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特徴ある海苔を作る地元産地を輝かせ多くの料理人にその海苔を活用してもらいたい


海苔は産地によって違いがあります。
坂井海苔店が取り扱う海苔も産地ごとに違いがあり、それを自分たちなりに評価をし、買い付ける海苔を厳選しているわけですが、この産地による海苔の違いをどう評価したらいいのかわからず、思い悩んでいた時期がありました。
今回は、自分たちが囚われていた考えや、坂井海苔店はどのように海苔を見てきたのか、産地による海苔の違いなどについてなどをお話したいと思います。


美味しくても〝いい海苔″ではない?!

以前の自分は、高級な美味しい海苔というと有明海の海苔、という意識を強く持っていました。なので地元で採れた海苔をすごく美味しいと感じても、それを良い海苔と言っていいのだろうか、高級とは言えないのではないか、という考えにすごく囚われていたのです。
 
確かに有明海の海苔は美味しく、全国に周知されています。海苔屋の感覚で表現すると、有明海の海苔は、すごくバランスがとれている海苔なのです。坂井海苔店が海苔の評価要素として掲げている「うま味」と「味」、プラス「歯切れ」と「口どけ」のバランスが、有明海の海苔は、すごくいい。だから万人に好まれるのだと、すごく理解できます。
 
では、うちで扱っている伊勢湾や三河湾といった地元産の海苔はどうなのかというと、実は、バランスがとれているとは決していえない海苔なのです。有明海の海苔の特徴を丸と例えると、伊勢湾や三河湾の海苔の特徴は尖っていたりへこんだりしている、デコボコとした海苔と表現できます。歯切れや口どけが良いわけでもないが、美味しい海苔といった感じです。でも、無性に食べたくなる海苔とは、こんなふうにちょっと癖がある海苔なのかもしれない。伊勢湾や三河湾の美味しい海苔を知るほどに、そう考えるようになりました。

海苔問屋にバランスは必要?

昔、スコッチウイスキーをテーマにしたテレビ番組で、本場スコットランドのパブの店主が「日本のウイスキーはバランスがいい」とコメントしていました。確かに、日本人はバランスを求めるというか、バランスが取れたものが好きというか、そういう傾向ありますよね。有明海の海苔が万人に好まれるのも、バランスがいいからでしょう。
 
バランスが好まれるからといって、自分たち海苔問屋がバランスのとれた海苔ばかりを求める必要があるのか、とも思うようになりました。
海苔だけでバランスをとるのではなく、料理と組み合わせた時に最終的にバランスをとった方がいいのでは? だったら、海苔を使って料理を作る人に最終的なバランスは委ねた方がいいのではないか、と気づいたのです。
 
海苔単体でのバランスがとれていても、それを料理と組み合わせてもバランスが必ずとれるわけではありません。また、手巻き寿司でも軍艦巻でも、海苔のサクッとした歯切れのよさを感じてもらいたいという出し方をするお寿司屋さんもあれば、あえてそういう出し方をしないお店もあります。シャリやネタといった他の食材と海苔を合わせた、総合した美味しさを提供したいという料理人さんもみえるのです。
 
つまり、料理人の考え方によって海苔の使い方が全然違うのであれば、海苔の評価の仕方もいろいろあるということなんですよね。
その中で坂井海苔店としては、有明海と伊勢湾・三河湾にあるいろんな産地の海苔を、俯瞰的に見て、独自の評価をすることしたのです。産地の特徴が出ているちょっと癖のある海苔が好きで、それを料理に活かしたい料理人の方たちに、しっかりご提案できる商品を揃えています。

産地や地域を大切にしたい

海苔は地域で養殖する生産者さんのものなので、海苔の産地や地域といったものは、すごく大事にしたいと考えています。そんな思いがあり、商品のブランド名には「知多」「鳥羽」「桑名」「三河湾」「有明海」といった、海や地域の名前を採用しています。
有明がついた商品名はよく聞くかと思いますが、愛知や三重の産地や海の名前がついている海苔はほぼありません。無名の海苔ではありますが、それぞれにいい特徴を持っています。
ブランドごとの主な特徴は次のとおりです。
 
■知多(伊勢湾)
知多地区の漁場は、木曽三川の恩恵を特に多大に受け、海苔養殖に最適な栄養豊富な環境の中で、品質の良い美味しい海苔が育つ。味の濃さ、塩味、柔らかのバランスがとれた、豊かな風味が特徴。
■鳥羽(伊勢湾)
知多半島を通過した木曽三川の流れが、最後にたどり着く場所が鳥羽地区。カキ養殖が盛んなこの地域では良質な海苔も採れる。柔らかく塩分は少なめで、歯切れがよくうま味と相まった上品な風味が特徴。
■桑名(伊勢湾)
木曽三川の河口に位置する桑名地区。遠浅の海で、葉質が厚く細胞膜のしっかりした海苔が採れる。厚みがあっても柔らかく美味しい海苔は、クセになる海の塩味が特徴で、多くの人を魅了する。
■三河湾
知多半島と渥美半島に囲まれた穏やかな環境の三河湾に流れ込む矢作川流域の西三河地区。栄養豊富な良質な漁場では、特にシーズン初頭に旨味たっぷりの濃厚な海苔が採れる。海苔本来の旨味とほどよい塩味が特徴。希少価値の高い青まぜ海苔の生産も有名。
■有明海
有明海は、佐賀県・福岡県・熊本県を中心とした日本最大の海苔生産地。栄養豊富で、最大6mもある干満の差など海苔養殖に大変恵まれた漁場では、柔らかく口溶けの良い良質な海苔が採れる。上品な甘みとうま味が特徴。
 
産地によって異なる海苔の特徴は、料理をする人たちにとっても大きな魅力となるものです。その海苔の特徴が、自分が作る料理をより高める可能性を生む食材だからです。
坂井海苔店としては、特徴ある地域の海苔を発信することで、その海苔が作られている地域を輝かせたい。そして、一人でも多くの料理をする人たちに、伊勢湾や三河湾の海苔を活用してもらいたいと思っています。

微妙な見極めを、とことん真面目に

産地ごとに評価すると同時に、同じ産地で格付けをした海苔も商品化しています。
シーズン入り海苔網から一番初めに採れた初摘みの海苔を「一番摘み焼きのり」、一番摘み焼のりの中から特に品質が優れた希少なものを「一番摘み焼のりプレミアム」と名付けた商品です。
一番摘みと一番摘みプレミアムは、うま味と味のところで明確な差があり、その違いは多くの海苔をみてきた海苔問屋として確信を持っています。確信を持って商品としているのですが、違いを理解してもらえなかったり、信じてもらえなかったりすることもあって。
 
こだわりが少ない方からしたら詐欺じゃないかと思うくらい、それぐらい微妙なことを自分たちは見極めているのですが……とことん真面目にやればやるほど、伝わらないもどかしさを感じることもあります。
が一方では、坂井海苔店の見極めをしっかり受け止めて、信頼してご愛用いただいているお客様もいらっしゃいます。認めていただけるのは、自分たちにとって一番の自信につながっています。

美味しさは好み。食べ比べもおすすめ

海苔の美味しさは、一人ひとり、全く違うものでしょう。
先日、知人の集まりでいろいろ海苔を試食してもらったのですが、サクッとした海苔がいいと言う人はやっぱり多かったのですが、意外とそういう海苔は好きじゃないっていう人もいました。つまるところ、好みなんですよね。
何でも高級なものほど美味しいと思いがちですが、いわゆる高級品の海苔でも全く美味しいと思えない海苔があったりもします。そして、高級ではなくても、デコボコとしていて個性的だけれども美味しい海苔も、確かにあるのです。
海苔の美味しさは人それぞれいろいろあり、自分が感じる美味しさを大切にしてください。

どんな海苔を美味しいと感じるのか、まず産地別に食べ比べてみてはいかがでしょうか。坂井海苔店のオンラインショップでは、産地別食べ比べプチギフトを扱っています。よかったらお試しください。

https://sakainori.shop/

 

今回は以上となります。お付き合いありがとうございました。

お問い合わせやご相談、リクエストがありましたら、いつでもご連絡ください。お待ちしています。

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