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【昨日紹介した作家(ニール・ゲイマン)の話の続き】Amazon.jpの評価に愕然!この天才作家の知名度が日本で上がらないのは誰の責任か!?

標題の通りです。昨日NHKの報道に触発されて掲載した、私の以下のnote。これをアップしたあととつぜん気づいたことがあります。「もしかして、このニール・ゲイマンという作家さんのこと、日本では誰も知らないのでは??

その私の予感を裏打ちしたのが、ニール・ゲイマン原作による傑作コミック、『サンドマン』に対する、amazon.jpの評価の低さ。※そもそも古本でしか手に入らない扱いだし(2020年1月現在)。

この名作への評価が日本でこんなに低いのは誰のせいだ!

、、、もちろん、ニール・ゲイマン本人の作風のせいなのですがw

残念ながら、「ニール・ゲイマンの『サンドマン』を初見から面白く読める人」というのは、なかなかいないとは思います、この人がコミックでやったことは、ボルヘスやガルシア=マルケスにも匹敵する前衛的な表現ですから。たとえば、

第一話からイギリスの実在したオカルト教祖(アレイスター・クロウリー)が説明なしで登場。イギリスの有名なカルト事件とこのコミックの物語が、シンクロして進む。クロウリー教団について知らない読者にはイミフな展開である

第四話は、ダンテの『神曲』をある程度知らないと、そのパロディになっていることにすら気づかず、こちらも「意味不明」で終わってしまう。魔王ベルゼバブが、「いやあ、現代はすっかり地獄も様変わりしちゃってねー、ルシファーとアザゼルとの三人で協議しながら統治する形になっちゃってるんだよ。俺一人じゃ何も決められなくてすまんねー」的なことを言うあたり、パロディとしてめちゃくちゃ面白いんですが、普通の読者には伝わらないよなー、、、とか

ともかく、「ターゲットの年齢とライフスタイルをしっかりと決めて、ターゲット層にわかりやすい表現で描きましょう」というコミック界の常識を完全に無視するいさぎよさ!

「一話読み終わるごとに百科事典を開いて勉強することを要求する」怪作です。

でも二十世紀の文化が「わかりやすさ」に迎合したのがあくまで資本主義のおかげであって、このような「読者を選ぶ」ものこそが本来の芸術だったのではなかろうか、とも思わせてくれる作品でもあります。それをアメコミというフィールドでやってしまったパンクさが凄えけど。出版側もよく許可したな。

しかし、斬新な表現方法を常に探しているクリエイター肌な人や、「イギリス・アメリカの文学オタクたちの頭の中を知りたい!」という人には、たまらなく面白いはず!

先述したとおり、日本語版はもはや古本市場ですが、アメリカの英語原版はKindle Unlimitedで大公開しているみたいです。太っ腹!興味のある方は是非、英語版でお試しになってみては、いかがでしょう?↓





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子供の時の私を夜な夜な悩ませてくれた、、、しかし、今は大事な「自分の精神世界の仲間達」となった、夢日記の登場キャラクター達と一緒に、日々、文章の腕、イラストの腕を磨いていきます!ちょっと特異な気質を持ってるらしい私の人生経験が、誰かの人生の励みや参考になれば嬉しいです!