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灰色の雲 《詩》

「灰色の雲」

僕等に吹き付ける冬の風は

強い力と価値基準を持っていた


それは僕等の記憶の裏側に隠した

混乱を巧妙に曝け出させる


価値基準を
満たした人の波が押し寄せて来る

僕等は溺れる様に彷徨っていた


曇り空に浮かぶ灰色の雲を
外部からの強い力が引きちぎる

奴等が求める完璧を否定した

僕等は奴等の言う完璧に

何の意味も見出せなかったからだ

勝ち負けに拘って来たのは

負ける事すなわち
存在価値を失う事だったからだ

僕等はそうやって戦い続けて来た


機密情報保護の為 

複雑な

解析不能なデータを
垂れ流してやった

奴等の完璧と言うものが
慌てふためく様を見たかった


独創的な発想の転換を認めない組織


その水面下で

僕等はニ種類の思考システムを

創り出しコントロールを始めた


そうお前だよ 

上っ面だけの お前だよ


そうやって僕等は
汚れの無い大人になった

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