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♡「スキ」まとめ。パン屑みたいなもの。

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☆から♡にアイコンが変わった♪ https://note.mu/fladdict/n/ncf1b60148e27 →スキの一覧が標準装備になった♪ https://note… もっと読む
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#伝統工芸

文化と経済の好循環を目指して── 「Culturepreneur Collectives」を立ち上げます

はじめまして。このたび、「Culturepreneur Collectives(カルチャープレナー・コレクティブズ)」という団体を立ち上げることになりました、代表理事・編集者の石原龍太郎と申します。 団体名にもある「カルチャープレナー」とは、「カルチャー(文化)」と「アントレプレナー(起業家)」をかけあわせた造語です。日本の文化的資源を用いて、または文化を事業課題として新たな価値を生み出す人々のことを、私たちは「カルチャープレナー(文化起業家)」と呼びます。 今回は「Cu

オキサトさんに聞こう③ 伝統工芸ってなんですか?その1

このコラムは、京都芸術大学京都伝統文化イノベーション研究センターのために書いたものですが掲載が終わっていたので、ここに再掲しました。 Q: そもそも伝統工芸とは何?<タンクトップ子> 伝統工芸って何ですか?<はるか> 伝統工芸という単語はいつできたんですか?<岸くん> A: 「伝統工芸とは?」と聞かれても、上手くは説明しづらいですよね。「昔から続いているものづくり」というのが簡潔な説明なのでしょうが、それだけでは何か大切なものが抜け落ちている気がしてしまうし。あらためて「

修理の難しさ

”モノを大切に永く使う”を信条ともしているので、修理やメンテナンスはメーカーの務めであり責任だと考えています。一方で、修理を依頼される方がイメージされている修理と、メーカーのイメージしている修理とがかけ離れていると、トラブルの元になるので注意が必要です。 道具やうつわの修理・メンテナンスは、人間で言うところのお医者さんによる、手術をはじめとした外科治療に相当します。 修復 学術用語としての修理文化財保護法では,第四十三条に「修理の届出等」という項目があります。学術的にみて

何を残すか、何が残るのか、何を残さないのか、何が残らないのか

なぜ、伝統は残すべきなのかしらん。 現在から過去の連続を見た時、それは残ったと言えるものになるのか。 「工藝」と言われるようなものの職人さんのジレンマは、後継者不足でなんとか伝統を引き継いでもらいたい(あと、必ずしもそうでもない)一方で、家庭内での事業な部分が多くソトモノにその工程を教えられるだけの体系や仕組みが全然成り立っていないこと。雇う場合の雇用体系が確立されておらず、そういう不安定さの中でガッツリやり続けていける人(しかも今後のことを考えると若者であって欲しい)が

工芸っていったいなんなんだ?超解説

工芸という言葉は明治時代に誕生した①ART=芸術という概念が輸入された。 ②FINE ART=美術、CRAFT=工芸と翻訳した。 ③江戸時代までの制作物も明治に誕生した概念によってわけられた。 日本美術はアートではなく装飾江戸時代までの日本美術はこんなものだった。 ●絵画 「蓮池水禽図(れんちすいきんず)」俵屋宗達 京都国立博物館  ●屏風 「檜図屏風」狩野永徳 東京国立博物館 ●着物 「白綸子地御簾松文様絞繍小袖(しろりんずじみすまつもんようしぼりぬいこそで)

酒のうつわいろいろ

これを書いているのが2020年6月上旬、世界を襲った新型コロナウィルスの流行まっただ中。日本では政府の発令した緊急事態宣言も解除となり、ほんの少しだけ落ち着きの兆しが見えたようなこの頃です。(このnoteは後世に残しておく記録なので、このような書き起こしになることお許しください)。 強制力のない外出自粛とはいえ、政府の要請にしたがって多くの人が自宅で時間過ごすことを強いられたと思います。私なんぞはほぼ毎日、仕事の合間に大好きな料理に勤しんでおりました。保存食を駆使して毎食の

山中源兵衛 自己紹介

源兵衛。なんだか聞きなれない昔のひとの名前ですね。その通り、江戸時代の終わりころから、初代の山中源兵衛から数えて7代ずっと、家業を継ぐものがこの名前を引きついできました。 余談になりますが、ここ京都には「山○源兵衛」という有名な老舗のご主人がお二人おいでになります。室町の呉服の大店「誉田屋」さんの山口源兵衛さまと、伏見の銘酒「神聖」で有名な蔵元の山本源兵衛さま。うちのように吹けば飛ぶような零細事業所とは大違いで、どちらも名実ともに京都を代表する老舗のご主人でかつ人望もあつい

工芸業界で成功している会社が取り組んだ3つのこと。

各地の開発ゼミで必ず自社分析や競合資料を確認しているのですが、関東エリアの開発ゼミプロジェクト「Next Crafts Generation 〜Kanto Eleven Project〜 」に参加されている切子の事業者には非常に驚かされました。 江東区の亀戸にある華硝(ハナショウ)と言う江戸切子の会社です。 ゼミの中で競合リサーチの企業リスト資料を見て驚きました。「和光」「伊勢丹」など殆どが異業種の小売業を営んでいるところだったからです。 何故かを確認したら一言「江戸切子

刃物研ぎから始める錫師のしごと ~ 基礎

多くの手仕事は、それ専用の道具を用いることが多いと思います。私たち錫師(すずし)の仕事も同じで、数々の道具を用いて日々製作に励んでいます。 代表的なものに「轆轤(ろくろ)」があります。器物を回転させて、刃物を使って削ること、砥石などの研磨用品を使って磨くことが出来ます。陶磁器で用いるろくろとは違って回転軸が水平方向で、かつ木工とは違って一か所を器物をほぼ固定しています。 このろくろは非常にシンプルな構造です。ただただ、器物を固定した軸を回転させるだけ。現在うちの工房ではモ

「民藝」って何だろう?

「職人の手仕事で作られた、美しい日用品」それが、「民藝」だと思っていました。雑誌で見かけたり、地元の市で焼物を手に取るたび、民藝ってカッコいいな。心惹かれるな。と、民藝を身近なものに思っていました。 でも、民藝には定義があって、実はもっとややこしい物らしい。 日本民藝協会さんのサイトで、民藝を定義した思想家・柳宗悦さんの「民藝品の定義」が紹介されていました。 ー柳が定義した「民藝品」の条件に下記の8つがあります 実用性:観賞のためではなく、実用性を備えていること 無銘性

工芸に息を吹き込むのは、五感をつかった体験じゃないか

ストーリーとかよりも。 中川木工芸の中川さんと開化堂の八木さんが工房を訪れて、いろんな工芸の職人さんと対話をしていく工房トークを よかったらご一緒しませんか、とお声がけいただいて えぇって舞い上がったりしながら なんてありがたいんだって、何も持ってない私は必死でついていったりしているわけで。 工房トーク、工芸思考について思うところはまた書くことにして(これはまた改めて書きたい) 工房トーク第一回目を開催して、いろんな示唆を貰ったのだけど(これもまた雑でもメモ書きしたい)

工芸思想 職人が手から手へ繋いで来た言語ではない哲学

① 職人の仕事は観て盗め、体で覚えろ! 私は家業である木桶職人の家の三代目として生まれました。 私が木桶づくりの仕事の修業を始めたころ、父や祖父から仕事の手ほどきを受けた記憶はほとんどありませんでした。 「仕事は見て盗め、体で覚えろ!」が基本でした。 父や祖父の仕事をしている姿を見て同じような動きが出来るようになる様に毎日、毎日同じことの繰り返し、繰り返し仕事をする中で自然と身に付いていくものだと考えていました。 そこでは頭で考えたりすることは不要なものとされていました。