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時間 《詩》

「時間」

過ぎ去る時間の中で

沢山の感情と言葉 

多くの迷いと沈黙
多くの約束と秘密 

そして諦めと

決して口に出す事の無い想い


感情の振り子が弧を描き揺れた

僕達の心に傷跡を刻み込みながら

色彩の裏側にある
骨格を指先でなどった


僕が創り出した

異なったふたつの人格には

共通する欠落があった

その共通する失われたものは
形象を持たず

窓から射し込む朝の光の様な

柔らかで清らかな暖かい意識だった

彼女にあって
僕に無いものが意識下で囁く

彼女は今も僕の中で呼吸をしている

抱え込んだ苦悩と煩悶 

その謎さえも

僕の中に存在している


正しい色や正しい形に
たいした意味は無い


表層にある意識と

深層にある意識が交錯する


季節が深く色付き始めた頃 

やっと全てを理解した

僕が殺して来たものは

時間だけでは無い事を

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