マーケティングの第1歩 分類、分類、まずは分類。

以前も記しましたが、マーケティングというと、やっぱり「どうやったら儲かるか」という話になります。

まったくもう!

どんな企業、どんな市場、どんな製品・サービスでも必ず儲かるなんて方法はありません。もしそんな方法があったら、全ての企業が儲かることになります。

でもこれって矛盾してますよね。例えばAという製品を販売している企業が10社あるとします。10社の生産量が、その市場の消費量と等しかったとしても、必ず競争が起こります。消費者はより品質の高い製品を求めます。同じ品質の製品であれば、必ず価格競争が起きます。均衡市場が永続的に続くことは絶対にありません。

とまあ、経済学の基本的な説明をしましたが、こんな回りくどい話ではなくても、それこそ、コンビニのおにぎりと自動車が同じ方法で儲かるわけがないですよね。それでも「どうやったら儲かるか」と質問されます。

基本的には、社会が求めるものを、求める品質、求める価格、求める方法で提供する、ということになります。

しかし、それでは質問者の答えにはなりません。

そこで、マーケティングだけでなく、マネジメントなどにおいて、まずやるべきことがあるとすれば、とにかくあらゆることを分類することです。

本来はまず「分析」を行うべきです。以前記したマーケティングプロセス、「R STP MM IC」にといても、Research(分析)が大前提です。しかし自分で論理的に分析するのは、容易ではありません。

それならば、まずは「分類」してみましょう。

・分類、分類、とにかく分類。
マーケティングを勉強したことがある方なら、分類と聞いて、まず思い出すのはセグメンテーションではないでしょうか。日本語では、市場細分化と言います。これはマーケティングの中で、初期段階で行う重要な作業です。

しかし、実はこの前にやらなければならないこと、また。この後にもあります。

・自社の分類
まずは自社の産業、業種・業態、企業規模、事業規模、提供する製品・サービス、主要収益源などを再確認して分類します。
例えば、経営者の方にお話を伺うとき、これらが一致していないことが、ままあります。
例えば「小売業」、「主力売り上げの6割がレンタル」、「メンテナンスは高利益」、「メーカーのメンテナンス下請けで手がいっぱい」などという会社があるとします。この会社は、既に小売業とは言えません。こうしたことは、実は以外と多いです。

・市場と経済
市場と経済の分類(分析)は、最も大切な分析ですが、多くの方が軽視します。全く考えず考えないと言ってもよいほど。
例えば同じ製品でも、社会の動向や景気によって、消費行動が変わります。市場の状態、競争形態によっても変わります。この違いは、意思決定に大きな影響を与えます。

・製品・サービスの特性
セグメンテーションやターゲティングの前に考えるべき分類が製品・サービスの特性です。例えば、生産財か消費財か、消費財てあれば、最寄品、買回品、専門品といった、マーチャンダイジングの基礎的な分類。使用頻度、ライフサイクルなど、様々な分類があります。

・価値の位置付け
消費者にどのような価値をもたらすものなのかも、大切な視点です。見た目や価格、ブランド、効用など、様々な視点から、自社の製品・サービスが消費者にとってどのようなものなのかを考えます。

・購入方法
自社の製品・サービスを、消費者がどのように購入するのかも大切な点です。最終消費者が直接支払いをしていないものについては、購入している意識すらないものもあります。このとき、購買態度指数なども考慮します。
実はマーケティングの4Pである「Place」は、4Cでは「Customer convenience」にあたります。これは単に立地条件だけを指すのではなく、購入しやすいかどうかという、広い視点を意味します。

ここまで、色々な視点からの分類を挙げました。
こうした分類(分析)には、様々なフレームワークがあります。しかし今回挙げた分類は、基礎的(高校、大学レベル)のものですから、理論を理解して実施することが適切です。

こうした分類(分析)が、経営の基礎となります。

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