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ファッションのお話

服は語るように着る

ファッション、大好き。デザイナーブランド、超大好き。そんなファッション誌全盛期に育った僕がいま現在楽しんでいるスタイルのお話。

それがこの「服は語るように着る」というもの。
 
どのようなデザイナーが、どのような流れで、どのような意味で作っているのか、外に現れない文脈を自分の中だけでこっそり楽しむ。誰にもわからないからこそ僕にとっては面白い。

着飾るだけじゃない楽しみ方、僕の3選はこちら。
 ◎自分と同世代の日本人デザイナーものを着る
 ◎同じブランド出身のデザイナーもの合わせて着る
 ◎とにかく日本人若手デザイナーを応援で着る
それぞれ説明していきます。

楽しみ方1.
自分と同世代の日本人デザイナーものを着る

これはまさに、自分と同い年のデザイナーを探し、作り手が育った時代背景が自分と同じ前提で、現代をどのように感じてクリエイションしているか、その「作り手の今の感覚」に憑依するように服を纏う楽しみ方。僕は1977年生まれですので、1977年前後に生まれたデザイナーのブランドを探して着る。ファッションデザイナーとしては決して若手ではないけれど、成熟した魅力があるはずなので「中年デザイナー、がんばれ!」という同世代推しの楽しみ方です。パワーがもらえる感じ。

楽しみ方2.
同じブランド出身のデザイナーもの合わせて着る

ここではブランド名は挙げませんが、そのブランドOBのアイテムを組み合わせるもの。デザイナーの哲学は人それぞれですから、同じブランドを通ってきたとはいえ服づくりのコンセプトは異なる。特に実力のあるデザイナーであるほど、自身のブランド色は明確に差がある。しかし、創業者デザイナーのもとに若干でも在籍したことで、なんとも言えない共通項があるように思えます。点と点がつながるエッセンス、ほんのり漂っているのです。
「あ。この素材づかい、あの会社っぽいな。」「パターンのクオリティが、さすが。」など、これは全くルーツが異なるブランドの間では感じにくいものですが、何かが重なるのです。この「少しの重なり」と「大きな差異」を系図のように組み合わせる遊びが楽しい。

楽しみ方3.
とにかく日本人若手デザイナーを応援で着る

ブランドを立ち上げたばかりの20代デザイナーの服はメッセージが強くて面白い。服飾学校の卒業とともに華々しくデビューするブランドもあれば、ショップスタッフのセレクトからじわりじわりと頭角と表すものまで、あちこちで走り出したブランドから才能を発掘するように楽しむのが醍醐味。混戦から抜けられず2-3シーズンで終了してしまうものもあれば、迷走しての末に雰囲気がガラリと変わっていくブランドもある。次シーズンが予測不可能なのがGOOD。20代は世界をどのように捉えているのか、服を通して教えてもらう。

似合わなくてもいい。

さらに最近の僕は日本人応援モード。
基本的に海外デザイナーの服を選ばないようにしている。どうせ買うなら日本のもの。どうしても諦めきれない時はもちろん買っちゃうけれど、できる限り我慢。日本デザインの文脈を楽しみたいのです。

デザインの好き嫌いとか、関係ない。
似合うか似合わないかとかも、関係ない。

僕は作り手の価値観を感じて、服をまとって服を語りたい。これが「服は語るように着る」という僕のスタイルです。
 
器や家具にも似たことが言える考え方。作品に触れながら、作家が何を考えているのか、何を伝えたいのか、作品を読み取る解像度上げてワクワクした感覚で楽しむ。

服を選ぶ毎日がストレス

最近のビジョナリーな経営者やイノベーティブなクリエイターは黒い服のコーディネートばかり。
意思決定を仕事に集中させる効果、ノイズを無くして本質に向き合う効果、コスパもタイパも最高で、それでいて、ちょっとフォーマルにも見える。

服をツールと考えれば、それが良いのだと思うのですが、僕は作り手の想いや言葉に触れたいので、ワイワイと雑多なものと向き合いたい。

毎朝コーディネートに悩んだり、色や柄のあるものを強引に組み合わせたりする。作り手が匿名なファストファッションやコンビニエンスウェアも我慢する。どのような背景から生まれた服なのか、お店でたくさん話を聞く。時代には逆行しているけれど、トレンド世代じゃないからこそ、こんな楽しみ方に浸りたい。

服にバカで変にクセのあるお話ですが、
もしご興味ある方、実践してみてください。

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