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「ゴジラ」に見る、コンテンツIPの「アルムナイ制度」

先日新聞で読みましたが、今、企業の間で、途中退職した元社員とのつながりを強化する「アルムナイ制度」が広がっているそうです。
「アルムナイ」とは英語で「卒業生」「同窓生」を意味し、転職などで一度会社を退職した人を再び、社員として迎え入れること。
即戦力としての再就職や転職先企業との協業の創出など新たな事業創出に繋げる狙いがあるそうです。
確かに、社内風土やそのビジネス自体を既に理解している人なのでミスマッチも少ないだろうと思います。
新たなことを生み出すには、アイデア自体が大切ですが、その具現化が肝となりますから。

外の目や経験が新たな魅力の発見や創造に繋がる

この「アルムナイ制度」、リクルートのアンケートによると約12%の企業が実施しており、特に金融業界が積極的で銀行業では19%が活用しているそうです。
この制度で再就職した方のコメントですが「外を知ったからこそ古巣の良さも分かるし、レベルアップした自分の力も試したかった」とのこと。
私もテレビ局を出て13年となりますが、出たからこそ気付くテレビやテレビ局の魅力や価値というものがあり、それを客観的に捉えることで、新たな企画創りに繋げていくことができています。
プランナー、プロデューサーとしては幸福なことだなと思います。

「ゴジラ」はハリウッドとの「アルムナイ制度」で大成長⁉︎

先日、米アカデミー賞でアジア映画初となる視覚効果賞に輝いた「ゴジラ-1.0」。
視覚効果はもちろんですが、1つの作品として素晴らしい映画でした。
余談ですが、幼い頃、年末年始のゴジラ映画の放送がとても楽しみでした。あの頃は「ラドン」や「キングギドラ」や「メカゴジラ」が初登場。
わくわくしたなー、特撮。
そんな「ゴジラ」、お馴染みの相手たちとの新たなストーリーやリニューアル、「ビオランテ」(この頃は個人的には観ていないですが)などの新たな敵も登場しつつ歴史を刻んできました。
ある東宝の方に昔聞いた話ですが、やはり歴史を重ねる中で「さて、この先どうしていこうか?」との壁が出て来たそうです。
人気シリーズの宿命ですね。
それゆえ、2004年の「ゴジラFINAL WARS」を最後にゴジラ映画の製作をしばらくしないことを発表し、ゴジラ映画の必需品⁉︎である東宝大プールも解体されてしまいました。

そんな時に届いたのがハリウッドからのオファーだったそうです。
日本を代表するメガIPですから、今考えるとそれも自然な話かと思いますが、当時「なんで?」と思った方もいたそうです。
結果、ハリウッド版の「GODZILLA」は世界で5億ドルを超える大ヒット!
その成功やクリエイティブが今回のアカデミー賞受賞に繋がる、「ゴジラ」の新たなスタートを産み出したのではないか、と個人的には思うのです。

人もIPも新たな魅力を発揮し続けるためには、新たな視点や刺激の存在が不可欠。
それには外との交流が重要だなと改めて感じるのでした。

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