見出し画像

2023.10.9 ガソリンの高騰いつまで続くのか?

車を乗られる方には、本当に経済的負担になっているガソリン価格の高騰。

政府が補助金を出しているにも拘らず、流石に高すぎて焼け石に水状態です。

「この状況は、いつまで続くのだろう…」
と、お思いの方もたくさんおられるわけですが、残念ながらまだまだ続く見込みです…。

今回は、あまり目に触れても嬉しくない原油高について、少し書いていこうと思います。


ロシアの禁輸措置と2つの理由

冒頭にも触れたように原油高が続きます、という話ですが…。

9月21日、ロシアが、
「ガソリンと軽油の輸出を本日から禁止」
ということを発表しました。

まず理由の1つに、これは石油製品の方ですが、ロシア国内で軽油とガソリンが足りず値上がりしているというので、まずは、当然のことながら、国内の供給を重要視すべきだということで、輸出を止めてしまいました。

その結果、ロシア国内は値段も下がって潤沢に出回るようになりましたが、これをいつまでやるのかという禁輸の期間については明言しておりません。

また、禁輸措置には例外があり、旧ソ連邦構成国である国々の間にはユーラシア経済同盟というものがあるのですが、それらの国に対しては輸出するという話です。

しかし、この禁輸措置が、かなりの石油高を生んでいるのは事実です。

忘れてはいけないのは、ロシアはウクライナと戦争中です。

戦車や軍艦を動かしたり、物資の輸送をしているわけですので当然、産油国ではあっても戦費に使用する消費量も多く、足りなくなってくるのです。

そして2つ目の理由として、これは明らかに西側諸国へ対する揺さぶりですが、石油を高くして西側諸国の経済を苦しめてやろうという経済戦争です。

石油が高くなっている他の要素

石油を高くしている要素は他にもあり、9月6日に、バイデン米大統領がアラスカでのエネルギー開発を禁止してしまいました。

アラスカの自然保護区で、石油天然ガスは掘ってはいけないということです。

これは、連邦政府が持っている土地を業者にリースしてエネルギー開発をさせる政策です。

しかし、トランプ政権がOKを出していたものを全部潰してしまい、その結果、アメリカ国内でも石油が産出できなくなるので、価格は益々高くなります。

更には、サウジアラビアとロシアが原油の減産に関して、12月まで延長するということで意見が一致しています。

これはロイターでも報道されている通り、9月7日頃に出てきた話ですが、サウジアラビアが日産100万バレル、ロシアが日産30万バレルを自主減産するという話です。

この減産体制が今後も続くので、これも石油を高くする要素ということになります。

ここにもロシアが絡んできているわけですが、
「自分たちが持っている『兵器』であるエネルギーで西側諸国を苦しめてやれ!」
ということです。

また、EUもロシアから石炭を買いませんと言っていますが、天然ガスに関しては、パイプラインの天然ガスは買わないが、液化天然ガスは買いますと言って買い続けているのです。

石油に関しても買わないと言いながら、アゼルバイジャン産の石油ならロシア産ではないからOKというようなことで、ロシアが産地を偽装して輸出すれば、幾らでも輸出をできてしまうような状況にもなっているのです。

ロシアとしては、外貨が欲しいという側面とエネルギーを武器として使って、ヨーロッパやアメリカを苦しめてやろうという側面の2つがあるのです。

ロシアのここ最近のエネルギー収入は、非常に安定してきています。

そして、サウジアラビアとも連携して石油の値段を自由に上げることができます。

ですので、前より少ない量の石油でも、十分な収入が得られるという状況になってきているのです。

これは明らかに、ロシアのウクライナ戦争での戦略というものが関わってきていると思います。

結果、エネルギー問題では日本を含め、ロシアの西側諸国を苦しめる経済戦が上手くいってしまっている状況です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?