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料理好きが集う野草ワーケーションin佐渡島

5日間の佐渡島野草ワーケーションから戻りました。

集まった料理人たちが野草採集しながらひたすら料理を作る日々。ときどきお香作り、そしてサップ。本気で遊び、本気で学び、本気で味わう、名付けて野草ワーケーションなのでした。
ふだん、孤独に一人で試作してるから一緒にあれこれ考えながら作るのはめっちゃ楽しかったです。

佐渡島で野草ワーケーションがおすすめなワケ

佐渡島って、野草好きには超絶おすすめの場所なんです!
なぜかって?

①獣害がない
まず、獣害がない!野生のイノシシと鹿がいないらしく、食害がないから、植生が多様なまま残ってるんですって。いいじゃん!移住して畑したい人にも朗報!

②北緯38度線上は寒暖の境目
そして、ここ重要。寒暖の境目にある佐渡島には、北海道から南下した植物と、沖縄から北上した植物が出会う場所でもあります。本来、おきない交雑がおきて、中間の植物が存在したり。
えっとね、この話、野菜とか関ヶ原の戦いとかにもつながってきて、とどめなく喋れるんだけど、シベリア経由か、マライポリネシアの島嶼経由かによって、野菜の遺伝タイプが違ったりするんですよね。またこれはどこかでおいおい。。

③海と山と川の植生
海も山も川も楽しめる佐渡島は、浜にしか咲かない「ハマ〇〇」といった植物も採集できます。奈良には海がないから、ハマゴウ、ハマナス、見れないんですよね〜〜〜!くうぅぅ〜。

ということで、植生豊かな佐渡島では四季を通じて個性ある保存食が仕込めます。野草好きの方はぜひ佐渡に通って、それぞれ四季折々の保存食を仕込んで帰るのはいかがでしょうか?
東京〜新潟は2時間でいけるので関東の方は羨ましい限りです。

佐渡の野草をめぐる採集の旅

トビシマカンゾウの観察

野草のご案内いただいたのは、野草研究家の菊池はるみさん
パティシェをされてるはるみさんは、学者さんですか?ってほど野草の分類学や植物学に通じていらっしゃる。しかも、手仕事や保存食も丁寧で、暮しの手帖に出てきそうな保存食たちがつぎつぎでてくる。

ハマオオバコ、ハマビキソウ、ハマエンドウ、ハマゴウ・・・食べられる植物、お香にできる植物、手仕事に使える植物・・・もうね、カゴがもりもりになっていくよ。
野山をかけあがり、どんどん奥地にはいってゆくはるみさんについていくのに必死で、採集してるあいだにもう見失ってしまいそうだ。

特によかったのがトビシマカンゾウが満開だったこと!
沖縄でクワンソウを見逃してしまったのでこれはうれしい。

トビシマカンゾウ
イワユリ
ガマズミ
タニウツギ
ハマナス

野草採集と料理

はるみさんの自家製保存食たち。これはやばいね。

集まったメンバーがグルメな料理人ばかりなので、ああしよう、こうしようと、それぞれにつぶやきながら、何かしら作ってる姿が面白い。みるみるできていく・・・。一人だとこれだけの短時間でこんなに作れない。

🌿野草のベジタコス🌿野草ソーセージ🌿がまずみのラッサム🌿シュンランのピコデガヨ🌿タニミズナと揚げのたいたん
🌿ハマエンドウの炊き込みご飯🌿いなだカレー🌿山椒のカルパッチョ🌿トビシマカンゾウとオオバクロモジのサラダ🌿ハマナスと三年番茶のフレーバーティー
🌿クロモジとハマナスジャムのキャロットケーキ🌿イタヤカエデのメープルシロップとガマズミのフロスティング🌿雲南プーアール茶農家による発酵コーヒー

クロモジとハマナス、ガマズミとスパイスとの相性がめちゃいい。おいしいお茶の時間でした。

わたしは写真も好きなので、はりきって撮ってたら、料理が冷める!と料理人たちに怒られました。サーセン・・・。

植物とお香の話

椿の実は油に、花はお香になるんですよ。知ってました?

佐渡島の民俗誌をたどると、むかしはどこの家にも香盤と呼ばれる灰の入った火鉢状の箱があって、香を焚く暮らしがあったという。香になる植物は、カヤ、ネム、シキミ、ハマゴウなどがあったそうな。

写真ははるみさん自家製粉の香粉たち。めちゃいい香りがするのですよ。
これを粘土状に練って、天日干しして、お香を作ります。

台湾で大好きな「千畔種子博物館」でもお香作りされてましたが、香木のみならず、ネムノキやカヤ、椿など、お花や葉っぱも「香粉」になるのだなあとしみじみきました。ぜひ里山文庫のお庭の植物でもいろいろやってみたいです。

沖縄でのワーケーションに続き、植物とともに生きる暮らしの知恵をまたひとつ取り入れることができそうです :)

佐渡の山と海のあそび

ワーケーションなので、野草の勉強と料理だけじゃなく、遊びも全開。海も山も楽しみましたよ〜!

どんでん山ハイキング

サップ


野草ワーケーションの経緯

4月に募集した奈良での住みながら一緒に料理するフードレシデンス(アートインレシデンスのフード版)は、応募が1人しかあつまらず、あえなく断念した経緯がありました。

楽しいと思うのになんで〜!?って思ったんだけど、そこでみんなに言われたことは、「どんな料理人とコラボできるかわからないと参加しにくい」「ターゲットがわかりにくい」が大半でした。
(飲食店のシェフは忙しいから無理。料理研究家はすでにコラボの相手やネットワークはあるから新たな出会いは別に探してないらしい。)

どんな人に参加してほしいかわからなくて、だれがくるかわからないから参加しにくいのか〜と気づき、お誘い制にしようと思いつきました。
また、次回、どこかで料理ワーケーションするときは興味ありそうな人をお誘いしようかなと思います〜。
(テーマは野草だったり、発酵だったり、滞在地域によって変わる予定)


で、ワーケーションってどうよ?

ワーケーションってなんなの、ってとこですが、私にとっては、植物と食まわりの仕事をしているので、遊びであり、仕事でもあることなんですね。

IT関係とかで、パソコンに向かう時間が仕事、そとで遊ぶ時間が遊び、みたいに分けれる人だといいけど、遊びが仕事であり、仕事が遊びになっちゃうもんだから、これが難しい。

でも、きっちり仕事と遊びを分けれる人も、分けれない人も、いつもと違う場所で仕事をしてみるって面白いことだと思う。

①新たな場所で新たな出会いで新たな見地が開ける
世の中のワーケーションは福利厚生を兼ねているのでしょうかね。意外とリフレッシュにならないワーケーションですが、新しい視点を取りれるという意味ではめちゃいいと思います。
同業者だと相談ができるし(料理人の場合、これ何に使ったらいいと思う?とか)、異業種だと、逆にあたらしい手法をとりいれたり(植物とお香か〜みたいな)。
普段から家で仕事してるので、わたしの普通の生き方がワーケーションじゃないか、という人がいるんですが、やっぱ別のエリアに行かないとわからないこともたくさんあるんですよね。


②事務仕事をしてる時間がない
暮らしながら仕事をするわけなので、純粋に事務だけをする時間がとれない!ご飯作るし、採集にいくし、遊ぶし・・・ってわけでメールが100通くらいたまりますよ。やばいっす。
ワーケーションにいってるはずなのに、本来の仕事がたまるのはデメリットかな・・・。遊びと仕事をしっかり分けれる人だとこういうことにならないのかも・・vV


野草、料理系のワーケーションに興味ある人がいたらまたお誘いするかもです(顔見知り限定)
リアルなコミュニケーションからつなげていきたいので、もし、こういう活動に興味ある人いたら、会ったときにでも機会があれば聞いてください✨

では、またどこかで〜!!

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