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【イベントレポ】 TDC 2024



ggg(ギンザ・グラフィック・ギャラリー)にて開催しているギンザ・グラフィック・ギャラリー第401回企画展 | TDC 2024(TOKYO TYPE DIRECTORS CLUB EXHIBITION 2024)へ。

Less is more?

作品はどれも抽象的で、線や図形でシンプルな図柄が多いように感じた。また、直線や曲線、ソリッドな原色を多用したものもよく見かけた。そもそも「デザインする」とはそのように抽象化することなのかもしれないが、それにしても世の中で見かけるポスター、パッケージ、装丁など、そういった同じような図柄で抽象的なものが増えている印象を受ける。それは、進化なのか退化なのか、単なるトレンドなのかわからないけれど、自分にはそれらは同じようなアプローチに見えて、つまらなく感じる。
現代は、コンピュータ・エイドで制作されるのが当たり前になっていることもそれらを生じさせる要因になっているように感じる。

ただ、自分はデザインやアートを専門的に学んだこともなく、その業界にも属していないド素人。その界隈では、それらは評価され、価値のあるものなのかもしれない。

グランプリ作品 | "A Jagged Orbit"

Karen ann Donnachie & Andy Simionatoによる作品。とても好きなコンセプトで、強く印象に残ったと同時に、これは現代アート作品のように感じた。

Jagged Orbit (2023年)は、白昼夢、心の迷い、動揺といった人間行動に相当するものをコンピュータで表現する自動アートシステムです。このシステムの中心は、天体の軌道(N体問題と呼ばれることもあります)を計算するようにプログラムされた特注の描画マシンです。マシンは、光沢のあるファッション雑誌の表紙にマーカーでこの軌道を描こうとします。
しかし、システムは本来の仕事から「気が逸れてしまい」、関心が内に向いたり外に向いたりすることがあります。例えば、コンピュータビジョンを使って、元になる画像(すでに描画した軌道など)にあるオブジェクト、顔、色、パターン、単語を識別し、「落書き」を思わせるものを生成して描き、の軌道に描き加えることがあります。
このような「白昼夢」状態にある間、システムは、近くにいる人間が立てる音や話し声など、センサーを通して検知した外部からの刺激に反応することがあります。すると、マシンは「ハッとして」、天体の軌道を計算して描くという本来の仕事に即座に戻ります。
システムは、これらのプロセスを組み合わせることにより、継続して帰的に新しいフォームを識別し、自らが描いている軌道にそれを組み込んでいきます。そして軌道は常に進化していきます。
このシステムを通して、私たちは、自分たち(人間)が白昼夢を見る必要性を探っているだけでなく、「マインドワンダリング」やその他の形の抽象化の能力を持つ、いわゆる「インテリジェント」マシンを設計することの利点についても考察しています。(解説文より)

展示会場風景

以下は、会場の展示作品を撮影したものである。

銀座七丁目書店

gggのすぐ隣に、期間限定で「銀座七丁目書店」という書店が設けられている。店内は数5〜6人が入れる程度の広さ。デザイナーが選書した古今東西の書籍がところ狭しと並ぶ。人も数人いて、棚をしっかり眺める時間はなかったが、ロラン・バルトの「表象の帝国」の古書が棚にあったのは、目に入った。


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