◾️ベトナム国民の熱狂。
・ベトナム国民はサッカーが大好きだ。ベトナム代表が国際試合に出場し更に活躍する度人々は熱狂する。
・大分昔、国際試合で好成績を収めた代表が帰国した際、オープンバスで凱旋パレードをしたのだが代表の勇姿を一目でも見たい称えたいと言う人々で周辺道路は4、5時間大渋滞で帰宅困難者が続出した。
・歩行者天国には大型スクリーンが３台設置され身動きが取れない程の人熱、またナショナルスタジアム内の大型ビジョンでは満員で入りきれない人々は外側に溢れ出す。

◾️サッカー観戦のため業務中断。
・とある平日の日中午後３、4時、国際試合の確か準決勝だっただろうか、当然皆仕事中の時間帯だが、殆どのベトナム企業は一旦、というかその日は業務を中断し従業員、いや社長筆頭に皆サッカー中継に釘付けとなり、ベトナム代表の勇姿に一喜一憂している。
・その時、在ベトナム日系企業はどうするか。多くの日系企業も業務を中断する、いや中断せざるを得ない状況になる。
・と言うのも、日系企業であろうと働く大多数はベトナム人となり、彼らと上手く日々を迎える事がベトナム事業の成長に繋がるため、彼らを尊重する姿勢は多くの日系企業で見受けられる。

◾️ベトナム全土が歓喜に包まれる。
・日本人である現地法人（現法）の社長やマネジメントは業務や製造ラインの一時中断の理由を日本本社にどう説明すればいいものか、相当悩まれる。正直に「本日はベトナムサッカー代表試合を皆で観戦するため午後の業務は中断します」と伝えても「君は一体何を言っているのだね」と思われてしまう。良好なコミュニケーションがなければ、今後のサラリーマン人生の明暗さえも左右する可能性大なのだ。
・とにかくベトナム全土がお祭り騒ぎ状態なので、私も皆と観戦したかったが会社内で事務作業に追われていた。すると突然、絶叫か悲鳴か怒号なのか人々が何か叫び始める声が遠くから近くから聞こえ、会社ビルの窓ガラスが一瞬揺さぶられ、一瞬身の危険を感じた次の瞬間、社内でベトナム人が走り出し歓喜の雄叫びを上げている。
・「ベトナム代表がゴールを決めたんだな」と分かり、私は安堵感に包まれベトナムのゴールを彼らと喜び合った。