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眠れない夜の、虫の知らせ

10年以上前の話なんですが、

夏の夜、物凄く暑苦しくて眠れなくて、
布団に横になりながらぼんやりしていたんです。

小高い丘の上にある住宅街に住んでいて、
周りには緑豊かなお庭がある家が多いせいか、虫の声が結構盛大で、
ちょっと騒がしいくらいでした。

まったく眠れない……
と思いながらじゃんじゃん聞こえてくる虫の声に耳を傾けていたら、
不意にそれが、ぴたっと止まったんです。
せーの!ってだれかが指揮棒を振ったみたいに。

次の瞬間、
ぐらぐらっと建物が揺れ出して、

私が住んでいる地域では震度2ぐらいの地震でした。

虫の声が止まってから揺れ始めるまで、
体感としては2秒くらいでしたが、実際はもっと短かったかもしれない……

まさに「虫の知らせ」を体感してしまった出来事でした。

虫は地殻変動によって起こる微弱な電磁波を察知できるのだとか、
だから大地の変調を一瞬で察して一斉に鳴き止んだのでしょう。

でも、夏の夜に泣く虫は何種類かいるだろうし、
個体差だってあるだろうし、
そんなことを全部無視して全員が同じタイミングで同じ行動をとるって、
人間に置き換えたら、東京都民が全員同じタイミングで一瞬止まる、
みたいなことですよね、多分……。

虫だけじゃなく、
地震の兆候を示す動物たちの特別な行動は、昔からよく言われています。
例えば、カラスが異常に騒ぐとか亀が整列(?)するとか、

地球は、大きな磁石みたいなものだから、
いたるところで電磁波は発生しているのだろうし、
地殻の変化でしょっちゅう変調したりするのかもしれない。
動物たちはそれを敏感に感じ取っているのでしょう、きっと。

でも、
言うてもわたしも動物です。

あの寝苦しかった夏の夜、
虫の声を聴きながら、ほぼ「無」な状態でいたのに、わたしには虫たちが感じたような変化を感じることができなかった。

人間だって動物なんで、他の動物たちにあるような能力がまったくない、
とは言い切れないわけです。

もともとあったものが退化していったのか、それとも能力をつかう方法を忘れてしまったのか、

とにかく、人間がもっと自然とともに生きていた遥か昔には、少なからずそんな能力を使うことができたんじゃないかな、と思うわけです。

以前、TVを観ていたら、
ドアの外から、部屋の中でTVをつけているかいないかがわかる(もちろん音は消した状態で)
という人がいて、
ほぼ、100%当たっていたので驚きました。

道を歩いていて、この家はTVをつけている、いない、を言い当てるんです。

おそらくTVから出ている電磁波を感じ取っているんじゃないかな、と思うんですが、
でも、電化製品から出ている電磁波はものすごく低い周波数なので、
それを感じ取るというのも(もしそうなら)すごいことです。
ひょっとしたら、TVとか、特定の周波数を感知しているのかも……

まあ、すべて推測なんですが、
もしその通りなら、
やっぱり人間にも、電磁波を察知する能力があるんじゃないかと、
つまり、地球の変調を感知する力、があるんだと思うんです。
他の動物たちと同じように。

でも、その力を発揮できていないのは、何か邪魔するものがあるからで、
それは何だろう、と考えたとき、
そもそも「考える」ってこと自体が
人間の感覚を鈍らせているんじゃないだろうか、と思ったわけです。

人と人以外の動物の違いを言うなら、
一つに「思考」があります。

もちろん、人間以外なにも「思考」していない、ということじゃなく、

非力な人間が自然界の中で生き延びてこれたのも、
考える、ことを必死でやってきたから、だと思うし、

これからの時代、もっと「思考」が重要視されていくんじゃないかなと。

「マトリックス」で描かれた世界は、現実そのものが「思考」であるような世界でした。

人以外の動物たちは、「思考」と野性的な勘、つまり「直観」のバランスを保って生きているんじゃないかと思うんです。

地球に生きていく上で、
地球の変調を敏感に察することは大事なことです。
虫とか、微細な生き物たちにとってはダイレクトなダメージがありそうだし、死活問題じゃないかと、

だから、ある意味「思考」よりも「直観」の方が大事だと思うんです。

でも人間には培ってきた強固なシステムがあるので、
ある程度の変調には対応できるようになっている。

虫のように、数秒前に地震を察知するよりも、確実なデータから数日先の確率を予測する方がいいわけです。

安全に生きていくために、わたしたちはもっと「思考」して確実なシステムを作り上げようとする。
「直観」を補うために「思考」を働かせる。

それが良いことか、悪いことか、
というのは正直わかりませんが、

元々備わっているだろう「直観」を使っていかないのは、なんかもったいないな、と思うんです。

もちろん、「思考」よりも「直観」を使って、重視して、いる人たちはたくさんいると思います。

わたしは、以前は完全に「思考」タイプの人間でしたが、
今では、乏しい直観を何とかフル稼働させて生きています。
「人が直感に従って生きたらどうなるか?」
というのを自分の人生で実験している最中です。

さっきも言いましたが、
「思考」するよりも「直観」で生きる方がいい、と言っているわけじゃなくて、
もともと人に「直観」という機能があるなら、
それを使ってみる、信頼してみる、のもいいんじゃないかな、と思うんです。

何事もバランスが大事なんじゃないかなと、
使わないとどんどん退化していきそうだし、
「直観」を使って初めて理解できることが、もしかしたらこれから先の地球ライフで起こってくるかもしれない……

最後に、
「直観」で生きる。
というわたしの実験的生活の中で何がどう変わったか、
と言うのは正直まだよくわかりませんが、一つだけ感じるのは、
自己肯定感が上がった、
ということでしょうか、
わたしの中では結構大きい変化です。

今回も、最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。


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