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夏の風物詩〜七夕とほおずき市〜

夏の風物詩と言えば七夕です。

各地の七夕行事を見てみますと、願い事を書いた短冊を飾る可愛らしいイメージの他に七夕流しという風習があります。

七夕というのは、奈良時代に中国から我が国に伝わり、宮中の儀式になったものです。

ところが何故だかわかりませんが、この風習が我が国では庶民の七夕流しに変わったことにお気づきでしょうか。

人形(ひとがた=形代・かたしろといいます)に、人の穢れをまとわせて、火をつけて川や海に流す、全てを水に流してしまおうという祓えの行事に変わってるんです。昔は、これが七夕祭りの本質だったようです。

ここまでは七夕の話として知っておりましたが、旅の修験の方がこう仰るんです。

『この時期に「ほおずき市」が開かれることも多いですね』

ほおずき市、これも夏の風物詩です。

ふっと思い当たることがあります。

生薬の酸漿根(サンショウコン)です。古名をカガチといいます。古事記にも出てきます。「その目は赤かがちの如くして、身一つに八頭八尾あり」(古事記ー岩波文庫)。薬の用途としては、咳止め、解熱、利尿薬として発熱、黄疸、水腫に用いるとされています。

やはり、われわれの祖先は現代のようにたやすくは生きていなかったことが見え隠れします。

病への不安、収穫のための労働力の確保。天候への不安と自然災害への恐れ。来る年も来る年も、田植えに始まって、草取り、稲刈り、脱穀という農作業の中に風習や行事と神事が見え隠れします。

今、超高齢社会、少子化の問題が大きく取り上げられています。姥捨ての風習と介護問題が頭の中をぐるぐると駆け巡っています。

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