見出し画像

大規模オンラインRPG「ドラクエ10」で逆ハーレムを作っていた"姫"との思い出

*ドラクエ10を知っていても知らなくても、問題なく読めるはずの内容。また、姫型リーダーやカリスマ性の「秘密」についても語ります。


数年前の話だ。僕はゲーム内でネカマ(女性のふりをする)だったので、いつも一歩引いた立場から表題のその光景を眺めていた。

姫とは、同じチーム(他のネトゲで言うギルド=プレイヤーが継続的・友好的に集まる場所)だった。彼女が名実ともにそのチームのリーダーだった。


当時ドラクエ10を始めたばかりの僕は、とある活気のある街角(ゲーム内での。グレン1と呼ばれる場所)を通りかかった。

そこで聞こえてきた彼女の勧誘文句がユニークだと思ったので、とりあえず僕はそのチームへ入ってみることにしたのだった。

この時点では内情を全く知らない状態だ。



予め断っておくと、僕にこの姫を非難するつもりはない。むしろ、何かしらの共通点を感じたのだった。


チームメンバーの構成

そのチームのメンバー構成としては、リーダー(姫)と、その姫と現在あるいは過去に恋愛関係にあった数人と、それ以外の一般層の数人という形だった。これは比較的小規模なチームだ。


ネットゲームなので、全員がリアルの性別を明らかにしていたわけではなかった。ドラクエ10の世界にはネカマもたくさんいた。

僕も女性のアバターを使いつつも、自らのリアルの性別を明らかにしたことは一度もなかった。聞かれることも無かった。そういう雰囲気だった。

しかし、たぶんこのチームに若い女性は姫だけだったと思う。なんとなく、他の若い女性が入ってきにくいような雰囲気があったのかもしれないし、仮に入ってきてもうまくかみ合わなかったような気もする。


チームの雰囲気

また、他には手厚いサポートや連帯感を勧誘文句にしているチームもあったが、ここにはどちらかといえば自主独立の風土があった。

それぞれが基本別々のことをやっていて、共有のチームチャットで軽く雑談して、たまに都合があえば一緒に何かをするような感じだった。それくらいで居心地が良かった。

僕は自分の好きにやりたい人間で必要以上に干渉されることを嫌うし、ゲームの進め方とか攻略法を自分で考えて試行錯誤することが好きだったし、知らない人と野良で一期一会のパーティを組んで戦うのも好きだったから。


姫は姫で、ゲーム内での恋人の男性(「相方」と呼ばれる)と行動を共にしていることが多かったし、それ以外でも男の人に囲まれているところを何度か見た。

同性の友人と親しくしているところはあまり見なかった。一般層の中に妙齢の女性はいたっぽいけど、それはまた別枠だったように思える。



――そんな姫も今や、母親になったらしい。そう風の噂で聞いた。僕はしみじみとした気分になった。それがこのノートを書こうと思ったきっかけだ。


僕には姫が悪い人には見えなかった

彼女に好意を抱いている男の人達の中には、たぶん愛憎や嫉妬などの強い感情が渦巻いていたのだと思う。裏では彼女のことを悪く言う人もいたらしい。

しかし一歩離れたところから(ネカマとして)見ている僕には、彼女は姫となるべくして姫になっているように見えた。悪い事をしているようには思えなかった。

つまり、彼女はとても姫としての適性に優れた人間であるように見えた。


そのことを示すエピソードを一つ紹介しよう。

僕がそのチームに入った頃、僕は初心者で、姫や他の人達は熟練プレイヤーだった。

なので、姫や他の人が僕といっしょに冒険に出かけたり、敵と戦うということは、キャラクターのレベルが合わないので難しい状況だった。

しかし姫はとても面倒見がよく、気が利く人なのだった。


*有料マガジン(月額ではなく一回の買い切り)についての説明

この記事単品だと100円ですが、買い切りのマガジン『友達だけに話したいようなことを書く秘密基地』を購入して頂けると、他の記事もまとめてお得な値段で読めます(マガジンについて詳しくはこちら)。

ここから先は

1,962字
この記事のみ ¥ 100

この記事が参加している募集

頂いたサポートは無駄遣いします。 修学旅行先で買って、以後ほこりをかぶっている木刀くらいのものに使いたい。でもその木刀を3年くらい経ってから夜の公園で素振りしてみたい。そしたらまた詩が生まれそうだ。 ツイッター → https://twitter.com/sdw_konoha