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編集生活

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編集にまつわる日々の思いつきなどをぼちぼちと更新していきます。
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2020年2月の記事一覧

公開前のボツ短歌から見る、「言葉選びの妙」

公開前のボツ短歌から見る、「言葉選びの妙」

まだまだ下手なんですが、短歌考えるの結構たのしいです。

何首か書いてみて思ったのは、短歌というのは短い文字数の中でどこまで情報量を多くできるかに、出来不出来が関わってくるということ。

5・7・5・7・7それぞれの節に、まったく別の役割を持たせながら、全体で情景を描けないと、いい歌にならない気がします。

例えばこの歌。

この形になるまでいろいろ考えたんですが、最終形になる直前はこうでした。

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最も個人的なことは、最もクリエイティブなこと

最も個人的なことは、最もクリエイティブなこと

アカデミー受賞のコメントでポン・ジュノ監督が語った、マーティン・スコセッシの言葉がすごく良かったです。

「本当にありがとうございます。映画の勉強をしていた時に本で読んで、今も大切にしている言葉があります。『最も個人的なことは、最もクリエイティブなことだ』。マーティン・スコセッシの言葉です。私は、彼の映画を見て勉強しました。一緒に監督賞にノミネートされただけで嬉しいです」

ものつくりって受け手あ

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コンテンツの届け方をデザインする〜宝島社の事例から〜

コンテンツの届け方をデザインする〜宝島社の事例から〜

宝島社らしいな、と思ったニュースを見たのでご紹介。

表紙の上に「見える付録」を付けたという。めちゃくちゃ大胆な施策です。ファッション誌として付録を始めたのは、宝島社が初めてだったと思いますが(違ったらすいません)、こうなると完全にコンテンツと付録が逆転しています。

これがこの会社の面白いところ。

宝島社は自分たちの一番の強みは「コンテンツ制作力」ではなく、全国に届けられる「流通網」だと認識し

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「100日後に死ぬワニ」の発明

「100日後に死ぬワニ」の発明

「100日後に死ぬワニ」が話題ですね。

ワニの何ということもない日常を描いた漫画ですが、100日後に死ぬというカウントダウンがあることで、不穏な空気を生んでいます。

1年後に届く人気の布団を注文して楽しみに待つ姿や、「やりたいことは特にない」と友人のネズミに話すところ、意中のバイト先の先輩との関係性など、何でもない日常が「100日後に待っている死」によって色合いを変えてしまう。

伊集院光がラ

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