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劇場が好きです。観劇が好きです。 と言うより芝居そのものが堪らなく好き。 なお、 当サ…

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劇場が好きです。観劇が好きです。 と言うより芝居そのものが堪らなく好き。 なお、 当サイト内の文章・画像等の無断転載及び複製等の行為は禁じます。

最近の記事

パラドックス定数・第49項「諜報員」@シアターイースト 観劇感想

第48項「四兄弟」終演後、野木さんの御挨拶の中で「来年はゾルゲです(略)」という発表がありました。(ゾルゲかー!、スパイだった人だよね・・・?)で、脳内情報終了。少なっ(笑) これは、実際に舞台を拝見する前に、ざぁ~~っとゾルゲについて頭に入れておいた方がいいな、と、確かに1年前には思ったはず。その記憶はあるけれど、夏休みの宿題が予定通りに進むはずがないのと同じくらい「しておいた方がいいな」は「しないで終わる」もので、初見の前楽、1mmもゾルゲウンチクが増えることもなく、「諜

    • 「テラヤマキャバレー」@日生劇場 観劇感想

      『このテラヤマキャバレーは、僕から日本へのラブレターなんだ』と、演出のデヴィット・ルヴォーさんはおっしゃったらしい。 寺山修司さんを筆頭に、唐十郎さん出てくる、近松出てくる、あー、ルヴォーさん、寺山さんを筆頭に小劇場演劇や日本の伝統芸能も大好きなんだね的なものは感じるけれど、果たしてそれだけのラブレターなのだろうか? 恒星(自ら輝く星、太陽系でいえば太陽、劇中では寺山修司さん)が放つ強烈な光の部分だけを見つめて賞賛しているのか?、いや、どうやら、それだけではなさそうな。 1

      • 「OTHELLO(オセロー)」@こまばアゴラ劇場 2024.02.04 観劇感想

        シェイクスピアのおじさんが書いた話の中で苦手な本が3つありました。一つは十二夜。これはジョン・ケアード版を観て初めて面白いと思えました。残る二つの内の一つは、オセロー。舞台でも観てるし、映像(NTL)でも観てるんですけど、どうにも面白くないというか、どうしてそう簡単に騙された上で思い込むんだろう?という疑問以上の感想を持ったことが無かったですが、今日ですね、滋企画さんの「OTHELLO」を拝見して、御世辞抜きに初めてオセローが面白かったです。なので今日はオセロー記念日(懐かし

        • 舞台「ねじまき鳥クロニクル 2023年版」@プレイハウス 東京公演初日 観劇感想

          人は、身近な人ほど、その存在の大切さを忘れがちになるものなのかもしれない。そのことに永遠に失いそうになって、初めて気付く。 村上春樹作「ねじまき鳥クロニクル」を原作とした『舞台「ねじまき鳥クロニクル」』が、2020年の初演から3年の月日を経て、2023年11月東京芸術劇場プレイハウスにて、再び上演されています。 この3年間の間で、世界中に感染症が広がり年齢や国を問わず多くの方々が犠牲になったり、ロシアウクライナの戦争やガザ地区での紛争、長期にわたる難民問題、そして大国の自国

        パラドックス定数・第49項「諜報員」@シアターイースト 観劇感想

        • 「テラヤマキャバレー」@日生劇場 観劇感想

        • 「OTHELLO(オセロー)」@こまばアゴラ劇場 2024.02.04 観劇感想

        • 舞台「ねじまき鳥クロニクル 2023年版」@プレイハウス 東京公演初日 観劇感想

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          「桜の園」@PARCO劇場 観劇感想・第3弾(2023.08.24~29日千穐楽)

          チェーホフ作「桜の園」。もしかしたら、この戯曲は人類への「予言の書」であり、歴史の(特に時代の転換期における)普遍性に気付く為の「指南書」なんじゃないか?  ・・・ふと、そう思う。 演出のショーン・ホームズさんも、もしかしたら、そう思ったのかも?しれない(勝手な想像です)。 「桜の園」が書かれた120年前と現代に生きる人々は、根本的な部分で同じような問題を抱えていて。120年前の彼ら(登場人物)を芝居として(俯瞰の視点で)観ることで、今の自分達や社会と重なってくる。それこそが

          「桜の園」@PARCO劇場 観劇感想・第3弾(2023.08.24~29日千穐楽)

          「桜の園」@PARCO劇場 観劇感想・第2弾(2023.08.13+2023.08.20)

          現実逃避。人間、多かれ少なかれ、皆、現実逃避したことの1回や2回、ありますよね。ありませんか?(私は数えきれないくらいありますよ~笑) 今回の「観劇感想第2弾」は、第1弾の中で書ききれなかった13日に感じたことと、20日に観劇した時に感じたこと、改めて今回の「桜の園」の中で演出家のショーンさんを通して感じた事を書きたいと思います。 概要は目次を参照なさって下さい。 なお、ショーンさんが作品を立ち上げる為に詰め込まれたものも、それを具現化して舞台上に立ち上げた演者さん達の創意工

          「桜の園」@PARCO劇場 観劇感想・第2弾(2023.08.13+2023.08.20)

          「桜の園」@PARCO劇場 観劇感想・第1弾(2023.08.07~2023.08.13)

          芝居を観ることと、人をみることは、とても似てると思う。 そして、ショーンさんの演出を観ていると、とても人をみている方だなぁ・・・と感じる。それは「桜の園」の中の登場人物に対してもそうだし、日本のカンパニーの演者さん達に対しても。 自分の周りで何かが起こっているのに自分が渦中に居るがゆえに「何が起こっているのか?」が判らない時がある。そんな時、芝居を観るかのように渦中の外に視点を持って、自分や、その周りを観察してみると、とりあえず「何が起こってるのか」が何となく見えてくる時が

          「桜の園」@PARCO劇場 観劇感想・第1弾(2023.08.07~2023.08.13)

          音楽劇「ある馬の物語」@世田谷パブリックシアター 観劇感想・第3弾(作品のまとめ&2023.07.05~07.09に想ったこと)

          東京や兵庫で観劇なさった皆様、作品『ある馬の物語』から、御土産、受け取られました? え?何?そんなもの無かったよね?と思われた方々へ、受け取ったよという方々へ、そして大事に大事に御土産を育てて客席へ渡して下さった創作側の全ての方々へ、御土産について書きました。それでは、第1弾、第2弾に引き続きの、第3弾。観劇感想の最終版です。 以下、個人の感想です。 今までの観劇感想は ↓ こちらです。 作品の概要やキャスト&スタッフ情報・あらすじ、人間と所有の歴史などについては「第1弾

          音楽劇「ある馬の物語」@世田谷パブリックシアター 観劇感想・第3弾(作品のまとめ&2023.07.05~07.09に想ったこと)

          「リビングルーム livingRoom」@世田谷パブリックシアター 2023.05.19-21

          2020年に「ねじまき鳥クロニクル(2023年11月に再演されます)」という作品で初めて出会ったインバル・ピントさん(と、思ってましたが、勘違いでした、すみません、その前に百万回生きた猫を拝見しておりますね)。振付家であり、演出家であり、美術や衣装も手掛けられる。人間は兎角、何かを伝えたい時に言葉に頼りがちだけれど、彼女は絵や動きや音楽も使って語り出す。そこには受取手の自由とか余白のようなものが残されていて、特に今回の「リビングルーム」では、そうした自由や余白があったように感

          「リビングルーム livingRoom」@世田谷パブリックシアター 2023.05.19-21

          音楽劇「ある馬の物語」@世田谷パブリックシアター 観劇感想・第2弾(2023.06.28~07.01)

          6月21日に初日を迎えた「ある馬の物語」も、7月1日、中日(ナカビ)を迎え昼夜2公演とも無事に終了された様子。正直、あれだけの肉体労働(笑)な作品なので、一日に2公演演じるのは大変だろうな~とソワレを拝見する前までは思っていたのですが、観てる最中、そんなことすっかり忘れてました。忘れさせてしまうほど濃密な空間と時間だったのかな~と思います。東京公演の後半も皆様無事に完走出来ますようにと祈りつつ、公演中盤の観劇感想第2弾です。 観劇感想の第1弾はこちらです。公演詳細等はこちら

          音楽劇「ある馬の物語」@世田谷パブリックシアター 観劇感想・第2弾(2023.06.28~07.01)

          音楽劇「ある馬の物語」@世田谷パブリックシアター 観劇感想・第1弾(2023.06.21~23)

          21日の初日と23日ソワレを拝見して感じた作品の観劇感想(第一週版)です。トルストイの原作を事前に読んでいたので、実際に、どうやって作品として立ち上げるのかな~?と予想もつかぬまま伺いましたが、予想以上に馬が馬で(笑)、原作の中ではどうしようもない人に思えた公爵が別所さんの持ち味でしょうか・・・人としての温かみのあるダンディー公爵で、馬と公爵の物語に引き込まれ、サックス4本とは思えない喜怒哀楽と情感のある音楽と世田パブのバックヤードをフル解放した美術のかっこよさに気分が上がり

          音楽劇「ある馬の物語」@世田谷パブリックシアター 観劇感想・第1弾(2023.06.21~23)

          KIDD PIVOT「REVISOR」@神奈川県民ホール 2023.05.27 観劇感想

          ダンサーさんでも無いし舞踊系に詳しいわけでもない只の観劇マニアなんですが、TOPに貼らせて頂いた公演のチラシ、かっこよくないですか?公式サイトにトレイラーもあったんですが、そっちもかっこいい。という大変単純な興味だけで拝見しに行って参りました。行ってよかった。そう思う作品でした。なので、自分にとっての面白さが何だったのかを観劇感想として書いておきたいと思います。 ↓ は、公式サイトに掲載されていたトレイラーです。 「REVISOR」 日程:2023.05.27~2023.0

          KIDD PIVOT「REVISOR」@神奈川県民ホール 2023.05.27 観劇感想

          「BREAKING THE CODE(ブレイキング・ザ・コード)」@シアタートラム 観劇感想

          何のストレスもなく、ただ、純粋に「作品」と出会える。その満足感。幸福感。当たり前のことのようで、案外、日本の現代演劇の中では満たされない経験をしたことがある方々も多いのではないでしょうか? 全ての過程が「作品」の為に行われ、「作品」そのものが立体的に立ち上げられた時、舞台上から客席へ純粋に「作品」が届く、そうした演劇としての美しさ&幸福感に長年溜まっていた心の疲れが癒されるようでした。 公演期間:2023年4月1日~4月23日 全26公演 公演会場:シアタートラム 上演時間

          「BREAKING THE CODE(ブレイキング・ザ・コード)」@シアタートラム 観劇感想

          「劇場を開くには?」@PARA  2023.03.18

          神保町に新しく出来た劇場「PARA」のオープニング企画として、そして、2023.03.17~19まで同劇場で上演されている「祖母の退化論」関連トークイベントとして、開催されました。 日時:2023.03.18 9:30~11:00(の予定でしたが11:20頃終了だった模様) 場所:PARA神保町2階 登壇者:岸井大輔さん、田中里奈さん、成河さん     (プロフィールは下記参照下さい) こちらのトークイベントに関しましては、「祖母の退化論」とトークイベント3本のセットを申

          「劇場を開くには?」@PARA  2023.03.18

          ≪考察≫ 木ノ下歌舞伎「桜姫東文章」@とよはしPLAT 2023.02.18-19

          「東京公演@あうるすぽっと」及び「豊橋公演@PLAT」の両公演を拝見した「木ノ下歌舞伎版 桜姫東文章」の最終的な考察として、記事にまとめました。豊橋公演の演出は基本的には東京公演の千穐楽と同じですが、木ノ下歌舞伎版(岡田さん演出)が立ち上げたものと、それに対する個人的な考察です。 (公演概要等は最後にまとめてあります) まだツアー公演が続いておりますので未見の方々は御注意下さい。 以下、個人の感想と考察です。 目次 (1)岡田さんの演出(=作品の切口の意)について (2)

          ≪考察≫ 木ノ下歌舞伎「桜姫東文章」@とよはしPLAT 2023.02.18-19

          ≪改訂版@千穐楽≫木ノ下歌舞伎「桜姫東文章」@あうるすぽっと 2023.02.12 マチネ 観劇感想(千穐楽編)

          木ノ下歌舞伎「桜姫東文章」東京公演千穐楽当日になって、新たな気付きや新たな違和感が生まれました。前楽にも同様のことがあったのですが、そちらは先に別記事を書きましたので、こちらの記事では東京公演千穐楽を拝見して感じたことを書きたいと思います。 (観劇感想の流れとしては下記2つの記事を先に御一読頂けますと何を言ってるのかな~ということが伝わりやすいかな?と思いますので宜しければ) ↓ こちらは、2月2日の初日感想。演出が変わる前の初見の感想です。 ↓ こちらは、2月11日ソワ

          ≪改訂版@千穐楽≫木ノ下歌舞伎「桜姫東文章」@あうるすぽっと 2023.02.12 マチネ 観劇感想(千穐楽編)