夏のエッセイ三重奏
Morning
気づけば、蝉の大合唱が街中に響く季節になっていた。
週に半分、外出するために必ず向かうバス停。屋根がついているのに強さを増す、日差しの照り返し。まだ朝だというのに、身体にまとわりつく蒸し暑さ。
それとともに、私の目に見えないどこかで必死に鳴く蝉たち。まだ脳みそが目を覚ましていない朝に大音量で鳴かれると、なぜだか苛立ちを隠せなくなるけれど。蝉の寿命を考えると、命尽きるまでどうぞ鳴いておくれ、と思う自分もいる。
人間は蝉と違って、何十年も生きる動物だ。
「災害レベル」だなんて、物騒な言葉でたとえられる昨今の暑さに、私たちはいつまで耐え続ければいいのだろう。いつの時代も、どんな気候変動にも耐えてしまう人間。私は寝ぼけながらも、人間の強い生命力を感じるのであった。
それにしても、7日で命が尽きてしまう蝉が羨ましい。地獄のような暑さを、長期間にわたって感じなくて済む意味で。
Afternoon
最近の私は、外出すると決まってコンビニに寄る。あの緑と青と白の、外見がいかにも爽やかそうなコンビニだ。
そこで最近、よく買っているものがある。チルドコーナーの隅を占領するパック飲料。野菜ジュースだ。
カゴメの某有名ジュース。たまに、ご当地の果物を使ったものが販売されている。おそらく、期間限定のものだろう。
最近、岩手県産のブルーベリーをふんだんに使った「岩手ブルーベリーミックス」なるものに、私はまんまとハマってしまった。
野菜ジュースのはずなのに、野菜の味がいつもより薄くなっている気がする(それはそれでいいのか)。その代わり、ブルーベリーの芳醇な香りと甘酸っぱさが口いっぱいに広がった。
私はフルーツの好き嫌いが激しいのだけれど、ブルーベリーは大好き。ブルーベリーと野菜ジュースの融合に心底感動した私は、コンビニに寄る度に毎回買っている。
本当に身体にいいのか、お金の無駄遣いではないか。そんなことはさておき、見かけなくなるまでしばらく買い続けようと思う。いつものご褒美ということで。
Night
個人的な体感として、寝苦しい夜が続いている。天気予報をあまりまともに見ていないので、本当に熱帯夜なのかは分からないけれど。
私の部屋は、階段に備え付けられたエアコンの近くにある。それなのに、なぜか部屋の空気は冷えない。温度の問題なのか、風量の問題なのか。はたまた、部屋の位置の問題なのか。原因はよく分からない。
そんなことがあるので、私の部屋は基本的に暑い。空気清浄機の横で肩身狭そうにしている、ダイソンの羽根なし扇風機を使った方が身のためなのだろうけれど。面倒で出していないのが現状だ。
使ったら使ったで、扇風機の音が睡眠を妨害しそうな気がする。羽根なし扇風機を何度か使ったことがあるけれど、とにかく音が大きい(個人的見解)。さすが、吸引力強めなメーカーだ(?)。
きっとそれもあるだろうけれど。持ち前の面倒くさがりな性格が、扇風機へ手を伸ばす気力を損ねているような気がする。なんとか扇風機へ手を出しておくれ、私。
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