見出し画像

中小企業のダブルスタンダード問題

「現状に満足せず、常に新しいことに取り組もう」
「日本のトップ企業のトヨタやユニクロでも新しいことに取り組んでいる、中小企業の私たちが取り組まなければ衰退していくだけだ」

こう訓示を垂れて社員を鼓舞する中小企業の社長はたくさんいます。

間違っていません。
ごもっともです。
その通りです。

しかし、
社員には響きません。
社員は動きません。
社員は聞いていません。

なぜでしょうか。

それは、
「だからどうしたいんですか?」
「そのためになにかしてくれたんですか?」
「都合のいいこと言わないでほしい」
と社員から思われているからです。

大企業ががんばっているのだから、中小企業はもっとがんばらなければという論理。
その通りなのですが、
同じやり方で成果は生まれるのか?
資源の少ない中小企業はどうやって取り組むのか?
フォローする体制はあるのか?
ということです。

そして、それらの疑問に対して行動に移せるのは経営者だけです。

経営者が覚悟を決めて
社員教育をして、
設備投資をして、
組織を構築して、
評価制度をつくれば、
社員は「経営者が本気になって取り組んでいる」と感じて行動に移します。

でもほとんどの経営者は訓示ではもっともらしいことを言いますが、そのための体制を整えることはやりません。投資をするのに二の足を踏みます。

「大手企業みたいに資金が潤沢にあるわけではないから」
「採用が難しくなっているから」

などと言って、体制づくりに躊躇します。

そうです。
最初に言った訓示と今言った言い訳は明らかに矛盾しています。その時々で都合のいい方の立場に立ちます。
社員にやってほしいときは大企業を見習え。
できない理由を言うときは中小企業だから。

このダブルスタンダードに社員は気づいています。なので本気で取り組むことがバカらしく思えてしまいます。

意識せずにダブルスタンダードを使っている経営者の方はいませんでしょうか?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?