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"教育系" note まとめ

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"教育系" noteのまとめです。
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#授業

世界史授業の教材研究:手元にあると便利なもの

"まじめ" に教材研究をするにあたって、「こんなものが手元にあると便利」というリストです。 もちろん、一見授業の組み立てとは関係のなさそうな "ふまじめ" なものも含めて、関心を広く払っておくことが大事であるというのが、正直なところではあります(往々にして"ふまじめ" と "まじめ" は、それぞれの極北でピタッとくっつくものです)。歴史を学ぶ「意味」や「たのしさ」は、なるべく多面的にとらえたほうがよいですから。 ともかくこのリストは "まじめ"に、かつ、あんまり格好つけずに

【新学期】社会系授業で使えるかもしれないWebサービス50選

GISを利用したインタラクティブ・マップやウェブ上のアーカイブ、生徒が自ら使えるツールなど、オンライン上で公開されている社会系授業で使えるかもしれないWebサービスをランダムに50個集めました。 「ネタ」としての提示は "打ち上げ花火"的 なものとなりがちですが、計画とアイディア次第で地理総合、地理探究だけでなく、歴史総合、世界史探究、日本史探究、公民科においても効果的に使えるものもありそうです。 *** 1. 文化財総覧WebGIS:身近な場所の文化財の場所を見せたい

「モノ」を教材にした社会科授業のアイデア

どうもlargehillです。 最近スッキリしない天気かなと思えば、めちゃくちゃ暑い日になったりと天気が安定しないですよね~。 「戻り梅雨」なんて言葉も出てきて「梅雨って戻って来れるんだ(笑)」と思っている今日この頃です。 今回はここ最近思いついた、いくつかの社会科授業のアイデアを書いてみます! 特に小学校社会科を想定しています。 テーマは「モノ」を教材とすること。 現役の先生方、先生になりたい方、良かったらご活用ください☺ なぜ小学校社会科?小学校の社会科では人々の「努

国語授業の目標論

1.はじめに  僕にとって書くことは、基本的に辛い営みで、体力も精神も消費してしまう。仕事をしながら書くことは、この先もあまり期待できないだろうな、と思っています。毎日の授業準備はもちろんだけど、担任業務と課外授業の準備、そして分掌の仕事をしつつ、国語科のなかでも仕事がある。  こんな感じで、いまの僕にとっては毎日の仕事をこなすのが精一杯な状況で、読書をする時間や自分の勉強をする時間すら、まともに取ることが難しい。研究論文を書く体力と時間も欲しい。覚悟を決めてこの業界に入っ

文科省による生成 AI の学校での活用についてのガイドラインまとめ (前編)

令和 5 年 7 月 4 日、文部科学省から『 初等中等教育段階における生成 AI の利用に関する暫定的なガイドライン(以下、生成 AI ガイドライン)』が教育委員会をはじめとする教育機関等に通知されました! このガイドラインでは、ChatGPT に代表される生成 AI(人工知能が自動的に文書を生成する技術)の利用に関する教育現場での使用に焦点を当てています。 急速に進歩するこの技術が社会全体に広まりつつある一方で、児童生徒が生成 AI による回答を鵜呑みにしてしまったり

「それは附属だからできるのではありませんか?」への回答

ありがたいことに色々なところで色々な形で実践を発表させていただくことがあるのですが、その際、かなり多くいただくのが「それは附属だからできるのではありませんか?」というご意見です。直接、言われることもありますし、後でアンケートを見たら書いてあったということもあります。そして、この問いの裏には「だから、あなたの授業を見ても意味がない」「だから、あなたの授業の話をされてもこっちは学びにならない」という思いがあるようです。どうやら。 SNSに匿名で書かれるのであれば無視して終わりで

ウィトゲンシュタイン(言語ゲーム)

20世紀最大の哲学者、ウィトゲンシュタイン  今回はウィトゲンシュタイン(1889〜1951)です。ウィトゲンシュタインはオーストリアの哲学者で、ケンブリッジ大学の教授になりイギリス国籍を取得しました。ドイツの有名な哲学者ハイデガーと並んで「20世紀最大の哲学者」とも呼ばれています。 前期ウィトゲンシュタインの「写像理論」  ウィトゲンシュタインの哲学は前期と後期に分かれています。前期には、二冊ある著作の一つである『論理哲学論考』において「語りえないものについては、沈

つながりによって増幅する学び ~脇坂圭悟『主権者を育てる社会科の授業』

脇坂圭悟・佐藤学『主権者を育てる社会科の授業』人言洞、2023年 茅ヶ崎市立浜之郷小学校の研究主任を務めてこられた脇坂圭悟さんによる、社会科を中心とした実践記録。なお、脇坂さんは、その後、同じ茅ヶ崎市内の別の小学校に異動され、今年度は、本学教職大学院の総合教育実践プログラムに現職院生として在籍している。 圧巻の実践記録だ。 最近の私は、教育界のバズワードやら行政施策を批判的に検討しながら学校現場のプラスにもなるようにと、こまごまと物を述べたり書いたりしている。けれども、

フィンランドの学校教育で驚いたことベスト24

フィンランドで学校の先生をしている徳留宏紀さん(Nordic Educations)の『フィンランドの小中学校から学ぶ 幸せな子どもたちの時間』という研修に参加しました。情報満載で、とても興味深い内容でした。話を聞いて、私がビックリしたポイントを1~24位で一覧にしてみました。 ※画像は、生成AIにて作った、私の中のフィンランドの教室(グループワーク、フィットネスジム、リラックスなど)のイメージです。 ㅤ 下記の文章の前提 下記の文章は、あくまでも私の認知機能(話を聴き

【歴史総合】知識構成型ジグソー法の授業づくり② / エキスパート資料を作るときに気を付けていること①「史資料の読み解きを重視する」 / 科学的探求学習との違いと共通点

ここでは「知識構成型ジグソー法とはなんぞや?」という点は、他の方の解説に譲るとして、私が知識構成型ジグソー法(以下、KCJ)の授業を作るうえで、気を付けていることをまとめます。 1 エキスパート資料を作るときに気を付けていること①「史資料の読み解きを重視する」私は教員が講義をしているのを文字起こししたみたいな、出典のないオリジナルな文章をKCJのエキスパート資料の題材にするのは、しないようにしています。史資料の読み解きがミソだと思うからです。 実際のKCJの授業 以下は

【歴史総合】知識構成型ジグソー法の授業づくり① / 私の授業の作り方

「知識構成型ジグソー法とはなんぞや?」については、既に様々なところで話されていますから、ここでは、私自身の授業づくりの手順をお話しします。 具体的な知識構成型ジグソー法の授業例1つ実践例を挙げておきます。 以下は歴史総合の単元「フランス革命の影響と国民意識の芽生え」の授業「「国民意識(ナショナリズム)」の芽生えと広がりは、どのような成果と課題を生んだだろうか?」です。有料サービスの山川二宮ICTライブラリ、高大連携歴史教育研究会の教材共有サイトに掲載されている教材を一部引用

96 授業で心がけていること

親切にする。何かにつけて。 僕はこれを心がけて、授業をしています。高校の先生になるための古典を勉強していたとき、たくさんつまずきました。 採用されてからこのときのつまずきを活かすべく、スライドにまとめて生徒に配りました。用言、助動詞、敬語。先日は古今異義語辞典を配信しました。地道な取り組みですが、けっこう好評です。 プリントを忘れた子がいたら新しいのをあげます。それで勉強してくれるならそれでいい。 高校生にもなると、みんなの前で発表するのはハードルが高いものです。だか

教職の魅力とは何か考えてみませんか?『教職の愉しみ方 授業の愉しみ方』 まえがき

堀裕嗣先生と共著を書かせていただきました。 現場の教師にしか伝えられない教職の魅力、授業の魅力があります。 これから先生になる学生さんや教職に就いたばかりの若い先生には、その愉しみをぜひお読みいただければと思います。 教職に就いて久しい先生もぜひご一読いただき、改めて教職の愉しみとは何か、授業の愉しみとは何かを考える一助としていただければと思います。 宇野弘恵のまえがき    Twitterで「#教師のバトン」と検索をかければ、教員の働き方に関する膨大な意見や訴えや愚痴

詩の授業ってどうするの:谷川俊太郎「朝のリレー」を例に

国語の教科書にちょくちょく載っていて、1年に1回くらいは扱うことになる「詩」の教材。受験ではめったに出ない分野ですが、全くやらないという選択肢もとりにくい。 国語の先生とはいえ、多くの人が小説を読む訓練は受けていても詩を読む練習はあまりしたことがないのではないでしょうか。詩の授業、なにを教えたらいいか困りませんか?「詩はわからなくていい。言葉を味わうだけでいいのだ!」なんて割り切れませんよね。 私は中高の国語の先生ではありませんが、近代詩を専門として研究しており、人より多