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淡々と、しかし淡々と、拙い文章を綴っていきます。 この時代にあえて(出来るだけ)テキス…

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淡々と、しかし淡々と、拙い文章を綴っていきます。 この時代にあえて(出来るだけ)テキストのみです。

マガジン

  • 進行形JR乗りつぶし日記(少しのオマージュ)

    なんとなく日本各地の鉄道に乗っていた中年男がJR全線完乗を志すようになってからの阿呆旅日記です。現在進行形なのでいつ終わるか分かりません。終わらないかもしれません。写真はあえて載せていませんので、「文字ばかり読んだら頭が痛くなる」という方には向いてないかも……(^^;)

  • 岩石音楽を巡るあれこれ

    60年代から90年代あたりの洋楽ロックにまつわる思い出やらあれこれです。

最近の記事

進行形JR乗りつぶし日記(少しのオマージュ)#32~ひさびさ二人旅北海道(5)【比羅夫→余市→小樽→新千歳】

 2023年9月24日(日)比羅夫駅で朝を迎える。始発列車の発着も部屋の小窓から見て、食堂で朝食を頂く。ごはん、みそ汁、鮭、玉子焼き等々の伝統的な和食にベーコンのバター炒めを加えたメニューで、昨日のバーベキューに負けず劣らず美味しい。ワンテーブルをTさん、Mさんと私たち4人で囲むというのも最近にはあまりない光景で楽しい。各自の今日の予定の話になり、全員同じ列車でひと駅先の倶知安までは一緒であることが判明する。Tさんは倶知安から『ニセコ号』で函館に戻り、Mさんは旭山動物園に行っ

    • 進行形JR乗りつぶし日記(少しのオマージュ)#31~ひさびさ二人旅北海道(4)【長万部→比羅夫】

       Cさんは既乗だが私は未乗なのがここから倶知安・比羅夫・余市を経て小樽まで至る函館本線、通称「山線」区間である。本線とは名ばかりで、特急はみんな千歳経由で札幌に行くので完全なローカル路線に成り果てていて、しかも北海道新幹線の札幌延伸で廃線となってしまう。しかし廃線特需はさておき、ニセコを中心とするインバウンド需要で俄かに輸送量が増加していて、更に廃線後の輸送を担うバス会社との協議が全く整っていないというドタバタな動きを呈している。そんな動きとは別だろうが、普段は鈍行ばかりのこ

      • 進行形JR乗りつぶし日記(少しのオマージュ)#30~ひさびさ二人旅北海道(3)【滝川→富良野→新得→室蘭→長万部】

         朝に弱い私だが、旅に来るとそうも言ってられない。2023年9月23日(土)、今日最初の列車は5時49分発車なので、眠い目をこすりながら私はCさんと共にまだ薄暗い滝川駅の根室本線ホームにいる。私は一年振りの、Cさんは初めての滝川~富良野間走破になり、今回の旅程立案で最も核になった部分である。  列車はキハ40形2両編成で、1両は昨年乗った旧国鉄色だったので今日もそちらに乗ろうと並ぶが、駅員さんに「この車両には乗れない」と言われる。不思議だなと思っていたら、芦別駅で切り離されて

        • 進行形JR乗りつぶし日記(少しのオマージュ)#29~ひさびさ二人旅北海道(2)【釧路→知床斜里→網走→北見→滝川】

           午前6時過ぎの釧路駅は殊更に寒い。今回の二人北海道旅は逆回りではあるが一年前のルートと同じ部分が多いので、いろんな場所で既視感がある。この寒い釧路駅前広場も、改札が開くのを待つ光景も、座席確保のために列車に小走りに駆け込むのも全て昨日のことのように覚えているが、今日乗るのは根室行きではなく網走まで北上する釧網本線である。  2023年9月22日(金)6時38分、網走行各駅停車は程々の客を載せて釧路駅を発車した。ひどく眠いことに加えて、ホテルの無料朝食を始発に乗るために放棄

        進行形JR乗りつぶし日記(少しのオマージュ)#32~ひさびさ二人旅北海道(5)【比羅夫→余市→小樽→新千歳】

        • 進行形JR乗りつぶし日記(少しのオマージュ)#31~ひさびさ二人旅北海道(4)【長万部→比羅夫】

        • 進行形JR乗りつぶし日記(少しのオマージュ)#30~ひさびさ二人旅北海道(3)【滝川→富良野→新得→室蘭→長万部】

        • 進行形JR乗りつぶし日記(少しのオマージュ)#29~ひさびさ二人旅北海道(2)【釧路→知床斜里→網走→北見→滝川】

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        • 進行形JR乗りつぶし日記(少しのオマージュ)
          32本
        • 岩石音楽を巡るあれこれ
          3本

        記事

          進行形JR乗りつぶし日記(少しのオマージュ)#28~ひさびさ二人旅北海道(1)【新千歳→釧路→根室→釧路】

           子どもの頃から人見知りで団体行動が苦手なのに加えて、年齢を重ねてきたせいもあり、最近の私の乗りつぶしはほぼ一人旅だが、今回は久しぶりにCさんと二人旅に出た。お互いに未乗線区の多い東北に行こうかと以前から相談していたのだが、いよいよ根室本線の富良野~新得間が来春廃止決定との報を聞き、急遽北海道に行き先を変更したもので、多くは昨年9月の北海道大周遊ルートと被るが、二人旅ならではの再発見もあるだろう。  2023年9月21日(木)6時45分関西空港発のピーチで出発する。始発電車

          進行形JR乗りつぶし日記(少しのオマージュ)#28~ひさびさ二人旅北海道(1)【新千歳→釧路→根室→釧路】

          進行形JR乗りつぶし日記(少しのオマージュ)#27~関東圏集中旅(6)【成東→銚子→成田→我孫子→上野(+おまけ)】

           如何にだらけて寝ていてもポイントになると大概目が覚めるのが不思議なところで、未乗区間の終わる松岸駅の手前でふと覚醒する。やがて左から成田線が寄り添ってきて合流し、速度を落とした列車がゆるゆると一駅走ると、僅か1ヶ月前に訪れた銚子駅ホームに私はまた降り立った。  2023年3月9日(木)14時53分銚子駅到着、佐倉まで戻る総武本線の各停は15時46分発なので小一時間の余裕がある。佐倉からは成田・我孫子を経由して上野まで行くだけなので、最後の観光地であるここで少々のお土産などを

          進行形JR乗りつぶし日記(少しのオマージュ)#27~関東圏集中旅(6)【成東→銚子→成田→我孫子→上野(+おまけ)】

          進行形JR乗りつぶし日記(少しのオマージュ)#26~関東圏集中旅(5)【木更津→安房鴨川→大網→成東】

           東日本管内廃線候補一番手の久留里線を乗り終え、木更津に戻ってきた。朝食も摂っていなかったので、駅階段下にある駅そば屋に入る。駅そば屋の立地条件としてはホーム上が最高で、時点が改札近辺となるのだが、この木更津駅そばはロータリーに面した場所にある。しかも立ち食いではないので、そういう観点では減点なのだが、朝限定のたらこご飯セットなるものがあって、これが遅めの朝食兼早めの昼食にすこぶるフィットする。  そばで空腹を成敗した私は再び駅構内に戻った。2023年3月9日(木)9時31分

          進行形JR乗りつぶし日記(少しのオマージュ)#26~関東圏集中旅(5)【木更津→安房鴨川→大網→成東】

          進行形JR乗りつぶし日記(少しのオマージュ)#25~関東圏集中旅(4)【木更津→上総亀山→木更津】

           木更津は千葉県の中でも大きな市で栄えているイメージがあるが、木更津駅前は閑散を通り越して寂れている。早朝だからなのかとも思うが、昨日夜に歩いたホテルまでの商店街の寂れ方を見るとやはりそうなんだろうと思う。恐らく東京湾アクアラインからアウトレットあたりに中心地が移ってしまっていて、駅周辺は何とも言えぬ状況であるが、そんな心配は市役所と県庁に任せておくことにする。  2023年3月9日(木)6時25分発の上総亀山行き久留里線の各駅停車は長大編成の列車がバンバン発着する内房線ホ

          進行形JR乗りつぶし日記(少しのオマージュ)#25~関東圏集中旅(4)【木更津→上総亀山→木更津】

          進行形JR乗りつぶし日記(少しのオマージュ)#24~関東圏集中旅(3)【高尾→木更津(都会電車旅)】

           そのむかし高尾駅は酔っぱらいの乗り越しが日本一多いなどと言われていたらしいが、それは所謂国電区間の終点であったことに理由があるのだろう。そもそもそんな統計があるかどうかも分からないので今も日本一なのか判別する術はないが、運転系統としては今も高尾は大きな区切りであり、新宿や立川から甲府方面への直通列車も若干はあるが、大半の列車は高尾止めとなっている。運賃計算上も電車特定区間の終点となっていて、要は「都会の電車」の西の終着駅ということだろう。そして小田原からの大回りの末に西から

          進行形JR乗りつぶし日記(少しのオマージュ)#24~関東圏集中旅(3)【高尾→木更津(都会電車旅)】

          進行形JR乗りつぶし日記(少しのオマージュ)#23~関東圏集中旅(2)【富士→甲府→小淵沢→高尾】

           今日は御殿場線の車中からずっと富士山を見ていて、その大きさや形は様々に変わるが、「美しい」ことはずっと変わらない。見延線への乗り換えとなるその名もズバリの富士駅からも、山頂に雪を頂いた綺麗な富士山が変わらずしっかりと見える。もっとも景色はお腹いっぱいだが、朝からまともなものを食べていないのでこちらのお腹は空いている。基本的に鉄道旅ではなるべく駅そばを主食にすると決めていて、これから向かう甲府と小淵沢には旨いと評判の駅そばがあるので空腹をしばし我慢する。  2023年3月7日

          進行形JR乗りつぶし日記(少しのオマージュ)#23~関東圏集中旅(2)【富士→甲府→小淵沢→高尾】

          進行形JR乗りつぶし日記(少しのオマージュ)#22~関東圏集中旅(1)【小田原→国府津→御殿場→沼津→富士】

           2023年3月7日(火)5時38分、春には程遠い早朝の小田原はひどく寒い。まだ薄暗い中を大阪から乗ってきた夜行バスを震えながら見送り、私は大きな駅ビルに上がる階段をとぼとぼと歩いている。  昨年秋から北海道、南東北、千葉茨城から何故かまた北海道、とJR乗りつぶし計画を密かに実行に移しているが、首都圏というか関東圏には大量の未乗区間が残っている。都会の鉄道にはローカル線とは違う良さもあるが、乗りつぶしという若干の仕事テイストもある今回の行動においてはあまり食指が動くものではな

          進行形JR乗りつぶし日記(少しのオマージュ)#22~関東圏集中旅(1)【小田原→国府津→御殿場→沼津→富士】

          進行形JR乗りつぶし日記(少しのオマージュ)#21~さんふらわぁ僥倖旅(7)【苫小牧→鵡川→苫小牧→千歳】

           駅のすぐ横にある工場からは白い煙が青空に立ち上っている。今日最後の目的である日高本線の14時33分発鵡川行き各駅停車は既に苫小牧駅の端っこのホームに入線して、けたたましいディーゼル音を響かせている。  先程乗った室蘭本線に象徴されるように、もはや「本線」の名称が何の意味も持たなくなったJR北海道の中でも、特にこの日高本線は8年前の高波被害で海岸沿いの線路や路盤が多く流されたまま放置され、結局そのまま鵡川から終点様似までが廃線になってしまったという落ちぶれようである。日高地方

          進行形JR乗りつぶし日記(少しのオマージュ)#21~さんふらわぁ僥倖旅(7)【苫小牧→鵡川→苫小牧→千歳】

          進行形JR乗りつぶし日記(少しのオマージュ)#20~さんふらわぁ僥倖旅(6)【札幌→岩見沢→苫小牧】

           岩見沢行き普通列車は定刻11時7分に札幌駅を後にした。当初予定では既に自宅で某用務に取り組んでいなければならぬ時間だが、私は大雪の北海道にいて、なおも鉄道に乗り続けようとしている。これでいいのかと自問してみるが、仕方ないという自答しか浮かんでこない。  2023年2月3日(金)、全道的には大雪のピークは越えたが、引き続き石狩地方と空知地方は大雪警戒との予報で、そして私の今日の行程はほぼその両地方に収まっている。予報は正確らしく、岩見沢に近づくにつれ車窓の景色は暴風雪の様相を

          進行形JR乗りつぶし日記(少しのオマージュ)#20~さんふらわぁ僥倖旅(6)【札幌→岩見沢→苫小牧】

          進行形JR乗りつぶし日記(少しのオマージュ)#19~さんふらわぁ僥倖旅(5)【札幌→北海道医療大学→札幌】

           思いもかけず北海道ワンデイ乗りつぶし旅となった2023年2月3日(金)、朝のニュースによると札幌の積雪は67センチに達しているが、JRは概ね平常運行予定とのことで、若干余裕を取り戻した私はホテルの目の前にある北海道大学構内を少し散策する。  大学自体が観光地化している北大には観光客も多く訪れる。私も嘗ての夏の旅行でかなりの時間をかけて緑溢れる構内を歩いたが、今日は持ち時間が僅か20分なので、入口付近を徘徊するだけのまあ表敬訪問といった感じである。学生や教職員と思しき人た

          進行形JR乗りつぶし日記(少しのオマージュ)#19~さんふらわぁ僥倖旅(5)【札幌→北海道医療大学→札幌】

          進行形JR乗りつぶし日記(少しのオマージュ)#18~さんふらわぁ僥倖旅(4)【苫小牧→札幌】

           左舷からは遠くに下北半島の低い山々が見えている。爆弾低気圧による大揺れを覚悟していたが、航路がうまく隙間を縫っていたのか、フェリーのスタビライザーが優秀だったのか、いずれにしてもさほどの揺れに遭遇することはなく、2023年2月2日(木)午前11時、船は予定通り真っ直ぐ北に進んでいる。  しかし私はフリースペースとして解放されているレストランで頭を抱えていた。今日は苫小牧入港後、日高本線を1時間強で往復した後はすぐに新千歳空港に向かい、空港内にある温泉でまったりとして夕方の

          進行形JR乗りつぶし日記(少しのオマージュ)#18~さんふらわぁ僥倖旅(4)【苫小牧→札幌】

          進行形JR乗りつぶし日記(少しのオマージュ)#17~さんふらわぁ僥倖旅(3)【佐原→鹿島神宮→大洗】

           14時17分佐原駅発車。おっさんの不意打ち攻撃から何とか気を取り直して、車窓に目を移す。3分ほど走って今日三度目の香取駅を過ぎると、レールは大きく右にカーブして長大な利根川橋梁を渡り、そのまま続く高架上に設けられた十二橋駅に着いた。その名前は近所に人が行き来するための小さな橋が12架けられていたことに由来しているのだそうだが、駅は地区の中心からは外れていて人影は少なく、高所らしい強風が吹き荒れているだけである。  高架上の秘境駅とも言えそうな中々に味がある無人の十二橋駅を出

          進行形JR乗りつぶし日記(少しのオマージュ)#17~さんふらわぁ僥倖旅(3)【佐原→鹿島神宮→大洗】