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今日の1冊 #60【古色大和路/入江泰吉】

古色大和路/入江泰吉

伝統に対する新しい知識や見解、美しいものに目を開かされるのは大変ありがたいことです。

古色とはなにか。
虫食いの多い木味に美しさを覚えるのは自然の経年によるもので
宗教美術の本質的美しさとは関わりはないように思うが、
この古色ゆえの近寄りやすさなのかもしれない

その親しみやすさから優れた造形に想像を膨らませ、導かれていくのではないかと

個人的ハイライトは思い入れのある二月堂裏参道、室生寺。古く深い歴史を包み込んだような自然と人工物の調和美を感じる空間。

阿修羅像のしなやかでほっそりとした腕、指先の表情の繊細さ。
少年のようなすずやかさと意外な表情のきびしさを感じる。


入江泰吉

1905(明治38)年、奈良市に生まれる。
画家を志すが家族の反対で断念するも、長兄からアメリカ・イーストマン社のベストコダック・カメラを譲り受け、写真に打ち込む。
1931(昭和6)年、大阪で写真店「光芸社」を開業。文楽人形を撮影した「春の文楽」で世界移動写真展一等賞を受賞、文楽の写真家として活躍する。
1945(昭和20)年3月、大阪大空襲に遭い自宅兼店舗が全焼、ふるさと奈良へ引き揚げる。同年11月17日、疎開先から戻される東大寺法華堂四天王像を目撃、そのときアメリカに接収されるとの噂を聞き、写真に記録することを決意。以後、奈良大和路の風景、仏像、行事等の撮影に専念。
晩年は「万葉の花」を手掛けるなど約半世紀にわたって撮り続けた。
1992(平成4)年1月16日死去。享年86歳。
(引用:入江泰吉写真美術館)

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