護は大変な仕事であるということが良く言われているように、確かに大変な仕事ではあります。

しかし、よくよく考えてみれば人様の大切な命、尊い人生をサポートする仕事が大変でないわけがないという見方もできます。

大変な仕事に対しても日々学びを深めて追究(追求)することにより、自分自身をレベルアップさせたり現状への最適解を導き出しながら、大変さを軽減させていくことは可能だと私は思います。

確かに一足飛びにはいきませんが、積み重ねることで大きな力となり、このプロセスの中で介護職としてのやりがいに必ず出会うことができます。

私は介護職・介護福祉士の仕事は誇りある仕事だと思っています。

介護の仕事をしている
介護職・介護福祉士としてキャリアアップを目指している
介護に悩んだり不安になっている

そんな方々の少しでも力になれたらと思い、今後も投稿いたしますので、継続的にご覧いただければと思います。

また、ありがたいことに最近では多くのご質問やご相談をいただくようになりました。

今回、記事をご覧いただいた方の中で、質問等がありましたらコメント欄もしくはX(旧Twitter)にてポストいただければと思います。

いただいた内容には全力でお答えいたします。

自分の能力でお答えできない場合はsabukurochaで調べた後にお応えします。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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