ワーパパの投資としての読書

こんにちは。
3人娘を育てている、ベンチャー企業のCTOです。


ワーパパの自己投資

自由時間が限定的なワーパパにおいて、本を読む時間を確保することはなかなか難しいです。
少ない時間でも満足のいくような、良い本の読み方や、読むべき本の選定方法があるのであれば、それは知っておくに越したことはないでしょう。

自己投資はシゴトに返還したいわけですが、ワーパパはシゴトにかける時間が他の人に比べて少なくなってしまいます。
その状況下では、「残業してでも時間をかけてシゴトをこなす」という働き方はできません。
となると、ワーパパの成果の出し方は、量ではなく質で出す必要があります。

そのような自己投資につながるインプット・読書について考えてみます。

参考図書

山口周さんの「外資系コンサルが教える 読書を仕事につなげる技術」という書籍をベースに、自己投資のための読書の仕方、読むべき本について整理してみたいと思います。

前提)読書に対する割り切り

本を買ったら、それを隅から隅まで読まないといけないと考えてがちかもしれません。
せっかく高いお金を出して買ったのだからと、読み残しがあるともったいない気になります。

ですが、読書の目的は自己投資であって、本を全部読むことではありません。
何かしらの学びを得ることができれば、それで十分です。

時間がとれない中で、本を全部読もうとすると、他の本も読めなくなってしまいます。
ある程度わりきって、斜め読み・拾い読みをしていきましょう。

読むべき本の種類

投資としての読書の対象は、以下の2種類に大別できます。

  • 普遍的なビジネス書

  • リベラルアーツ・教養書

ビジネス書は、例えばロジカルシンキング、マーケティング、リーダーシップ等の本が該当します。

一方、リベラルアーツ・教養書はどのようなものがあるでしょうか。
以下、書籍に記載されていたリストです。

①哲学(近・現代思想)
②歴史(世界史・日本史)
③心理学(認知・社会・教育)
④医学・生理学・脳科学
⑤工学(含コンピューターサイエンス)
⑥生物学
⑦文化人類学

外資系コンサルが教える 読書を仕事につなげる技術

今回、こちらのリベラルアーツ・教養書について考えてみます。

教養書を読む理由

まずは書籍からの引用です。

年齢が上がれば上がるほど、一般的に職位も上がり、それに応じて難易度の高い意思決定、これまでに経験のない問題に向き合うことが多くなります。また、部下の数も増えていくでしょう。このような「仕事環境の変化」が突きつける難問に対して、ビジネス書で得られる「知識」はほとんど役に立たないというのが筆者の印象です。

外資系コンサルが教える 読書を仕事につなげる技術

実際、人が成長するにつれ、任されるシゴトの質が変わってきて、段々と答えの無いシゴトに向き合う機会が増えていきます。
そのような状況において「それについては知らないから出来ない」というスタンスでいるわけにはいきません。
答えが明確でない状況でも、なんとかそれと対峙する必要があります。

答えがないものに立ち向かう力となる知識を、メタ知識と呼びます。
メタ知識は、知を生み出す知です。

あなた方を待ち受けているのは、これまでのセオリーが当てはまらない、予測不可能な未知の世界です。これまであなた方は正解のある知を求めてきました。これからあなた方を待っているのは、正解のない問いに満ちた世界です。
…中略…
大学で学ぶ価値とは、すでにある知を身につけることではなく、これまで誰も見たことのない知を生み出すための知を身に付けることだと、わたしは確信しています。知を生み出す知を、メタ知識といいます。そのメタ知識を学生に身につけてもらうことこそが、大学の使命です。

平成31年度東京大学学部入学式 祝辞

メタ知識を身につけるには、答えが書いてあるビジネス書を読むだけでは不十分です。
様々な概念のインストールや、思考のトレースが可能となる、いわゆる教養書を読むことが必要となります。

教養書は「抽象化」が大事

教養書を読むうえで、大事となるのが「抽象化」です。
物事の本質や構造を見抜き、言語化することが大事です。

例えば「モンキー・D・ルフィは赤い服を来ている」「戦隊モノのリーダーのカラーはレッド」という知識があるときに…
「物語の中心には、熱いエネルギーを持っているキャラが必要。その熱さを表現する赤い色を身にまとっていることで、そのキャラの熱血さを引き立てているのかもしれない。」という抽象化をすることができます。
そうした時に「そういえば桜木花道も真っ赤だな」という知識の横展開もできます。
一方、「うずまきナルトはオレンジだから、暖色系でもOKなのか?いやナルトの髪の毛が黄色で、ルフィの麦わらも黄色だから、暖色系+黄色が大事なのか?そういえば、孫悟空は超サイヤ人になると黄色+山吹色だったな。」みたいな考察もできるようになります。

(もっといい例を挙げられればよかったのですが、マンガしか思いつきませんでした)

知識があること自体はよいことなのですが、抽象化が出来ないと「物知り」のレベルで止まってしまいます。
しかし、物事を抽象化することで、様々な条件に知識を応用できるようになるのです。
ここで、抽象化された構造はメタ知識となり、抽象化する経験もまたメタ知識となります。

メタ知識を鍛えるPodcast

メタ知識を鍛えるのにうってつけのPodcastがあります。
みんな大好きコテンラジオです。

コテンラジオは、「歴史を面白く学ぶ」というキャッチコピーで運営されている番組です。
歴史上の偉人や出来事を、わかりやすく、かつ、面白く教えてくれます。

コテンラジオの特徴は、歴史上の出来事を構造化したり抽象化したりして、現代の我々の価値観と比較するところです。
コテンラジオを聞いていると、いかに自分が固定観念や社会通念に強く影響をされているか、ということがわかります。

コテンラジオのメインパーソナリティの深井龍之介さんが経営している株式会社COTENは、「メタ認知のきっかけを提供する」というミッションとしています。
ここからも、メタ認知に対して重きを置いていることがよくわかりますね。

このコテンラジオで紹介されている、固定観念がひっくり返るようなエピソードをまとめた「歴史思考」という書籍も出ています。
読み口がすっきりしていて、非常に読みやすいのでオススメです。

これからのキーワード

今の社会は、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)で構成された、VUCA(ブーカ)とよばれる時代とされています。
そのVUCAの時代では「正解を知っている」ということよりも「正解が無い社会でもやっていける」ということが重要となります。

そこではメタ認知・メタ知識といった言葉がキーワードとなります。
そのような力を身につけられるように、リベラルアーツ・教養書を積極的に読んでいく必要があると強く感じます。

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