依存症はあなたの隣に 読書記録#33

『依存症のすべて 「やめられない気持ち」はどこから来る?』, 廣中 直行, 2013

ここ2週間ほど、スマホを長時間使用する日々を過ごしていました。自分が依存症になりそうという危機感を覚えたので、依存症についての本を読んでいました~(´・_・`) 本を読む前より、依存症を身近でなものに感じるようになったし、”知っておくこと”の大切さを実感しました!
知れてよかった!と思ったことを、いくつか書いていきたいと思います。


1.依存症は「頼った相手」にとらわれる病気

本書では、依存症は、自分を守るために、「何かに頼る」ことをきっかけとするものと述べられています。依存症とは、その頼った相手にとらわれるものであり、何かの行為がやめるにやめられなくなった状態であるといいます。
また本書では、「依存」と「依存症」を次のように区別しています。
依存:何かに頼って生きることで、良い・悪いの意味は含まれない
依存症:依存したことで、困ったことになっている状態。困ったこととは、人間関係や学校・仕事などの社会生活に悪影響があるということ。

つまり、頼ること自体は問題ではなく、それが自分の人生を支配するようになることが問題なのだということですね。本書でも、「家来だった従者が、いつの間にか主人になっていたようなもの」と表現されていました。

2. 依存症の理解には、「生物」「心理」「社会」の面から考える必要がある

「生物」とは、脳へどのような影響があるのか、脳が実際にどのように変化し、人の行動や心理に影響を及ぼすのかという観点です。
「心理」とは、心理学的視点のことで、依存症に向かわせる心理的な背景を理解することです。
「社会」とは、国の経済や失業率などの社会的な背景を考えることです。

この3つの観点から考えるというのは、自分が考える立場になると、どこかの側面に偏ってしまうのではないかと思いました。どの側面から考えても、間違いではないけれど、それでは欠けているピースが出てくるということですね。

3. 依存症は「治り続ける」必要がある

依存症は完治しない、という言葉を何度か耳にしたことがあります。私が驚いたのは、「依存症は治る」と本書に書かれていたことです。これは、完治するという意味ではなく、「治り続ける」ということでした。

終わりのない挑戦をする感じでしょうか。そんな大変な... と思ってしまいましたが、「完治しない」より、「治り続ける」は前向きな響きがして、いいなと思いました。

4. 問われているのは、私たちの態度・行動でもある

著者は、私たちは「前歴があっても頑張った」ことを評価できるか?と問いかけています。これは、元依存者に対する、私たちの態度はどうか、ということです。「元依存者の」態度・行動だけでなく、「私たちの」態度・行動も問われているのだと。

この部分を読んだとき、ドキッとしました。一気に、私の問題でもあるのだと感じたのです。この社会をつくっているのは、私たちひとりひとりで、私の隣の人が依存症で苦しんでいたら、どんな態度をとるのだろうと。
少し遠い問題と感じているときと、実際に自分がその渦中にいるとき。行動や態度は違ってしまうもの。それでも、「問われているのは自分」という意識をもっていたいなあと思いました。


感想

本を読む前よりも、依存症が自分の近くにあることに気づけたことが、とてもうれしく感じます。頼らなければ生きていけない中で、「頼る」ことが行き過ぎるとどうなるのか、これを知ることは生きていく上でとても大切だと思います。特に、スマホやネットを手ばなして生活することのハードルは、極めて高いものです。身近な問題と捉えることが、依存症の問題に関わっていく上で重要なのだと学びました!



何事も
正しく恐れることが大切ですね





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