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リレーストーリー「どすこいスパイ大作戦#13」

第13話「破壊レーザー」

黒豹丸の怪力でどうにかエレベーターから脱出した2人。
しかし、テロリスト達のスカイツリー爆破作戦決行は明日16日。
その前に「破壊レーザー」を見つけ出さないといけない。

「マズイぞ!時間がない…」

焦る蒙古龍と黒豹丸。

「とりあえず、ライトアップイベントの現場に行こう!」

巨体を揺らし、大汗をかきながら現場に向かった2人。
「何てこった…」
肩を落とす蒙古龍。

 それもそのはず、広大な会場を見渡すと、とてつもない数の照明レーザーが用意されていた。

「1エリアに100個。パッと見ただけでもAからEの5つのエリアに500個以上はありそうだな…。けど、やるしかねえだろ!なぁ??」

黒豹丸は覚悟を決めた。
その言葉に頷く蒙古龍。

「ですね!俺たちドスコイスパイに“負け越し”って言葉はないっすよ!」

とりあえず、二手に分かれて1本ずつ調べ上げるローラー作戦を開始!
効率は悪いが、何もしないよりマシだ。
が、1エリアずつ調べても時間ばかりが過ぎ、疲労が蓄積されていく…。
たまらず、スマホで連絡を取り合う。

「こっちはまだ見つからない。カーンちゃん、そっちは?」」
「同じく。この調子じゃ徹夜しても無理かも…。」
「だよな…。こんな時にドラえもんがいたら、きっと便利な道具を出してオレらを助けてくれるんだろうけど…」

 黒豹丸がボヤいたその時、
「そうだ!!アレがあったよ!!!」
「え、どうした??」

 興奮した蒙古龍が何かを取り出し、ドラえもんのような声で叫ぶ。

「じゃじゃーん!!『ビンカンスパイス』――!!」

 そう!
『ビンカンスパイス』とは、大学の相撲部でちゃんこを作っている、ドスコイスパイの仲間!ラムジンからもらったスパイアイテム!
このスパイスを舐めると、五感の能力が動物並みに研ぎ澄まされる効果が生じるのだ!

 蒙古龍が続ける。

「黒豹丸関!敵が仕掛けた破壊レーザーには、必ず火薬が入っているはず!この『ビンカンスパイス』を使えば、鋭くなった臭覚で火薬の匂いを察知し、破壊レーザーをすぐに発見できますよ!」
「なるほど!そりゃ名案だ!」

2人は合流し、ビンカンスパイスをひと舐め。
すると…
「ん?Dのエリアから火薬の匂いが…」
「間違いない!しかも。かなりの量だぞ!」

2人は現場へ向かう―――

そこで、破壊レーザーと思われる照明を発見!!
すかさず、メカに強い黒豹丸がどんなネジ穴でもこじあける道具「ジーニアスドライバー」で難解な仕掛けを分解。

照明の中には、予想を遥かに超える大量の火薬が入っていた…。

「フーっ。とりあえずひと安心」
途端に力が抜けた2人。
しかし、黒豹丸が何かに気づく。

「ん?メモが入ってる!」

 蒙古龍が取り出し、読み上げる。

 「お手並みは拝見した。破壊レーザーは貴様らを試したお遊びだ。爆弾は別場所に仕掛けた。予定通り明日のスカイツリー爆破作戦は決行する!」

 「なんてこった」
うなだれる黒豹丸。

と、その時!

「あそこに誰かいます!!」

ビンカンスパイスで視覚も研ぎ澄まされた蒙古龍が、スカイツリーの高層階を指さす。
そこには、2人を監視したと思われる人物の後ろ姿が。
しかし、すぐに立ち去ってしまい、特定できなかった。

 「アイツ、俺らの動きを監視してたんだな!」
「そのようですね。」

すると、疑念を抱いた蒙古龍が心の中で呟いた。

 「待てよ!あの後ろ姿、見覚えあるぞ…。まさか…」

 いよいよ、スカイツリー爆破作戦決行の日を迎える―――

(つづく)

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