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搾取子の私が2万円で母親を土下座させたとき、人生最高の快感を得た

幼少期が鬼畜な私の原体験

私の両親は毒親だ。私は俗にいう搾取子で、1歳年下の弟が愛玩子である。

父は自分の趣味にしかお金をかけない守銭奴で、子どもには一円もお金を使いたくないタイプのクズ。当然おこずかいはなく、祖父母がお年玉をくれようとしても勝手に断る。服も持ち物も弟のおさがりだ(私より弟の方が発育がよかった)。

母はヒステリーで突然烈火のごとく怒りだす。一度怒り出すと、私は家の外に追い出される。理由はわからないけど必死になって県間のドア越しに謝り続けた結果、家の中に入れてもご飯抜き・お風呂抜き・布団抜きで死にそうになる。10時間以上ご機嫌を取り続けて、やっと許されるのだ。

毎日父親には無視をされ、母親には家事育児のストレスをぶつけられる。常に母親の顔色を窺いながら生活し、寝る直前になって初めて「今日も一日母親に怒られずに過ごすことができた」と安心できた瞬間が一番幸せだった。幼少期の私は、楽しいと感じた瞬間も、腹の底から笑ったことも一度もない。

そんな常時戦場の家庭において、愛玩子の弟は何をしても許される特権階級にいた。弟がワガママを言っても「お兄ちゃんだから我慢しなさい」と言われ、私が言い返せば私だけが一方的に怒られる。私がスポーツ少年団に入りたいと言っても断るくせに、弟の場合は即了承して高価な道具を買いそろえていた。

この幼少期を経て私は「人を支配できる立場に立てば何をしてもいいんだ」と学び、今の鬼畜な私の人格を形作った。

2万円で傲慢な母親を土下座させる快感

その後、私が実家を離れて就職し一人暮らしをはじめたときに事件が起こった。父親が家族に内緒で早期退職し、退職金を全て自分の趣味につぎ込んだことがわかった。

当然生活費は入ってこない。弟は浪人中で収入がない。そこで母親が私に泣きついてきたのだ。そのときに私は事情を把握した。

私が最初に貸したお金は2万円だった。私が財布から2万円を取り出して母親に渡すと、母親は土下座しながら私にこう言った。

「ありがとうございます」

あの!!ヒステリーで理不尽で傍若無人だった母親が!!!搾取子の私に!!!!!敬語で感謝を述べている!!!!!!

愉快で愉快でたまらなかった。私を毎日恐怖に陥れていた母親が、私に屈服したのだ。彼女はこんなにも弱い存在だったのか。最高に気持ちがいいではないか!!!

この時味わった快感は、それまでの人生で感じた快感とは比べ物にならない極上のものだった。急速に自尊心が満たされた。

この瞬間、お金で人を支配する快感に私はとりつかれたのである。

その後、義憤に駆られた弟が学生生活を経て就職し「父親の代わりに僕が母親を助けるんだ!」と言い出すまで実家に援助する日々が続いた。

上場したがる中小企業社長の気持ちはこれに似ている

就職後に私が仕えた中小企業の社長(社員100人以内の規模感)は何名かいたが、いずれも取引先や銀行に馬鹿にされて悔しい思いをしたり、社員の大量離職に悩んでいたりした。

そんな彼らにビジョンはなくて「△年後までに売上金額○○億円達成」「□年後までに上場する」といった目標を掲げるだけであった。

彼らもきっと見返したいのだと思う。掌を返してすり寄ってきた取引先や銀行を見下して悦に浸りたいのだろう。私が間違っていましたと頭を下げさせて屈服させたいのだろう。愛人に貢ぐことを通じて自分を信じてついてこなかった妻に「お前には貢ぐ価値もない」と思い知らせてやりたいのだろう。

自分をバカにした連中が自分にひれ伏す瞬間は最高に気持ちがいい。人を支配しねじ伏せる瞬間は最高に愉快だ。

母親の一件でそう感じたので、私は彼らを応援したくなる。

それでも私は両親への復讐をやめない

前述のような幼少期だったので生きづらさを感じていて、カウンセリングの類をたくさん受けた。

多くのカウンセラーは「自分のために両親を許す」ことを勧めてくる。許した方が心穏やかな生活を送れるのだろう。

それでも私は両親への復讐をやめない。みじめに老いてのたれ死んでいく様を愉悦に浸りながら見下していたいし、死んだら散骨する予定だ。

ざまあみろ。震えて眠れ。

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