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自身のジェンダーをどのように表現しますか? という問いに答えてみた

私は、女性として生まれ育ちました。
数年前に、子宮と卵巣を摘出しても、女性です。
性別欄に「女性」としるすことに、躊躇はありません。
しかし、女性であることを快適に思っているかという点では、
非常に疑問です。
私は、自分の女性性について、複雑な思いを持っています。


私は「女性」になりたくない者であり、
私は「女性」になることを切望しているけれどもかなわない者。
ふたつに分裂した女性イメージ。
聖母マリアと、罪深い娼婦のマグダラのマリア。
家父長制のもと歪められた、理想の女性像。

私は、
男性優位社会において、搾取されるものでありたくない。
母のように、黙って毎日ご飯を作って不満な顔をしていたくない。
自分のことは後回しにして、全てを家族優先にしたくない。
男の後ろを三歩下がって歩きたくない。
幼にしては父兄に従い、嫁しては夫に従い、老いては子に従いたくない。
男の人の気を惹くために、おしゃれやお化粧をしたくない。
同時に、
男性に対して、自分は果てしなく弱い存在に感じる。
なぜなら、私は男の人ではないから。

私は、
隣に座っている、身ぎれいにして、きちんとお化粧をして、
幸せそうにしている人を、羨望の眼差しで見つめる。
そう願うことすら、身の程をわきまえないことのように感じる。
私を攻撃するもののようにすら感じる。
そんな人の前では、やはり私は果てしなく弱い存在に感じる。
なぜなら、私は十分に女の人ではないから。

自分のことを、
「男性器の欠けた不完全な人間」だと感じてきた時期が長くあった。
だから自分はあらかじめだめなのだと。
男性優位社会に沿おうとして、かなわないがゆえの嘆き。

一方、
社会的に女性的とされることを楽しみ、
乗りこなして生き生きと生きている人たち。
男性優位社会から軽々と逸脱している人たち。
もしくは、過剰適応している人たち。

彼女たちは、
私が持ち続けている世界観に、真っ向から挑戦してくる。
私が認めようとしない、世界のもう半分を、つきつけてくる。


私は、自分のジェンダー観を、嘆きます。

家父長的な信念を持つ両親のもと、
わたしは小さいときから「お姉ちゃん」だった。
いつも「お姉ちゃんなんだから(がまんしなさい)」と言われ続けてきた。
家には「子どもとしての、ありのままの私自身」を受け入れてくれるスペースがなかった。
「お姉ちゃん」という立場を生きることしか許されなかった。

弟たちを羨み、
夫に子どもたちにといつも忙しく立ち働く母を軽蔑し、
父を恐れ嫌い、
自分のジェンダーにアンビバレントな気持ちを持ったまま、
今に至ります。

やっと、これについて、語れる時期がきたのかなという気がしています。抱きしめて、優しく手放せたらいいな、と思います。


  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆ 

前回、前々回に引き続き、
これもNVC(Nonviolent Communication/非暴力コミュニケーション)のとある講座に参加するための、申込み兼アンケートの回答です。
(今回は、ほぼリライトなし!)

なぜ「非暴力コミュニケーション」にジェンダーが関係あるのか?
それは、現代社会において、ジェンダーアイデンティティーによって、権力勾配があることを問題提起しているから。

権力勾配があること。
持てる者と持たざる者があること。
特権。
NVCではこれ自体、「暴力」とみなします。
ジェンダーだけでなく、あらゆる社会的な階層構造を暴力とみなし、
NVC的にアプローチしていくのです。
家父長制、資本主義、お金など、
現代社会の基盤となっているものについても、
「非暴力」という観点から、問い直します。
そもそも、それこそが「暴力」を生み出しているのはないのか?
それこそが、原因ではないのか?
という視点です。

このことを、
はっきりと言及し、問題視し、
しかもそこにアプローチしていく手段を持っている!!!!!!!

私がNVCに衝撃を受け、魅惑されている理由のひとつです。

NVCと権力や経済について、
もっと知りたい方はこちらをどうぞ。
小難しく大上段に構えるのではなく、
「みんなで考えてみようよ」というスタイル。
よかったら、こちらものぞいてみてね。


日本語では、NVC的なジェンダー問題に対する取り組みがあまり探せなくて(探し方が悪いのかも)…
かわりに、資本主義、お金、社会変革、といったテーマの記事をいくつか貼りつけてみました。

つたわると、うれしいな。

これからNVCとお金の話も書いていこう!



追記:
とらねこさんの以下の記事にて、当投稿が紹介されています。
ありがとうございます〜\(^o^)/

共鳴したり、疑問を持ったり、
それぞれ考えるきっかけになれば、嬉しいです!


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