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SANKOグループ2023総括 Vol.38

経営管理本部を担いながら、SANKO海商の立て直しのために浜松で暮らすT役員。どこかで取材をしたいと思いながら、先に2023年の総括を伺うことになりました。先ずは主だった今年の動きを並べてみました。


【2023年の動き】

1月:アカマル屋鮮魚店 溝の口店オープン
1月:SANKO海商が、まぐろ即売会をスタート(毎月開催に)
2月:東京チカラめし タイ1号店オープン
3月:沼津市初の高校生企画のふるさと納税返礼品の商品化と販売
4月:新業態の鮮魚店「サカナタベタイ」を本八幡にオープン
5月:子会社ジーエスが、株式会社サンヘイ(清掃事業)の全株式取得
5月:自社船が本格操業をスタート
5月:アカマル屋、アカマル屋鮮魚店が府中にオープン
7月:アイスクリームかき氷「なな菓」を金の蔵池袋サンシャインに期間限定オープン
9月:アカマル屋鮮魚店 武蔵新城店オープン
10月:一般社団法人全国鮪解体師協会及び株式会社土佐洋との業務提携
11月:東京チカラめし 最後の直営店が閉店
11月:焼肉万里 大宮すずらん通り店が再オープン
11月:農林水産省内食堂あふ食堂が、JF全漁連とさかなの日1周年イベント
11月:株式会社牧原水産と一部店舗(10店舗)の契約上の地位の移転、及び業務提携契約締結
11月:株主優待制度の内容変更
12月:アカマル屋が江戸川橋にオープン
12月:ベトナムで合弁契約の締結及び合弁会社「AKIKO SERVICE&TRADING Joint Stock Company」(日本食レストランの運営・管理)設立
12月:株式会社ガリュウトレーディングとの合弁会社「株式会社SANKO INTERNATIOAL」(国外への輸出)設立

SANKOグループ全体として、2023年はどうだったとお考えですか?

飲食業も、水産業も!

まずは、コロナ禍を乗り切った(生き残った!)と言える1年だったのではないでしょうか。3~5年くらいでやることを1年で凝縮してやったくらいのスピード感ある1年でした。M&Aもそうですし、事業もする、しないの決断の連続で、表に出ていないものも含めて常に大きな案件がいくつも動いていました。
現在のSANKOは、コロナ禍を経て数年前とは全く違う事業構造とオンリーワンのビジネスモデルを持っています。他の外食の会社にはない、世間一般の会社とも違う流れを生み出しています。もう外食だけではなく、もっと多様な挑戦ができる環境になってきました。

飲食では、コロナ禍でも好調だったアカマル屋が着実に店舗を出店してその地域、地域に根差したお店づくりをしてくれています。霞が関を中心とする官公庁の食堂群は農林水産省の「あふ食堂」を中心に、全国の産地とつながって、社会のお役に立ちながら安定的な運営体制を作ってくれています。
流通では、グループ子会社の綜合食品(豊洲市場荷受け)による海外輸出が本格的に稼働し始めましたし、同じく子会社のSANKO海商(浜松市場仲卸)では、「仲卸からの脱却」を掲げて、まぐろの即売会など、to C の領域に挑戦しています。漁業では、いよいよ自社専用船以外にも提携船団「SANKO MEMBERSHIP」が形成され、当社の趣意に賛同いただける漁船から次々に提携を申し出ていただいています。

中期経営計画で描いている全体像が少しずつですが確実に完成に近づいていることを実感しています。

事業拡大に伴い、スタッフも増えています。

SANKO海商の初まぐろ即売会にて 

そうですね、最近のスタッフはどんどん異能人財が増えているように感じています。飲食・卸売・漁業とどれも採用難が叫ばれる不人気業種ですが、皆それぞれがこだわりをもったプロフェッショナル集団です。これらが合わさってひとつになると物凄く面白いことができますし、面白い人財が集まってきます。社長はよく冗談で弱者連合と言っていますが。笑 
新しいスタッフと従来のスタッフが融合していけば、SANKOはもっとわくわくする会社になりますよ。どんなに絶好球が来てもそれを打てる人がバッターボックスに立っていないとだめですから、人財こそが企業成長のカギです。ただ人財は外から採用するだけでなく、社内で育てなければいけません。

12月の繁忙期前から、牧原鮮魚店の建て直しにさまざまな部署から人員を出して支援しています。12月1日スタートは、本当に急な案件でした。

普通に考えるなら繁忙期にあたる12月に引き受けるのではなく、年明け1月2月くらいの日程になる案件です。けれど、引き受けが遅くなればなるほど、おそらくお店の営業力が取り返しのつかないポイントまで低下してしまい、ご縁もないまま終わっていたでしょう。会社にとってベストな選択肢として、12月1日でなければならなかったと考えています。お店で働いてくれているスタッフのお店に対する愛情は本当のものだと思いましたし、その気持ちにこたえるためにも早くスタッフと深く関わっていくべきであると思いました。相当スピードアップして進めたので、今でも引き継ぎにバタバタしているのは理解しています。しかし、あとに延ばしてしまうと受け止められない可能性があったからこそ、この時期しかなかったですね。牧原鮮魚店には素直で勉強熱心なスタッフがたくさんいます。こうした人財はSANKOグループの財産です。是非、一緒にSANKOグループ全体を盛り上げていってもらいたいと思います。

T役員は来年からはベトナム進出の最先鋒となり、赴任が決まっています。日本のスタッフへメッセージはありますか?

契約締結、いよいよベトナムが本格始動へ!

今回、当社が初めて海外進出するにあたって、多くの人との出会いに恵まれました。ビジネスのきっかけを作り、その後の交渉までサポートしていただいたHさん、現地パートナー企業の皆様、現地リーガルサポート他大変なご支援をいただきました。
また、自分自身さらなる成長の機会を模索していましたので私を海外に赴任させようと決断した社長に感謝しています。
私は海外でのビジネス展開は、未来のSANKOグループやそこで働く人財の成長の機会と場を創出するものであると信じていますので、(当たり前ですが)本気で海外でのビジネスを立ち上げて成功させようと思っています。そうすると今後はもう今ほど日本の業務には関われなくなってくると思います。しかし、そこで期待していることのひとつとして、自分が担っていた役割に関して、それを支える誰かがきっと現れるだろうということです。自分がいなくなることで、いくつかの困難なできごとを自分たち自身で解決しなければならない局面が訪れると思います(なかったらないで良いですが少し寂しいですね・・・)。
研修や教育プログラムは大切ですが、それよりもピンチの局面でこそ次のリーダー(当事者)が生まれると思っています。自分にも過去にいくつかそういう局面がありました。当時の仲間とチームを作り、助け合って踏ん張って乗り越えた結果が評価され、今の自分があります。
こういう時に2つのタイプがいて、ひとつは会社は何もサポートしてくれないと愚痴を言うタイプ。もうひとつのタイプは、ピンチをチャンスとしてその局面を楽しむタイプです。もうそろそろ次の経営幹部や幹部候補が生まれなければいけないと考えています。

中期経営計画は既に公開されていますが、T役員からみた今後5年間とは?

タイミングの問題もありますが、中期経営計画で表現できなかった多くの案件が動き出すと思っています。先程のベトナムでのレストランもそうですし、アジア、北米、ヨーロッパとの食材の輸出入など。
日本という国は、ある意味ガラパゴス化して進化を遂げていて、自国内で完結できる仕組みが出来上がっています。こうした環境はぬるま湯となって世界の経済情勢から置き去りにされる要因になっています。現に日本の国力はどんどん低下して他国に次々に追い抜かれていますし、ASEAN諸国の成長の勢いを見るとこのまま日本を追い抜いていくと考えています。国外の優秀な人財とビジネスをしていると、日本人は優秀であるという考えはもはや妄想の世界だと感じます。
でもそれを単に悲観しているわけではありません。
“The earliest moment is when you think it’s too late.” (物事に取りかかるべき一番早い時は、あなたが「遅かった」と感じた瞬間である。)という言葉があります。ここから、いまから、世界で戦える人財を育成して、世界で戦える企業に変貌していかなければなりません。

最後に、社員に向けてメッセージをお願いいたします。

SANKOグループは、2023年のテーマとして「変化と挑戦」を掲げました。変わるには勇気と覚悟がいるし、なかなか変われないのが実際のところです。一つ、二つできたことで満足して終わっていないか、挑戦ができたところ、日常の延長線上から抜け出せなかったところをもう一度振り返って、新たな年を迎えていただきたいです。



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