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龍のいた景色〜見沼〜

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私の育った見沼。何気なく散歩しながら眺めていた代用水と桜並木。そこは古くは東京湾と繋がり、人と自然との関わりが今に伝承される場所でした。語られる龍と人との伝説の、クライマックスは… もっと読む
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「鷺藪」(Heron bush)/個展「かくれざと」出品作#10

「鷺藪」(Heron bush)/個展「かくれざと」出品作#10

 鷺藪についてはこちらの記事に書きましたが、すっかり減ったとは言え、川沿いを散策すると今も鷺をしばしば見かけます。地図から引用した形と、昔の見沼、鷺の姿を重ねました。

お問い合わせは福福堂まで。(伊勢丹浦和店は会期中のみ対応。)

「表門・龍猫」(Front gate・Dragon&Cat)/個展「かくれざと」出品作#8

「表門・龍猫」(Front gate・Dragon&Cat)/個展「かくれざと」出品作#8

国昌寺の開かずの門を描いた際、門の表と裏それぞれの表情に惹かれ、両方とも描きたくなり、二点連作にしました。今年の後半は、ほとんど見沼やその周辺を足や本、ガラス絵で散策していました。思えばそれ全体が、私の制作の日々でした。

 国昌寺は、見沼代用水東縁にあります。それは日光御成道に接しています。その開かずの門の龍の彫刻は、日光東照宮の眠り猫や三猿で有名な左甚五郎作とのこと。これが歴史的事実かどうかは

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「裏門・微睡み」(Back gate・Sleep)/個展「かくれざと」出品作#9

「裏門・微睡み」(Back gate・Sleep)/個展「かくれざと」出品作#9

 裏門は、日光御成道へと続く想像から描きました。表門で龍から逃げてきた猫が、再び眠ります。いつの間にかそれは眠り猫の彫刻へ・・・。微睡みの中みる夢は、自由に時空を駆け巡っていることでしょう。

 フレームは「表門・龍猫」(Front gate・Dragon&Cat) とお揃い。こちらは正方形です。

 本作は個人蔵となりました。ありがとうございます。

双龍と鷺

双龍と鷺

 見沼にまつわる環境からの作品を二点制作中。

見沼代用水東縁には、さぎ山記念公園という場所があります。江戸時代には沢山の鷺が営巣する場所で、野田のさぎ山、鷺藪(さぎやぶ)と呼ばれていたそうです。昭和に指定解除されるまでは天然記念物でした。

続く

「科戸(しなと)」(wind occur) /個展「かくれざと」出品作#6

「科戸(しなと)」(wind occur) /個展「かくれざと」出品作#6

 科戸(しなと)は、風の起こるところ。罪を吹き払う風。元を辿れば神道に登場する言葉ですが、画面下に描いた開かずの門は国昌寺のもの。
 明治政府の神仏分離政策以前は、神と仏は当たり前のように混ざり合っていました(神仏習合)。例えば日本の七福神を代表する柔和な大黒天が、インドでは破壊の神だったのは有名な話です。
 このように外から入ってきたものを、自らの内のものとどう折り合いをつけるかは、人間の常に変

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「東西龍戯」(East&West Dragon play) /個展「かくれざと」出品作#4

「東西龍戯」(East&West Dragon play) /個展「かくれざと」出品作#4

 時間や空間を超え、そこにあるもの。和磁石、道、見沼という環境。全体を俯瞰する形で双龍に見立てた作品です。京橋(大阪)GOROさんの、雰囲気のあるしっかりとした額。

 この最奥層の和磁石の表現(別角度のクローズアップはこの記事に)は、今回の制作で初めての試み。見る人にハッとさせ、その記憶に存在感を強く残しながらも、同時に絵全体としては、あくまでも視覚的なシンプルさを失わないように出来ないか・・・

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地図とコンパスと龍

地図とコンパスと龍

これまでに各層に描いたものを重ねます。

それぞれの陰影や色彩が反射し合い、角度によって微妙に変化してゆきます。金箔の感じは、この作品はスポットよりも自然光が綺麗な気がします。

時空を泳ぐ龍

時空を泳ぐ龍

 見沼にまつわる龍のテーマで、3層の多層ガラス絵に取り組みます。それぞれ異なる時空をバラバラなままひとつの絵にしたい。

続く

東西の小さな龍たち

東西の小さな龍たち

大きな作品を描いている途中で、それぞれ単体でも描いてみたくなり、並行して制作しました。こちらでは大作の方ではやらなかった多層で試みます。

 どちらも掌に収まるサイズ感。

 嵌め込んで完成。どちらも斜めから見ると、より浮遊感が楽しめます。水生の小動物が泳いでいるような雰囲気になりました。

追記)2点とも個人蔵になりました。

「東西双龍」(East&West dragons) /個展「かくれざと」出品作#7

「東西双龍」(East&West dragons) /個展「かくれざと」出品作#7

 見沼の東西を、一対の龍神に見立てた作品です。シャビーな雰囲気の黒い額に入れ、完成。

本作は個人蔵となりました。ありがとうございます。

東西の龍の絵、続き

東西の龍の絵、続き

前回から更に掻き落としています。一度落とすと戻れませんが、怯まずにどんどん描きます。

掻き落としが終わると箔貼り。今回は色箔にします。

続く

東西の龍

東西の龍

 先に自然の形があり、それを龍に見立てるという制作で、細部は描きながら自然に出てくるものに任せて進んでみます。

 この作品は、以前から描きたいと思って温めていたので、一気に進んでいきます。

続く

龍神の絵/完成

龍神の絵/完成

 風を抱く龍神。
 地上の人間の営みの層を重ね、完成です。

「科戸(しなと)」(wind occur)
多層ガラス絵(2層)
545×425mm