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《七十二候》橘始黄‥たちばなはじめてきばむ

『橘始黄』‥たちばなはじめてきばむ
                                             12月2日から6日頃



12月に入り、橘の実が黄色くなり始める頃となりました。昔は柚子、レモンなどの柑橘類の総称として「橘」と呼んでいたそうです。


橘の別名に『非時香果』(ときじくのかくのこのみ)という言葉がありますが
時を選ばずに香る果実という意味があり
昔の人々がそう名付けたのだとか。



日本の第11代天皇である垂任天皇は
後にお菓子の神様とまで呼ばれるようになる
田道間守という人物を、海の向こうの常世の国に遣わし「非時香菓」(ときじくのかくのこのみ)を探し求めさせたといいます。





非時香菓が不老長寿の薬と信じられていた当時。そうなればどうしても手に入れたかったのでしょう。



田道間守は何年もかけ、ようやく非時香菓を手に入れ、垂仁天皇のもとへ戻しました。
しかし、その一年前に天皇は崩御されており、非時香菓を手渡すことができず
その悲しみのあまり田道間守は亡くなったと伝えられています。

 

その時、持ち帰った実が橘なのですが
バナナだったのではないかという説も。


様々な観点からの説で
縵八縵矛八矛(かげやかげほこやほこ)という
表現か橘ではなくバナナの形状にピッタリで
あるなど。



本当のところは分かりませんし、神話なのかもしれませんが、今や簡単に手に入り食べたい時に食べれるバナナがこんな形で届けられた事があったのかと思うと感慨深いです。





常世(とこよ)の国とは
古くから日本で信仰された海の彼方にあるとされる異世界であり
永久不変や不老不死などを願う人々にとっては
あるかどうかも定かではないその場所は
救いのようなものだったのかもしれません。



永久不変、不老不死など、どこにもないと知っている現代人であるわたしたちには、到底辿り着けないほどの境地だったのではないかと思うのです。





この世の万物は常に変化し
とどまるものはなく悲しいほどに無常に過ぎ
ていきます。
どうか変わらないで欲しいとわたしも強く願う
事がありますが、どれだけ願おうとも変わり行くもの‥。


そんな自分自身でさえ、気持ちは常に変化し
前へと進んでいるのです。
そして、変わり行くから救われていることが
あるのも事実で‥。


移ろいゆくことが世の常ならば
与えられたこの瞬間を
わたしは精一杯生きたいと‥そんな風に思い
日々過ごしています。

 



わたしにとっての「七十二候」は
ひとつ書き終えると同時にまた新たな七十二候がスタートする‥というお話をいつかしましたが
今回も前回の朔風払葉を書き終えるとすぐに橘の実を探しに行きました。


家の近くに一本、大きな木がありそこになる実を橘だと以前から思っていて、あの実を撮らせてもらおうと狙いを定めていたのです。笑



しかし、橘の実であるならば、ミカンほどの大きさであるはずなのに‥





ミカンの二倍はありそうな大きな実が付いていたので、これは橘ではないかもしれないと。


意識して歩いてみると、柑橘系の実がなる木を
植えておられるお宅は多く。
いくつか撮らせてもらいながら‥
Googleで検索しましたが、なかなか橘には
遭遇せず。




そういえば‥とふと思い出したのは
今は亡き祖母の家の庭に植えてあった大きな夏みかんの木。酸っぱくて食べられなかったなぁ‥なんて少し感傷的になりながら。


そんな風に家の周りを歩きながら
カメラ片手に歩いていると
年配の男性に声をかけられました。


その方のお庭で撮らせてもらったのが
今回のタイトルの写真になります。
こちらも橘ではないようですが。笑



その方もカメラがお好きなようで
庭先に大きな箱を持ってきて
長い間、かなり本気で写真を撮ってきたことを
話してくださり、Nikonのカメラや二眼レフカメラなどを見せてくれました。


そして、フィルムカメラでしか自分は撮らない‥。とデジタルなものを手に入れたけれど
結局、息子さんにあげてしまったとか‥。


フィルムカメラもとてもいいと思いますが
軽くて使いやすいので
是非もう一度チャレンジしてみてください!
なんて勢いで言ってしまいました。


カメラ歴まだ4か月ほどのまだまだ
修行中の身だというのに。笑

 

その方の庭先にあった柘榴の木



写真が繋げてくれた縁。
一期一会。
写真撮っていなければそんな会話を交わすこともなかったでしょう。

noteもそうですよね。
文章を書いていなければ、
コメントを交わすこともなく、お写真を拝見することも、文章を読ませてもらうことも
なかった‥。

Twitterからの縁で
見に来てくださる方‥。


アメブロからの縁で
開いてくださる方‥。


そんなひとつひとつの縁を大切に
ありがとうございます。と
感謝しながら‥。


そして今回も、こうして無事に書き終わり
お届けできることを心から嬉しく思います。





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