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旧公衆衛生院研究

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内田ゴシック建築の私的な解釈
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#内田ゴシック

内田ゴシックとバウハウス

内田ゴシックとバウハウス

バウハウス100年祭が多くの国で開催されている。そのままのデザインで現代でも通用するモダンさ。色褪せてない。

その反対側に位置するのが、内田ゴシックであり、築81年の旧公衆衛生院建築ではないかと思う。

革新的なデザインと伝統的なデザイン。ほぼ同じ時代の対照的な表現。

しかし、内田ゴシックは単に伝統を踏襲するのではなく、ゴシック建築のエッセンスを進化させている。

旧公衆衛生院では、竣工当時の

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ドームをイメージして

ドームをイメージして

旧公衆衛生院の中央ホール

やはりドームをイメージして描かれたのではなかろうか。
中央に近づくにつれおり上がる。

先日東京ドームに行った時、ドームの考え方、多様性が目に付いた。自然空間を人工的に構成する思想から生まれたものである。

同様に中央ホールを眺めていると、単なる円形ホールの天井装飾であるはずがない。
冠のように周りを取り囲む尖った装飾との連動性からして、ゴシック建築のドームと相通じるも

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設計者との対話

設計者との対話

内田祥三先生が編み込まれた建造空間の研究が続いている。

関係資料に目を通しながら、実際の空間と対話をする。

対話と言っても、わからない箇所を眺めながら、仮説を立て意味付けができるかどうかの繰り返しであるが。

構造はともかくとして、意匠・デザインはじっくり観ていると何かしらの「私はこう思うのですが」のイメージが浮かんでくる。

安藤忠雄氏は、設計図は言葉だと話された。
ではリアルな空間は?おそ

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