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登山1年生、山と出会う

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登山初心者の甲斐桂が、前に登った山のことを思いだして書く回想山日記、または登った直後にリアルタイムで書く山日記。
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記事一覧

熊野古道、暗い森を抜けて

熊野古道、暗い森を抜けて

前書き

 2023年5月13日(土)、これまた念願の熊野古道に行ってきた。

 川苔山に続いてまたまた念願なのだが、今の職場もたぶんようやく慣れてきて、これからは仕事のことだけではなく、自分の人生でやりたいことをちゃんと実現していきたい! という気分が高まっている(現在進行形)せいだ。

 ということで、急速に、実現したい! 実現したいんだー! という思いに駆られた私は、旅行予定の2週間前を切っ

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川苔山、水と緑輝く天国と奈落の底

川苔山、水と緑輝く天国と奈落の底

前書き

 2023年4月23日(日)、登山1年生のときから憧れていた川苔山にようやく行ってきた。

 登山デビューは、スペイン巡礼に行ったあとの2018年7月。その後5年間、行きたい〜行きたい〜新緑と水〜と念じつづけてきたのだが、いざ決行してしまうと、気づいたら登山口に立っていて、必死で歩いているあいだに登山口に戻っていた。
 いつもながら、始まるとあっというまだなぁ。時間にして、たった3時間半

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栂池自然園、空の上の箱庭

栂池自然園、空の上の箱庭

 6月30日(木)、現地の天気予報、晴れときどきくもり。
 前日29日に長野入りして、善光寺御開帳の最終日に滑りこみ、長野駅前の東急REIホテルにて宿泊。翌朝、長野駅東口から白馬方面に向かうバスに乗りこんだ。

 久しぶりの山旅らしい山旅だった。
 前職への再就職が決まる直前、新型コロナの合間にでかけた入笠山を最後に、2年弱のあいだ山旅にはでかけていない。

 前職在職中は、新型コロナや仕事の疲れ

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なまりまくりの腰砕け富士登山回想記

なまりまくりの腰砕け富士登山回想記

 今回は流行に従い?、タイトルにすべてを詰めこんでみた。
 まずまず歳を食ってから(30代後半)登山デビューした私の富士登山体験は、表題のとおりだった。

富士登山とのしがらみ(?)とかもろもろ 富士山に登ったのは登山2年め、まだ新型コロナなど影もかたちもない2019年8月だ。
 登山1年めのハイライトに木曽駒ヶ岳に登った私は、2年めのハイライトとして富士山を選んだ。ご存じのとおり、初心者でも登れ

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箱根外輪山一周トレイル(1)箱根湯本〜明星ヶ岳

箱根外輪山一周トレイル(1)箱根湯本〜明星ヶ岳

10月21日(水)。現地の天気予報、晴れのち曇り。

早起きして小田急線に乗り、箱根湯本駅に到着。

駅を出ると、すぐに登りが始まる。普段おみやげを買う商店街を下に見ながら、坂道を登っていく。いつもの温泉旅なら、通らない道だ。

都民にとって癒されたくなったときに行きやすい旅先・箱根は、個人的には「たまの癒し旅」の行き先である。足しげく通うのはなんだか申しわけない。それで、私の近場登山といえばもっ

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南高尾山稜、きのこきのこ花きのこ

南高尾山稜、きのこきのこ花きのこ

9月29日(火)。現地の天気予報、くもりのち晴れ。

だいたい晴れそうだと思ってこの日にしたのに、高尾山口駅を出たとたん雨がぱらぱらと降りだした。

(登ってから高尾山ケーブルカー公式twitterさんを見た)

出発してしまったものはもう遅いと、小雨のなかをずんずん進む。登山を始めてから高尾山は19回登った(数えた)けれど、南高尾山稜は今回が初めて。

民家の脇を通り抜け、山の中へ。

写真だと

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入笠山、やわらかな木々

入笠山、やわらかな木々

9月22日(火・祝)。現地の天気予報、晴れのちくもり。

たくさんの家族づれ、犬づれの人々のあいまを縫って、ゴンドラに乗りこむ。

夏じゅう手ぐすねを引いて、都外への移動自粛解除を待っていた。手帳の扉に書いた今年の目標、「夏山に行く」。

自粛解除宣言らしき発表があってからは、毎日天気予報とにらめっこ。

すでにほぼ秋だけれど、夏と言い張れなくもない9月下旬。なるべく早く行くには台風前のこの日しか

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木曽駒ケ岳、天上の楽園を知る

木曽駒ケ岳、天上の楽園を知る

登山1年目のまえがき2018年7月3日、私は登山デビューした。6月下旬にスペイン巡礼の旅から帰ってきて、すぐのことである。

(デビューは秦野の弘法山公園。友達とその子どもが道づれ)

理由のひとつは、スペイン巡礼があまりにも楽しかったので、日本国内で似たような体験をしたかったから。もうひとつは、スペイン巡礼中、kindleでずっと『山と食欲と私』を読んでいて、山に登って山ごはんを食べることへの欲

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