「イエメニア」とは何か/珈琲紀行

 奇跡。

 私は遂に出逢ってしまいました。

 起こらないから奇跡、ですって?
 いいえ、奇跡は乞い願うものではなくて、振り返ったときに実感する主観的経験のことです。

 (条件付きで)ドクターショッピング推奨派の私としては、理想の珈琲豆を求めて焙煎所を渡り歩くことは自然な発想でした。医療業界の闇のように、きっと珈琲界隈にも、仕入れの段階から規定される珈琲豆の品質や、使用機器のグレード、焙煎師の技術、焙煎後の品質管理に至るまで、様々な「見えない部分」があるはずです。それならば妥協せず、至高の焙煎所、焙煎師と出逢いたいと私は思います。

 『焙煎士』の間違いではないか?

 いいえ、私は焙煎師ばいせんしと呼びたいのです。
 医師、鍼灸師、薬剤師、看護師、教師、伝道師。
 …ほら、焙煎師でしょう?

 彼を表現するのに適した言葉は、珈琲家コーヒーかであり、焙煎師であるように思います。
 


 
 奇人変人スタンド使いは引かれ合う。

 引越し先に程近い場所にその店舗が移転してきたことは、運命の悪戯だったのかもしれません。

 この店構え、只者ではない。

 そう直観して豪奢な扉に手をかけると、エントランス代わりの突然の階段はありませんでしたが、華やかな珈琲の香りに包まれる店内に、燻銀な表情のマスターが佇んでおりました。
 聖杯の効力を借りて召喚されたサーヴァントのように私は彼を見据え『ーー問おう。あなたがわたしのマスターか。』
 取り扱う珈琲豆をみて、私は言葉を失いました。
 店内すべて、スペシャルティコーヒー。その中でも特に一流品質のものを揃えていることが分かります。今や希少となったミディアムローストも当然のように扱っていることは信頼の証となり、以来私は彼の下に通うようになりました。


 それは45秒未満の邂逅でした。

 「この豆 ほかにはないよ。この駅電車は来ないよ。
 「え。」
 

 君の名は、イエメニア。

 その甘美な響きは私を魅了して、その質感と風味は珈琲界におけるひとつの到達点のようでした。
 詳しくは専門家の解説に譲りましょう。私は珈琲を味わう側の人間ですから、その魅力を説明するには役者不足というものです。検索するとすぐに出てくる品種です。いいえ、紳士の皆様イエ  メン   。航空会社のことではございません。
 

 何処かで出逢えたときには、ぜひご賞味を検討くださいませ。


 拙文に最後までお付き合い頂き誠にありがとうございました。願わくは、貴方のコーヒーライフが最高に美味でありますように。



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#本文と元ネタは関係ありませんが物語の基軸はノンフィクションです

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