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給食エプロンに、アイロンはかけない。

私は数年前に固い決意をした。
給食エプロンにはアイロンをかけない、と。

一応、長男が小学校に入学して以降、7〜8年間は給食エプロンにアイロンをかけたと思う。
でもさ、ほんとめんどくさいのよ。
ただでさえアイロンがけ嫌いなのに。
かけるのはいいけど、用意と片付けがめんどくさい。
そしてでかいのよ。給食エプロン。
中学生のエプロンとか、それこそシーツみたいにでかいわけ。

自分のシャツでさえ、アイロンかけなくていいテロッテロの素材にしているというのに。
ランドセルに体操服袋と別に白い袋をぶら下げて帰ってくるのを見ると、まじ萎える。
ちなみに夫は作業服なので、アイロンをかけないといけない服を着ることがほとんどない。

我が家は室内干し派で、夜に洗濯物を干す。
みんな、風呂に入る時に洗濯物を洗濯機へぶち込む。
家族全員が風呂に入った後洗濯して、寝る前に干す。

わざわざ洗濯物を干すスペースを作っているので、夕方まで干しておいて、次の洗濯物が来る前に、ハンガーごとクローゼットにしまうというサイクル。

取り込んだり、畳んだりしなくていいという効率的な仕様になっている。

アイロンはかける必要もないし、シワがよることもない。
ハンガーにかけっぱなしが一番いいと私は思っている。

そういうサイクルなので、給食エプロンに金曜日に気づけば、日曜日の朝にアイロンがけをしようという心構えができる。

しかし、給食エプロンの発見が一日でも遅れると、そうもいかない。
気持ちに余裕がない中、アイロンがけをしないといけないではないか。
そして、予定外の時間帯に洗濯機を回さないといけないという事態が生じる。
これは、少しでも家事を減らしたいというワーママにとっては由々しき事態ではなかろうか。

さらに、金曜から日曜までの夕方は私にとっては、貴重な癒しの時間だ。
その時刻はのんびりビールを飲むと決めているんだ。

そのため給食エプロンや諸々の提出物を見落とさないためにも、毎週末、私は次男に「ランドセルの中身を出しなさいよー」と言う。

我が息子どものランドセルは汚い。
長男は成長と共に鞄の中をきれいに整理整頓できるようになったが、次男はまだまだだ。
整理整頓できたって、必要なものを出してくれるわけではないけど。
プリントとかプリントとかテストの結果とか、弁当箱とか水筒とか。

かつての夏休みに、長男のカバンから緑色に染まった食パンが出て来たのが忘れられず、週末は必ず一度ランドセルの中身を出すようにしている。

次男は、全てを後回しにしたがる男で、土曜日になっても日曜日の朝になってもランドセルの中身が出されることはない。
大体、しびれを切らした私がランドセルを開封してしまうことが多い。

ある週末、日曜日の昼頃にランドセル開封行事を行ったところ、給食エプロンが出てきた。
まさか、ランドセルの横ではなく中に入っているとは予想外。

最近の子どもたちのランドセルは、タブレットも入っているので、ほとんど隙間がない。
さらに言えば、うちの息子たちは忘れ物をしない方法として、全ての教科書を毎日ランドセルに入れっぱなしにしている。
まさか、給食エプロンなんて入る余地がないと思っていたのにっ!!

私は仕方なく、予定外の時間帯に洗濯機を回す。

しかし、すぐに乾かなかったので、朝まで干して、アイロンをかけずに持たせることにした。
今回は仕方ないと思い、干す時に念入りに皺を伸ばして干した。
きれいに畳んで袋に入れれば、案外気にならないなと思った。

そして私は考えた。

そもそもアイロンをかけて持たせるようにと、学校側から指示があっただろうか。
特にそのような指示はなかったような気がする。
私が子どもの頃、母親がアイロンをかけてくれた給食エプロンを持って行っていたし、勝手に給食エプロンとアイロンはセットだと思い込んでいたのではないか。
別にアイロンはかけなくてもいいのではないか?
インターネットでもアイロンをかけないという意見もあるではないか。

解放!!!

もう、かけないもーん。
アイロンなんて、かけないもーん。
決めちゃったもーん。

もし息子が「お母さん、アイロンかけてほしい。ぼく、恥ずかしい」とでも言い出したなら考えよう。金曜日には必ず洗濯に出すことを前提に。

それから、私は一度も給食エプロンにアイロンをかけていないが、息子からは特にアイロンをかけてほしいという要望は出ていない。


というか、アイロンをかけなくていい素材にしてほしい。
少しシワのある給食エプロンを見るのは、少しだけしのびないのだ。
どこかのおうちのお母さんが、きれいにアイロンがけをしたおかげで、洗っただけでもシワが目だたないエプロンに仕上がっているかと想像するだけで、申し訳ない。
ありがとう、クラスメイトのお母さん。

それと、制服のシャツも。
アイロンをかけなくていい素材にしてください。
少しでも世の母親の罪悪感が薄れるように。


主語が大きくなったけど、母親だけがアイロンかけてるわけじゃないだろうし、父親かもしれないし、子どもが自分でかけてるかもしれないし、おじいちゃんやおばあちゃんかもしれない。アイロンかけるのが好きな人もいるかもしれないし。

シャツの皺なんてよってない方がいいに決まってる。
その方が気持ちいい。
私だってヨレヨレを持たせたいわけではない。

昔は私だって、父親のワイシャツのアイロンをかけるのを楽しんだ時もあったのだ。
しかし、少しでも時間を稼ぎたい今では、自主性のないアイロンがけなど苦痛でしかない。

とはいえ、結婚後アイロンをしばらく買わず、自分の母親に給食エプロンのアイロンがけを頼んでいたことは、そっと心のうちにしまっておこう。

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