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「世論が間違っている」という発言に滲み出る日本の高齢経営者層の傲慢さについて


#KENMAYA です。

Twitterで今話題になっているのが度々『国民の敵』として槍玉に挙がる竹中平蔵氏(70)です。
今回炎上したのは某テレビ番組内での発言。

パネラーが「国民は我慢してるんです。だから怒っている」と指摘すると、竹中氏は「我慢しなきゃ仕方ない。それだったらコロナ菌に怒ればいいじゃない」と突き放した。
パネラーが「世論の6~7割が中止・延期と言ってるのは間違ってる?」と追及の声が出たが「世論が間違ってますよ。世論はしょっちゅう間違いますよ。世論はしょっちゅう間違えますから」と明言。

記事を一部引用しましたが、まぁ色々と突っ込みどころ満載であるのは置いておいて、実はわたしは竹中氏は「経営者」としては有能である、と考えています。
簡潔に理由を述べますと、必ず仕事を獲得し、必ずお金を稼ぐことのできるポジションにいるからです。もちろん手段を問わず政財界に幅を利かせるやり口は称えられたものではありませんし、非常に卑しいものであるとも思いますが、徹底した実利主義、利益至上主義は経営者として見ると優秀であると言わざるを得ません。
ですが、今回の主題である「世論は間違っている」という発言について少し掘り下げたいと思います。

以前わたしが記事にも書いた「なぜマスコミは若者から支持されなくなったのか」でも触れていますが、一言で言えば『ジェネレーションギャップ』がそもそもの要因のひとつです。

竹中氏は既に70歳、少し前であれば既に定年であった年齢です。
実際、日本の会社経営者の平均年齢は60歳を超え、約65%の会社で後継者不足に悩んでいると言われています。

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社長の平均年齢が上昇し続けている背景には『就職氷河期』の存在、いわゆるロスジェネ世代が大きく関わっています。
本来であれば次期社長や幹部クラスに40代~50代が控えているのが普通ですが、日本の長期デフレ不況により、この世代が会社からすっぽりと抜け落ちてしまっているのが現実です。

つまり、今までのように会社内で順調に出世して、いつか社長の座へ。という固定観念では会社の存続自体が難しくなってきているのです。
また残念なことに多くの経営者がこれを理解できていません。
なぜならば、本来幹部候補として育てるべき人材を登用できておらず、「まだ若いから」という理由で若手社員に対して接していたり、外部から幹部候補としてスカウトするような行為を悪しきこと、卑しきことのように捉えている場合が多いからです。


話を元に戻します。
なぜ竹中氏は「世論は間違っている」という発言に至ったか。
これには竹中氏の利益至上主義に相反する世論形成に対する苛立ち、及び先述した通り、「幹部候補として育てるべき人材不足」によるものが大きいと考えています。

本来であれば、竹中氏にも有能な部下の一人や二人いて、然るべきブレーンとして機能していなければなりませんが、恐らく彼にはそのような存在がいないのでしょう。経営者としては優秀であっても、自身が表に出て権威を振るうのは残念ながら有能とは言えません。

人間の脳レベルは、加齢と共に能力が落ちていくとされていますが、確かにIQテストに代表される瞬発的な処理能力は18歳頃がピークです。
しかし実は、知識の蓄積で一概に能力が落ちるだけではありません。
社会人になり多くの人と出会う機会が増える30歳頃になると名前を覚える能力がピークを迎え、仕事での集中力が43歳、相手の表情を読む力は48歳、新しい情報を学び理解する能力が50歳、さらに語彙力などは67歳頃がピークだといわれています。

しかし、いくら経験豊富で蓄積された知識や知見があってもやはり、50歳ぐらいには一線を退き、後続にバトンタッチを行うのが科学的にも理に適っていると言えるでしょう。
ですが、日本の経営者の平均年齢は60歳と、これを大幅に上回っています。
なぜでしょう。


それは今の60歳以上が「バブル絶頂期」に裏打ちされた「過去の成功体験」にしがみついている世代だからです。
バブル崩壊で大きく損失を被った人たちは当然とっくの昔に一線を退いていますし、今生き残ってる一線の60代プレイヤーは皆「今までわたしのやり方でうまくやってこれた。」「わたしだからこそ、うまくやれてきたのだ。」というプライドがあります。

つまり、「わたしのやり方」にそぐわない人材や、「わたし」に意見する人に対しては、今までの成功体験を否定されたように感じ、憤るのです。
ここに傲慢さが生まれます。これは隠しようがありません。
自分の半生を否定されて怒らない人間がいるなら、余程の聖人君子か余程自分に自信がない人でしょう。そんな人はこういったプライドは最初から持ちあわせていないでしょう。

このような経営者の傲慢さの結果として経営者の高齢化、後継者不足が進んでいるわけです。
竹中氏の今回の発言も、思わずそんな本音がポロリと出てしまった、とわたしは考えています。

ここまで読んで頂き、ありがとうございました。
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