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【健診】と【検診】 何が違う?


健康診断の受診者さんは、ふと思いました。同じ読みでも字が異なる【健診】と【検診】は、どのような意味の違いがあるのかと…。



技師
 「お疲れ様でした、これにて検査を終わります。」

受診者「ありがとうございました。あの、1つ気になっていることがありまして…。【ケンシン】って漢字を2種類見るんですけど、使い分けてる理由はあるんですか?」

技師 「はい、ありますよ! 【健診】として行う検査は、定期的に調べることで身体の変化を把握し、健康づくりの助けとなるものです。その一方で【検診】は、主に特定の病気を確認するための検査となっています。」

受診者「えーっと…?」

技師 「すみません、これだけでは分からないですよね。少し具体例を使って説明しますね。」

受診者「お願いします。」

【健診】とは

技師 「まずは【健診】で行う血圧検査で考えてみましょう。血圧値が高くても自覚症状が生じることは稀でして、何か重大な病気を今持っているということではないです。しかし、血圧値が高いほど将来的に脳卒中となるリスクが上がることが現在の医学では分かっています。」


受診者「そうだったんですね。血圧が高いのは良くないってことは知ってましたが、脳卒中に繋がるのは初めて知りました。」

技師 「このとき【健診】の検査目的は、将来のリスクが低いのか高いのか、治療が必要なレベルなのか、といったいくつかのグループに振り分けることにあります。その後、結果に基づいて適切な生活習慣を考えリスク対策することで、健康な身体をつくっていくことに繋げます。」

受診者「なるほど! 理解できました。」

では【検診】は?

受診者「それなら【検診】の方はどうなんですか?」

技師 「【検診】で有名どころといえば乳がん検診がありますね。乳がん検診の検査項目もいくつかありますが、住民検診ではマンモグラフィ検査を行っていますので、これで説明をしていきます。マンモグラフィ検査は、乳房組織の写真を撮ることで、がんの可能性がある腫瘤や石灰化といった現在の病気を見つけていく検査です。」

受診者「がんかも知れない病気が見つかるって何だか怖いですね。」

技師 「そうですよね。ただ、見つかった異常が全てがんという訳でもないですし、放っておくことの方が怖いので、そこは一歩踏み出すようお願いしたいです。」

受診者「はい、頑張ります!」    

技師 「それに、基本的には症状のない方々が受けに来られるので、がんが見つかっても進行しているケースは少ないです。早期発見と早期治療によりがんの死亡率を下げることに【検診】の目的があります。」

受診者「確かに症状がないから病院で検査なんてしないですもんね。おかげさまで疑問が解決されました、ありがとうございます!」

技師 「こちらこそ、健康に関して興味をもって頂けて良かったです。ありがとうございました。」



受診者「でも、お話を聞いていたら更に1つ疑問が出てきまして…。【健診】の結果で異常があっても、どんなふうに生活習慣を改善していけば良いのか自分では分からなくて。」

技師 「確かにそうですよね。条件は少しあるのですが、そういった方々のために特定保健指導といった制度があるのをご存じですか?」

次回「特定保険指導」について

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