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【読書感想文】復讐劇の結末は!?『告白』 湊かなえ

おすすめポイント

湊かなえの復讐ミステリー!

湊かなえの小説は、後味が悪いのに何度も読んでしまうから不思議です。

『告白』は一言でいうと「復讐」の話で、この本では「承認欲求」についてとても深く考えさせられます。

レビュー

読みやすさ             ★★★★★
怖さ                      ★★★☆☆
おもしろさ             ★★★☆☆
わくわく感             ★★★★☆
何度も読み直したい ★★☆☆☆

あらすじ&感想

「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」我が子を校内で亡くした中学校の女性教師によるホームルームでの告白から、この物語は始まる。語り手が「級友」「犯人」「犯人の家族」と次々と変わり、次第に事件の全体像が浮き彫りにされていく。衝撃的なラストを巡り物議を醸した、デビュー作にして、第6回本屋大賞受賞のベストセラー。

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感想

最愛の娘・愛美を殺された担任・森口が、最後のホームルームで教師を辞める覚悟もあってか教師とは思えないような発言を連発する形で話が進んでいきます。

森口は、犯人だと推測される犯人AとBだけではなくクラスの皆に対して復讐をしているようにも見えます。

生徒に1ミリも気を遣っていない様子が印象的でした。

「学校」に対する怨念でしょうか。

読了後は後味の悪さがありますが、また読みたくなる、そんな1冊です。

そして私がこの小説を読んで私が気になったことは以下の2つです。

  • 犯人A修哉の承認欲求の強さ

  • 犯人B直樹の母親

犯人A修哉の承認欲求の強さについて

まず、犯人A修哉の承認欲求の強さについて。

成績優秀で自らのサイトも開設。

とにかく注目を浴びたいという欲求が強く、サイトでは動物を殺した動画などを自慢げにアップしています。

また「泥棒から守る」と題した電気財布をコンクールに応募し、念願の賞を取ります。

しかし、同日『ルナシー事件』が話題になり、修哉はあまり注目されませんでした。

承認欲求が強すぎるがゆえに大きく空回りしている印象の男の子。

そして彼が注目を浴びたいと思う理由は、母親に認めてもらいたいから。

しかし結局彼の願いが叶うことはありません。

承認欲求は恐らく誰もが持っている感情ですが、修哉のそれは少し格好悪いと感じました。

悪でもいいから世間の注目を浴びたい、とにかく才能が認められたい。

そんな感情が強くなりすぎたが故の悲劇でした。

彼の承認欲求を満たし、救う方法はあったのか、とても深く考えさせられます。

犯人B直樹の母親について

次に、犯人B直樹の母親について。

直樹の母親は、息子のせいで娘を失った森口に謝るどころか息子を哀れむことしかしません。

そもそも事件前から直樹を縛り、苦しめ、最初から最後まで非常に嫌な人物でした。

直樹は加害者でもあり、被害者でもあります。

直樹はどうすれば、こんなことにならずに済んだのか考えさせられました。

この記事では2人をピックアップして感想を書きましたが、全ての人物に闇があり、読了後も記憶に残り続けます。

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