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映画レビュー『プライベート・ライアン』

「最初に」

今回は視聴した映画の感想を書いて行く。

記念すべき第一回目の映画は―

『プライベート・ライアン』(1998年)

スティーヴン・スピルバーグ監督、トム・ハンクス主演の戦争映画である。

こちら は以前Twitterで とあるフォロワーさん がオススメして下さった映画で、ようやく見る ことが出来た作品で ある。

「見る前の印象」

この映画を視聴する前、アマプラの あらすじ を読んで最初、「『1917 命をかけた伝令』(2019年:以下『1917』)に近い話なのかな?」と思って いた。

また2時間50分と言う かなり長い上映時間だった ので、その辺も「途中で飽きないか?」と不安だった。

「見終わった感想」

まず不安だった上映時間だが、映画の演出で長回し も多かった こと から正直「長いな…」と感じる時が何度か あった。

しかし そういう気持ちを吹き飛ばす かの ような激しいアクションと心に残るシーンが数多く存在する映画でも あった。

これまで私は、戦争映画と言うジャンルでは先述した『1917』やサム・ペキンパー監督の『戦争のはらわた』(1977年:以下『戦争の~』)やフランシス・フォード・コッポラ監督の『地獄の黙示録』(1979年)などを見て来た。

どの作品も戦争の激しさ、悲しみ、戦争が生む狂気など を描いている。

本作でも「遊び感覚で戦死した兵士のタグの中からライアンのタグを探す」場面などで一種の狂気を描いて いる。

一方でアクション面に おいては、大量の火薬を使用した爆破シーンと激しい銃撃戦に加え、『戦争の~』で見られたスローモーションや当時の空気感を出すため敢えて ざらつかせた画面、緊張や不安感を煽るカメラアングルに激しい場面 切り替え など とにかく演出が多彩で、どれも戦争の激しさ、すぐ近くに まで迫って来ている死への恐怖や緊張感を見事に表現 出来ていた。

加えて少ない兵士や物資、武器、地形を上手く活用し 如何に敵を倒す かと言う戦略を考える面白さ(靴下の中に爆薬を詰めた「くっつき爆弾」とか)も あった。

また先述した「くっつき爆弾」の ように、この映画には他作品には あまり見られなかった「ユーモア=笑い」も数多く存在している と感じた。

私が思うに 本作の中で描かれる「笑い」=ジョークや笑い話と言う のは、彼らが一兵士である以上に 時には冗談などを言い合って笑ったり歌を歌ったり する「一人の人間」である と言う ことを教えて くれる一つの方法だと考えている。

そして本作には、スピルバーグ監督が他の自作でも描いて来た『喪失と再生』と言う裏のテーマが存在している点こそ、私が本作を見て最も印象に強く残った所である。

例えば『E.T.』 (1982年)ならば「両親の離婚/父親の不在と言う『喪失』を経験した主人公が、地球外生命体と出会い交流する ことで家族との絆を『再生』させながら成長して行く」と言う裏テーマがあると言った感じだ。

では本作は どうか。本作では主に主人公のミラーと彼らが探すライアン二人に、この裏テーマが存在する。

まずミラーの場合、ライアンを探す と言う任務を受けて仲間と共に前線へと向かう。物語 終盤、多くの仲間が戦死するが、「ライアンを守り抜く」と言う作中でも語っていた「妻に誇れる ような任務」を全うし、数々の戦争で 仲間と共に いつの間にか『喪失』していた「誰かを殺す戦争では なく、誰かを救うために戦うと言う 誇り」を『再生』させて息絶えるのである。

一方のライアンは、三人の兄が戦死した と言う大きな『喪失』を経験しつつも、ミラー達と共に戦い彼らの おかげで無事に生き抜き、ミラーからの「その命を無駄にせず 精一杯 生きろ」と言う最期の言葉を胸に自分の人生を『再生』させる。

そしてラストシーンで年老いたライアンと妻との会話の中にも、「ミラー含め多くの戦友を失った=『喪失』」と「ミラーの言葉を胸に、しっかりと自分の人生を生きた=『再生』」が描かれており、(裏)テーマを しっかりと一貫してあるな と感じた。

「最後に」

以上が『プライベート・ライアン』の感想である。

久しぶりに映画を鑑賞したが、一つの作品に対して ここまで長い感想文を書いた のは恐らく初めて かも知れない。

私は まだまだ文章力は拙く、色々と間違っていたり魅力を伝えきれて いない箇所もあるかも知れない。

しかし今後も 鑑賞した映画作品に対する感想をアップし、少しでも作品の魅力などを読者に伝えられる よう精進して行こうと思う。

もし よろしければコメントなども頂ければ ありがたい。

それでは また。

「引用・参考・作品情報 元はこちら↓」


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