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”国際系” note まとめ

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This magazine curates notes relating to stuffs between globalness and localness.
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2023年10月の記事一覧

試し読み『ぼくの村は壁で囲まれた』|10章 わたしたちにできること

「知る」「伝える」「行動する」ために 2017年に刊行された高橋真樹さん著『ぼくの村は壁で囲まれた:パレスチナに生きる子どもたち』の試し読みを公開します。本書はパレスチナに生きる子どもたちの日常を通して、パレスチナで起こっていること、その原因や歴史的背景を伝えています。入門書としておすすめできる一冊です。  2023年10月現在、パレスチナに生きる人々はかつてないほどの状況に置かれています。パレスチナの人口の半数は16歳以下の子どもです。10月27日からはガザ地区のすべて

韓国・江原道(カンウォンド)の文学旅

何年か前から、韓国文学を読むのが好きだ。K-POPやK-DRAMAという言葉があるように「K-BOOK」という言葉もある。今回、K-BOOK振興会が主催のK-BOOKアートツアーというものに参加した。ソウルからバスで3時間以上かかる「江原道(カンウォンド)」というエリアの書店や出版社を巡る旅。久しぶりの海外旅行ということもあって、さまざまな感性のスイッチが押されるような刺激の連続だった。 久しぶりの国際線に緊張しながら、金浦空港へ。海外旅行は久しぶりだ。前回行ったのが何年前

山々と草原の大自然と人間…キルギス映画『父は憶えている』

今回は、いつもの映画レビューとは違い、作品の内容について触れる前に、この作品の監督と私の小さな関わりについて書いてみたい。なお、中東映画ではなく、中央アジア・キルギスの映画だ。 実は、アクタン・アリム・クバト監督には、もう四半世紀前のことになるが、インタビューしたことがある。『あの娘と自転車に乗って』という彼の初長編作品が日本公開で公開され、監督本人が初来日した1999年のことだ。 当時、日本の新聞社が発行する英字新聞の記者をしていた私は、作品の紹介というより監督の人とな

中国は尖閣諸島をどうしたい?地政学の視点で見れば「一目瞭然」の理由【8コマ地政学】

 国境の多くが海に面している海洋国家を「シーパワー」国家と呼ぶ。いわゆる海軍力だけではなく、海上輸送の能力や海外基地の確保なども含めた「海上を支配するための総合力」の高い国のことで、アメリカやイギリス、日本が分類される。この、シーパワーに並ぶ概念が「ランドパワー」国家。ユーラシア大陸の内部に位置する大陸国家のことで、こちらも陸軍力のみならず、陸上輸送の能力や資源の量などを含む幅広い概念とされている。  中国は長大な海岸線を持つが、複数の国とも国境を接しており、歴史的には「ラ

シンプルフムス

ベジタリアン寄りの我が家の食生活に欠かせない豆料理の中の定番、フムス(hummus)。バゲットや野菜スティックでディップしていただきます。 hummusは中東や地中海沿いの国の家庭料理。普段「ハマス」と発音しているんですけど、このご時世…フムスと表記する事にします。 それでは作っていきましょう〜 ひよこ豆を水に浸し一晩置き、翌日、豆が柔らかくなるまで煮ます。 鍋で煮るとふきこぼれやすく、ガスレンジがちょっとした惨事になるので、我が家では圧力鍋を使用。オモリが揺れ始めるまで

KKdayで行く 台湾ぐるっと周遊旅 前編 / 台北〜花蓮(太魯閣)

2023年8月 台湾観光アンバサダーとして初めて台湾を訪れました。 初めての台湾、4泊5日KKdayパッケージツアーを体験してきたので巡った場所を紹介します。 台湾ぐるっと周遊旅西回りと東回りのモデルコースが紹介されています。 私は東回りコースを担当しました。 東からぐるっとコース4泊5日日本✈︎台北>花蓮(太魯閣)>台東>高雄✈︎日本 台湾の東側を周遊するコースです。 5日目は早朝フライトで帰るだけなので実質観光は4日間。 フルフルで楽しみました。 フライトはタイガー

南アフリカにとってのスポーツを超越したラグビーの存在

ラグビーW杯2023、南アフリカの大会連覇!! 決勝に相応しいロースコアで緊張感のある展開で超絶ハイレベルな展開ですごいもの見たなぁという充実感のある試合だった。 前回大会のラグビーワールドカップ2019の日本大会が4年前。その時に自分はアフリカ関係の仕事をしてたので南アフリカ人の現地の同僚や顧客を呼んでアテンドしてた。その中でめっちゃ印象的で忘れられない出来事があったのでnoteに残そうと思う。 まず南アフリカにおけるラグビーの位置付けは単なるスポーツを超えた人種差別の

サウナ採用にフルリモート制度...日本のZ世代の会社は、なぜフィンランドに学ぶのか?

9月中旬から末にかけて、1週間ほどフィンランドに行ってきました。 日中は仕事をして、夕方16時には退勤し、サウナに行く。そして、18時には晩ごはんを食べて寝るという、日本では考えられないような健康的な生活でした…。 僕は新たな刺激を受けに3ヶ月に一度は海外に行くようにしているのですが、フィンランドは過去に行った国の中で一番好きな国になりました。 何といっても好きだったのは、街の雰囲気が落ち着いていること。 イラつきながら歩いている人はいないし、道にはゴミ一つ落ちていな

毎朝食べてたフォー屋に行くと、そこにもベトナムの発展が。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー ご覧いただきありがとうございます! 自分が撮影した写真と共に気づいたこと、 感じたことをツラツラ書いてます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 今回の旅ではダナンだけの予定だったけど、急遽ハノイにも行くことになった。 ハノイはベトナムの首都で、私が住んでた都市。 ハノイに行くなら、、、と一番先に思いついたこと。 『フォーを食べに行こう』 これは個人的な意見だけど、やっぱりフォーはハノイが美味しい。 そして自分が毎朝食べてた家の

【翻訳】パレスチナ人の命も守れ:ユダヤ人の学者ジュディス・バトラーがイスラエルの「ジェノサイド」を非難

第一部ネルミーン・シェイフ:  イスラエルのガザ空爆について続けて話していきます。ここからは哲学者でありジェンダー・スタディーズの研究者であるジュディス・バトラーに参加していただきます。ジュディス・バトラーはバイデン大統領に即時停戦を求める公開書簡に署名をしたユダヤ人の作家・芸術家たちの一人です。『非暴力の力』や『分かれ道 ユダヤ性とシオニズム批判』をはじめとする多数の著書があります。ロンドン・ブックレビューに掲載された最新の論文の題名は「追悼のコンパス」〔日本語訳〕です。今

デザイン史マニアがヨーロッパ近代デザインの史跡を巡ってきた旅行記

先日、大学生の頃からずっと行きたかったヨーロッパに旅行してきました。ヨーロッパには、私の大好きなデザイン史において重要な史跡や、デザインミュージアムがあります。 最高の旅だったのでぜひご紹介したいのですが、私の1万字超えの興奮をよりお楽しみいただけるようデザイン史の語り、もとい布教から始めさせてください。 はじめに:デザイン史は人類の欲求の歴史デザインの歴史の起源とはなんでしょう?例えば縄文時代の衣服や石器はプロダクトデザインと言えるでしょうか。デザイン史の始まりは産業革

有料
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トルコ旅行記6 ブルサ街歩き。ブルサ市博物館。コザ・ハンでトルコ絨毯購入など。

 トルコ滞在6日目、ブルサに来て2日目の朝。  ブルサ市博物館は入場無料で見学できる。  ところで、イスタンブールからブルサまではフェリーを利用して来たわけだが、明日はどうやってイスタンブールに戻ろうか、と言うのがちょっと気になっていた。というのは、フェリーに乗るためにはブルサ市街地からバスに乗ってムダンヤ港まで行く必要があり、そのバスにどこから乗ればよいかが分からなかったから。ブルサに来た時にバスを降りた場所から乗ればよいような気がするが、どうもバスの向かう方向によって

アニメ風アパレル続々、ドイツの子供服売り場で何が起きているのか?

この夏、ドイツの子供服売り場では、アニメ風アパレルが至るところ見受けられました。特筆すべきは「普通の服屋」である点です。今回はこのあたりの事情について写真を撮ってきたので振り返りつつ、考えてみます。 フランクフルトでお店をチェックしてきました。都心部の商業エリアにある「C&A」というアパレル大手のお店で見かけたものがこちら。『呪術廻戦』や『NARUTO』は有名アニメのTシャツが並ぶ一方で、右のパーカーはアニメや漫画風のイラストに日本語で「最高 すごいよ」と書かれています。

箱根ガラスの森美術館はヨーロッパへの小旅行かもしれない(前編)【ライカ】【M10-R】

箱根って全部で何個の美術館があるのだろう?さじゃんです。箱根をライカで切り撮ろうシリーズ第2弾になります。前回はポーラ美術館をご紹介しました。 前回は圧倒的な建築と近代化された建物で堪能する現代美術の雰囲気をライカM10-Rでお届けしました。今回は屋外展示も大型でまるで中性ヨーロッパに来ているかのような『箱根ガラスの森美術館』をライカM10-Rで撮影した写真と共にご紹介します。 日本初のヴェネチアンガラス専門の美術館前回ご紹介したポーラ美術館と同じ仙石原に位置する箱根ガラ