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「常連戦略」一考


「常連戦略」って銘打ってますbyじゅんじゅん

多趣味枠として、いろんな職場を渡り歩くだけでなく、いろんな趣味を嗜む中で、カフェめぐりや買い物、パン活や自家焙煎珈琲の開拓などなど、常に新しい出逢いを開拓しています。そこで大切にしているのが「常連戦略」。
知的好奇心やコレクター精神で、「このスイーツのシリーズ全制覇したい!」等の一回きりを楽しむこともある。特に別の趣味のお芝居系(舞台観劇や映画等)では、なるべくたくさんの演目を観たいから同じモノを2回観るのは稀。観劇の場合は毎公演別物なので、お金と時間を手にしたら通しをやってみたくはあるけど。
話を戻すと、店舗があるサービス・カフェやご飯屋さん等はむしろ常連化して安定的な癒しの時間を手にしている僕ですが、それは明確な戦略に基づいているのです。そう「常連化」して、一見さんはおろか他の常連よりも高い満足度を得ているのです。

「常連戦略」って何してるの?

基本方針=単純接触効果と第一印象に準じる初期の刷り込み

そもそも開拓の面で僕がいいお店に出逢い良い思いをしているなっていうのは全く客観性のない感覚ではあるのですが、”良いお店に出逢った♪”って判断した時点から戦略は始まります。
それは「なるべく2度目の来店を早く」です。
人は忘れるモノです。従って忘れる前に来店すると逆に記憶に残しやすいです。店員さんや店長さんにとって、来店する方に感謝をするとしたら、前回来店した記憶があるうちに再来店したら、「再来店してくれた!」となりますが、当たり前ですが、個人差あれど相当期間空いてから再来店しても、同一のスタッフが覚えてないか、なんとなく記憶に引っ掛かっても「再来店した」と認識しない限りは、常連になりません。年単位で空いたらスタッフさんもいなくなってるでしょう。
そもそも「再来店」を認識されない限り、少なくともスタッフ(人)ベースでは常連化できないのです。
なので、早期に再来店し、「再来店した」と認識されることが常連戦略のベースなのです。

店舗ビジネスにおいて「常連」顧客はラベリングされる

コンビニでもスーパーでもカフェでも電気店でも、BtoCの店舗ビジネスのお店でスタッフを経験したことなら実体験があると思うんですけど、「常連」的に認識されるリピーターの顧客には、その特徴的なところが当然認識されます。当たり前に人間として記憶を活かしてよりよく振舞う(接客・サービス・配慮・警戒等)訳です。飲食系で常連客が「いつもの!」っていうシーンがなんか味わい深いように、例えば毎度お店側が対応に苦慮する行動をする常連客がいれば「いつもの人!」来た来たってなる訳です。
どうせラベリングされるなら、「良いお客さん」ってラベリングされるのは、どっちが良いかと言われればクレーマー扱いより良客扱いかなって思うのですが、それをもう一歩「良いお客さんだから可能な範囲で良い思いをしてご来店していただきたい」というお店側の心をくすぐるのが「常連戦略」なのです。

「常連戦略」で僕がよく行っているその他の行動

・(業態にもよるけど)ガラガラだと気付いたら絶対入る
・飲食店なら外から見える(窓前カウンター)等に座る
・サジェスト/レコメンドに応じてアップセルやクロスセルに貢献
 ※たいていのスタッフは「今日のおススメ」や
  「ご一緒にホタテはいかがですか?」等を教育されている
・飲食店の場合は混雑状況を意識したオーダー(調理時間のかからない等)
・見切り品の積極購入
・スタッフが新人の場合の配慮(例えば店がガラガラなら敢えて難しい
 オペレーションの実験台になる等、これ店員さんと仲良しで会話が
 できる関係性だとめちゃくちゃ機能する)
・チップ的な何かを提供
・他店情報の提供(自社スタッフは、なかなか競合調査はできない)
・レジ終わりに「ありがとう♪」と声に出す

常連として享受した(と思われる)メリット

お店の業態にもよるけど、常連化したと感じるお店で、具体的に感じる
「これは優遇されたかな?」と思うメリットとして以下のような体験があります。
・レジ待ち等で優遇される≒順番が先になるのはあり得ないけど、
 例えば僕と目が合うと空いてるレジを開放してくれる等
・優先して接客してくれる
・予約等で難航していても、なんとかこじ開けようとしてくれる
・メニューにない対応をしてくれる。例えば飲食店で食材切れ等でも、
 単純にオーダーストップでなく、
 「○○を△△に変更なら同一価格で提供しますよ」的な
・見切り品をノベルティ的にセット販売(個人の食品物販系)
・見切り品値引き時の追加値引き(スポーツ店とかでよくあった)
・ノベルティの大量配布(化粧品系)
・推しの独占(接客系)
・サービス提供時間のちょい延長(マッサージ店等)
・指名予約料の未計上(マッサージ店等)
・商品選定時の予算金額が少ない時にも濃厚接客(主にプレゼント相談)
・「常連台帳」への登録(≒追加クーポン等あり)
・・・
こう書き出してみると、「常連」≒LTVが大きめの顧客に対しては、接客というコストを一回の来店時の客単価では判断されないんだろうなぁと感じます。
つまり、たくさん買ったり高い商品やメニューをオーダーしなくても、ずっと良客でいてくれるので、「自分(スタッフさん)の接客時間コストは気にせず最大限のサービスを提供しよう!」となりやすいんだろうなと。また見切り品系のある種もう売れない物であれば、捨てるより喜ばれる。でも一見さんに提供するとお店や商品の価値が棄損される→常連さんなら大丈夫。となるのかなと。

来店回数と振舞い

とにかく「良い店だ!」と思い、リピートするつもりであれば、早めに2回目3回目と訪れます。
そして、認知して欲しいのは「個々のスタッフさん」です。CRM(顧客管理システム)等の仕組みがあったとしたらお店としてはデータ上で認識されるのでペースは重要でなく、あくまで個々のスタッフさんの脳裏にインプットしてもらうために早めのリピートです。また変に目立つ客だと「避けたい客」認識になるだけなので、そこは「お店に喜ばれる振舞」=ちゃんと買う。怪しい行動はしない(警戒する必要がない)。笑顔。挨拶。等々が大事かなと。
もし店員さんと仲良くなりたいのなら、基本はリピーターになってから話しかけるのがおススメだと思ってます。その理由は初回来店時、相手にはその他大勢にしか見えていませんが、2回目だと相手が「この人先週も来た!」とラベリングがされた状態からスタートするので、その他大勢でなく「名前は知らないけど先週たしか○○を買った人」という個別性が出たところから会話が始まり、相手にも話しやすさが備わります。その状態で何かを話すと個別性が出て会話も進みやすいと考えます。
もしどうしても初回で話したいならそれは初回で話しても自然な「お店や商品に関すること」を聞くことになると思います。ただ、実際に僕が初回で話すケースの圧倒的なのは、会計のタイミングで「実はこの店前から気になってた」的な、相談などの相手の返しが想定できないモノよりも、そのお店や買った商品に対する元々興味を持っていたという好意的な気持ち面や、派生類似する知識や想い・経験の共有くらいにすることが多いです。たいてい相手は笑顔になります。(自分のお店や自社の商品、扱っている同種の商品について話されるて嫌な気持ちになる店員さんは少ない)場合によっては追加情報を話してくれます。そこがまさに次への布石になることが多いです。
店員さんとの会話の話はこのあたりで留めますが、常連戦略で常連化する僕は店員さんとの連絡先交換も結果的にはよくしています(年単位で通った場合)。
結果、その相手の別の活動の場に誘われて趣味の範囲が広がったり、別の界隈の友達が出来たり、一度だけ後日お付き合いに発展したこともあります。まぁナンパ目的が透けて見えると迷惑客に成り下がるので、口説くつもりで通うのは個人的にはおススメしないかな。ただ、良客扱いになれた場合は他の店員さんの応援を得ている印象はあるかなと。実際に通っているお店の店員さんとお客さんが付き合って結婚するという例は一定数存在するので。(僕の周りでも数組存在)

常連客としてのノルマ的な

拡販・紹介活動

この「常連」と名乗る(認知される)からには、それ相応の振舞があるであろうの別の視点で、「どうやってお店に貢献するか?」というテーマがあると思います。そして、その最大の活動=「サポーター的応援ポジション」であり、その中心は紹介・宣伝活動というのが僕の意見です。
これは多くのオーナーさんやスタッフさん、またはお店の運営方針的に、
「太客」だけ優遇しよう、客単価で差別化しよう、という姿勢がたいてい稀薄である。というのが現時点で僕が積み上げた体験からの結論だからです。
経営的にはどれだけ利益を積めたか、そうでなくとも売り上げを増やし、できれば2店舗目、3店舗目を出して拡販できたか?だと思います。でも、
「お店の成功」という概念があるなら、「どれだけたくさんの顧客がその店で多くの幸福体験をしたか?」であり、それは「お客さんがその店でたくさん滞在できたか」に近しくなっていくと考えるからです。
とはいえ、一人の客として開店から閉店まで(オープンラストとかオーラスとか言います)滞在する訳にはいかないので、できることは同じ想いで通えるお客さんを捕まえて来たり、そうでなくともそのお店が多くの人に伝わることです。ということで、僕は習慣的にポジティブ側の体験を速やかにGoogle先生に伝えることにしています。またはInstagram等々。1次情報やUGCの影響力は大きいので、そういう部分で貢献できるようにしています。もちろんチャンスがあれば直接お店に連れて行ったりもよくしています。ハードルの高いメイドカフェデビューなんかは、やはり最初は誰かが連れて行ってあげることも重要だなと。カフェ巡りなどもそれで珈琲そのものに目覚めた友人も多いです。みんなさんも経験あると思うのですが、雑談の中でおススメのお店を紹介されて、律儀にメモしたりネットですぐ調べてみても、それでも尚実際に一人でそのお店に行って、「この前勧めてくれたお店に行ってきたよ!」ってなるケースは稀だと思います。なので、友人には勧める感覚より「友人を連れて行く、連れてきました!」という感覚を推奨します。
それはさすがにハードル高いので、「しっかりとネット上で宣伝しましょう!」ということですね♪

店舗オペレーションサポート

そんな大げさな話ではないのですが、通っていたら分かる「忙しい時にさらに忙しくなるお願い等をしない」というのがあります。
正直、常連客も客なので、他のお客さんと同じ権利を保有する訳ですが、常連客が常連としてメリットを享受し続けられる最低限の要件は、「そのお店が儲かって末永く営業していること」です。なので、お店が非効率になったり負荷やストレスがかかることを未然に防いだり、防ぐサポートをすることはおススメです。別にそこまで無理しなくてもいいとは思いますが、お店のことを熟知していたら回避できることはしたらいいと僕は思います。

逆にしない方がいいと思うこと

接客型のお店等でよく見かけますが、「常連ぶって新規客のお世話」をしたがる人達が一定数います。上記の流れと同じように親切心であることがメインだと思います。(一部マウント取りもいますが)
しかし、忘れガチだなぁと思うのは、その常連さんのサポートは優しさであっても、一見の新規客からしたらそれは想定外で、来店したお店の商品や食べ物やサービスを来店したお店のスタッフさんに提供されたり、そのオーナーさんに語って欲しいのです。てか、そうイメージを持って来店しています。そこでその常連さんが提供する優しさがいろんな理由…例えば常連さんが年配のおじさんで、新規来店客が若い女性だったりしたら正しく伝わらないモノです。実際にそういう例をたくさん見て来ました。恐らく(というか実際に声として何度も聞きましたが)「私らあのおじさんの接客を受けに来たんじゃないから、もう来たくない」という結果を招くことが大半だと思います。逆に店員さんも交え3者の関係だったり、新規来店客の方からサポートを求めてきて、そのお膳立てでお世話をしたケースなどはめちゃくちゃ感謝されると思います。僕の実体験として数回「この後別のお店にも連れて行ってください!」とか連絡先交換を要求されたりしました。
あくまで新規顧客への直接サポートは「求められたらする」のタイミングを意識するといいと思います。

最後に(コミュニティマネージャーから)

商売目線で、多くの店舗ビジネスや小売ビジネス、サービス業が、最終的には常連化すると金銭的にもメリットが出るような設計になっていることが多いです。「ボリュームディスカウント的な」あるいは、リピート化すれば、もう集客目的の販促費が要らなくなるので。
ということで、きっかけはちょっと得するくらいでいいと思うんです。ただ、この人間関係が稀薄になっていく世の中、また従来型コミュニティ(大家族、そもそも家族、職場や町内会的地域コミュニティ、ご近所さん等)が廃れる中、元々サードプレイスを持っている人は強いと思いますが、それがない根無し草になりやすい現代人は、「常連化」を通じて社会とつながる場やその入口を持っておくことが、人口減少の日本で快適に暮らして行く一つの武器かなと、大学時代にまちづくりを研究した、コミュニティマネージャーのじゅんじゅん的には感じる次第です(◡ ω ◡)

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