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リレーストーリー「どすこいスパイ大作戦#7」

第7話「謎のインド人」

黒豹丸との暗号の応酬、いや、猛稽古を終えた蒙古龍。
ちゃんこをつつきながら、先ほどの暗号が頭をよぎる…。

 “爆破場所はスカイツリー”
“日本にいる国際力士スパイを集結させる”
“各国の力士、一人は必ずスパイ”

これは本当なのだろうか?
ドスコイスパイの初任務は16日、場所は三宿のホテル…。 

そして数日後の14日―――
元富士乃湖、現花砂親方の母校で学生相撲の名門、全日本大学へ。

学生力士に胸を貸し、相撲を通じて学生と交流を深める部屋の恒例行事だ。初参加の蒙古龍は期待に胸を膨らませていた。
しかし、その理由は、学生力士との交流ではなく、ある出来事だった…。

それは前日の13日―――
大部屋でくつろぐ蒙古龍に一通のLINEが。
送り主はポッポ。
そう、MGBのトップである。

文章に目を通す蒙古龍、すると…

 “明日、全日本大学での交流会。そこに潜む同志とコンタクトを取れ!”

 「同志だと!?」
どうやらドスコイスパイの仲間がいるらしい。
一体、どんな人物なのか?
そして、どこに紛れ込んでいるのか?
蒙古龍は不安よりも、同志と出会える興奮が勝っていた。

 足を運んだ全日本大学―――
参加メンバーは蒙古龍の他、恩人で仲良しの先輩力士、越後丸の2人。

「カーンちゃん、どうしたの?さっきからニヤニヤしてるけど…」
「いや、あの…日本の大学に行くのが初めてで嬉しいんです。」
「え?ホントは女子大生が目当てなんでしょ?」

どうやら、同志と出会える喜びが顔に出てしまっていたようだ。
さりげないウソで誤魔化し稽古へ。

「ぶつかってこい!もう一丁だ!」

学生力士相手に胸を貸し、気持ちよく汗を流す越後丸と蒙古龍。
しかし、周りを見ても、同士に該当するような国際力士は見当たらない…。

「本当にこの中にいるのか?」

その疑問が解消することなく稽古が終了。
ちゃんこの時間に。

そこで、越後丸に探りを入れる。

「丸関、この大学に留学生力士っているんですかね?」
「留学生力士?そんな噂、聞いたことねえな~。」

あのLINEはガセ??
“新宿”と“三宿”に続くミスなのか!?

そんな中、厨房から香ばしいカレーの匂いが。

「今日はカレーちゃんこですか?」
「だな!ここは相撲はもちろん、ちゃんこの味も大学No1なんだよ!」

絶品のカレーちゃんこに舌鼓。
食をそそる辛さに2人の箸が止まらない。

「このちゃんこ、横綱ですね!学生が作ってるんですか?」
「いや、学生じゃなくて、ちゃんこ専門の料理長がいるんだよ!」
「専門の料理長ですか!?」
「凄いだろ?!せっかくだから紹介するよ!」

すると・・・

「いつもアリガトゴザイマース!」

元気な声で、厨房から出てきたのは、なんと!陽気な中年インド人。

“日本にいる国際力士スパイを集結させる”
“各国の力士、一人は必ずスパイ”
“全日本大学での交流会。そこに潜む同士とコンタクトを取れ”

しかし、体型は中肉中背。
どこからどう見ても力士には見えない…
頭の中が「?」だらけの蒙古龍。
だが、周辺に外国人とおぼしき人物はこの男しかいない…。

「コイツ、何者なんだ??」

(つづく)

 

 

 

 

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