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おまけ

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しゃべれる!

私は高校生のころ図書館司書になりたかった。
アメリカでは、司書はASDの人に向いている職業と言われているそう。情報源はインターネットだけどなんだか関心してしまう。

図書館にはBGMもないし、本屋さんのようなポップの文字もない。
どんな人がなん時間そこにいても大丈夫。そんな宇宙一落ち着ける空間。

そうして数年間、本を読み続けた。
緘黙の原因の一つだった語彙の少なさや自信のなさを、物語を理解し少しずつ言葉を覚えることで克服していった。

当時から絵本が好きで、絵本の情報誌『MOE』に載っている展覧会によく行っていた。図書館で開催されるイベントにも足を向けられるようになった。

印象深いのはテルミンの演奏を聴く、ナイトライブラリーイベント。
真っ暗な図書館に浮かぶ大きな月。そんなパンフレットを覚えている。
テルミンとはお化けの鳴き声みたいな音を出す楽器で、空中をきゅっとつまんで演奏する姿がすごく不思議なのだ。

照明が落とされ、本に囲まれた中にぽつんとテルミンがたたずんでいる。
ほんの数名のお客さんとともに、ひっそり味わう素敵な夜だった。

テルミンの音

小説家になりたい

高校生になって小説を書くという趣味を見つけた。

私のおうち時間は世間より早くやってきた。長〜いお休みに書き始めたのは長〜いファンタジー小説や推理小説。そこにはもやもやした気持ちもアウトプットできた。

アルバイトを始めて、バイトのほかはほとんど紙になにかを書きつけていた。
ランニングをしたあとのような爽快な疲労感を抱えて、家に入ったとたんペンを走らせる。それがストレス発散に良かったんだと思う。

青いインクのガラスペンにハマり、その次は万年筆。パソコンに移行するまでのしばらくのあいだ、紙に文字を彫ることに無性にハマったのだった。

縦書き小説

犬に散歩される

私はとにかく外の世界が怖かった。家の中でも怯えていたけれど、文字通り玄関を出て空気に触れるのが怖かった。

でもなんだって犬はかわいいのか。散歩に行こうと訴える目がなんとかわいそうなことか。
どうしても行ってやれない日もあった。でも高校生になるころには学校に行くよりも多く散歩をしていた。

外が怖いという思いは、アルバイトをすることでも克服された。
期間はまちまちだけど、年賀状仕分け、年賀状印刷、うどん屋さんの開店準備、カメラ屋さん、ドラッグストアのレジなどをした。

お客さんの前に出ると社会の一人として見てもらえる。そうして周りの人が対等に接してくれる。私のことをよく見てくれ、とてもやさしい。特に店長がとても良い人だった。少しずつ人を信じられるようになっていた。

大学生になって

自分にとって全日制の生活はやはり厳しいものだ。学校に行くと体調を崩しやすくなるし、高校生までの生活とのギャップも大きい。

小学生のころ、真夏に必死こいて冷房をつけるのも忘れ14段つくったトランプタワー。このあいだ留学生とトランプタワー勝負をする機会があった。交流のきっかけになってくれるギャップもあるらしい。

体調不良で休学もさせてもらい、大学を辞めざるを得ないんじゃないかと思ったこともなん度もある。でも今まで思うように勉強できなかった分、学べることって本当にすごいなあと、今日もなんとかやっている。

トランプタワー

あったらいいな支援

  • 他の小学生がいない、話し声や音の静かな環境

  • ゆっくり休める状況、休んで良い状況

  • フリクションやノイズキャンセリングなど、道具に投資する

私は不登校のとき、心療内科に連れていってもらったりスクールカウンセリングを利用したりしていた。学校では保健室や適応教室に行くこともあったけど、自分にはあまり合わなかったと思う。

最初にカウンセリングを受けたのは、学校でも病院でもないフリースクールがあるような施設。とにかく私は行くのを拒んでいた。カウンセリングというもの自体をまだ理解できていなかったからだと思う。

相対的なもの?

私は文章を書くときちょっとポップにするのが好きだ。
だから実際の毎日はもうどうしようもなかった。

私が休むことでたくさんの人が悲しむのを見ていた。自分がどこにいるのかもわからないし、ただ遠くへ遠くへと行きたくなってくる。

私は通信制高校に入ったばかりのとき、自分がすごくはずかしかった。
普通とは違う。みんなと同じように毎日学校に行っていないことが、高校生になっても続く。みんなと同じじゃないことがはずかしい、劣っていると思う。そう母に話したことがあった。
母は「そんなことないよ」と言ってくれた。

全日制にいるあいだ、私は自分のことをずっと頭のおかしい人、劣っている人だと思っていた。それが通信制に入ったとたん、今までと同じように平日家にいてもおかしくない。週に一日しか行けない、から、毎週一日行くと皆勤に変わった。

それはとても不思議な体験だった。できていることもできていないことも周りが決めたことだった。


やっぱり不登校について書くのはすごくむずかしいなと思った。自分の経験を書くことってときどきすごく勇気が必要になる。

今年の春休みははじめて体調を崩さなかった。
noteの更新がゆっくりになって友達とたくさん遊んだ。とても楽しかった!

最近は新学期が始まり制作期間に入っている。
ぼちぼち書きたいものが見つかったらまたお知らせしようと思う。

たくさんお花見をした

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