つばめの記

福岡県福津市津屋崎を拠点に、当家に残されていた、戦地と故郷を繋いだ戦時下の父子の往復書…

つばめの記

福岡県福津市津屋崎を拠点に、当家に残されていた、戦地と故郷を繋いだ戦時下の父子の往復書簡・戦争体験記・関連資料などをもとに、太平洋戦争の記録や家族史を辿っています。また、それらを展示や朗読で紹介する活動をしています。日々の発信はSNSから、お問い合わせはWEBサイトからどうぞ。

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  • 戦時下、父子の往復書簡

    戦時下の父子の往復書簡をまとめています 不定期に更新中、まだ全ての手紙は公開できていません

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つばめの記 お問い合わせ

お問い合わせはWEBサイトのフォームから受け付けています。 WEBサイト 最新情報はSNSで更新しています。 手紙に関するエピソード、手紙を通して自分が感じたこと、企画展へ寄せられたご感想など、割と頻繁に更新しています。フォローしていただき、最新情報をお受け取りください。 Facebook (フェイスブック) Instagram (インスタグラム)

    • つばめの記 イベント決定

      「つばめの記」イベントが決定しました✨ 6/15(土)16:00〜17:00 福岡県古賀市 古賀駅西口商店街 食の交流拠点「るるるる」さんにて 福岡県古賀市天神1丁目4−35 つばめの記の朗読をさせていただきます! 詳細は追って追記いたしますのでお待ちください。

      • 「つばめの記」講演のお知らせ

        2024年1月27日(土)に福岡県小郡市にて開催の勉強会にて講演させていただきます。 戦時下に交わされた父子の往復書簡を、遺族としての立場から「つばめの記」と題した企画展や朗読で伝える活動をしています。 1月27日(日)は手紙の朗読でのお伝えがメインとなります。数点、展示品を準備いたします。 主催者の方の運営費として参加費が必要ですが、どなたでも参加していただけます。要申込みです。 詳しくは、主催者「地球子屋」様のFacebookイベントページでご確認ください。 以

        • 毎日新聞の記事より

          1941年12月8日「あの戦争、あの日さえなければ」 85歳の涙 「私は父を知らず、父も私が生まれたことを知らずに逝ったのではないかと思います。 同級生の6人のうち3人は父親を戦争で亡くしていました。」 こちらは、つばめの記を聞いてくださった方からのおハガキに書かれていました。ちょうど今日返信を書いたばかりでした。ご苦労を思うと言葉を続けることができませんでした。 シェアしている毎日新聞の記事を読むと、別の方ですが、同じように「ご苦労」の一言では書き表せない人生を歩ま

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        • つばめのつぶやき
          9本
        • 戦時下、父子の往復書簡
          30本

        記事

          毎日新聞夕刊に掲載されました

          本日12月9日(土)の毎日新聞の夕刊に「つばめの記」の記事が掲載されました。 開戦の日に合わせて、丁寧に書いてくださっています(嬉泣) この記事を書いてくださった記者さんは、古賀市油やでの朗読にきてくださっていました。 さらに深掘りしたいと取材してくださり、手紙の現物などもご覧いただき大変熱心に話を聞いてくださいました。 また親御さんとしてのお立場からも、戦死を知らずに父親が書き続けた手紙は特に胸にくるものがあったご様子でした。 同じ紙面には、ガザの話題… そして、

          毎日新聞夕刊に掲載されました

          太平洋戦争開戦82年

          「近頃少々変わったこともありますが、詳しいことは書かれません。また以後、手紙も禁じられるかもしれませんが、元気で働いていますゆえ、母上によろしくお伝えください。さようなら。」 「久しく音信がないので案じておったところ12月8日、ちょうど日英米宣戦の日、書面がつきました。 世界草分けの大戦は火蓋を切られ、日ならずして大戦果を上げ、皇軍の意気昇天の勢い、毎日ラジオのニュース、新聞を見るのも聞くのも痛快の至りだ。」 昭和16年12月8日、日本海軍はハワイの真珠湾を奇襲攻撃し、

          太平洋戦争開戦82年

          11/5(日)企画展・朗読を開催します

          福岡県古賀市「古民家 油や」さんをお借りして、企画展を行います。 【展示】10:00〜16:00 【朗読】13:30〜14:30 ※朗読は、パネル展示と同じ部屋で行います。その間はパネル展示をご覧いただけませんのでご了承ください。 【概要】 日中戦争から太平洋戦争の戦時下に、戦地の息子と故郷の父を繋いだ約70通の往復書簡をテーマに、パネル展示と朗読で、手紙の一部を紹介します。 手紙の朗読は初めての試みですが、手紙のやり取りを聞いていただくことで、戦争の記録や記憶を追体験して

          11/5(日)企画展・朗読を開催します

          令和5年度全国戦没者追悼式に参列しました(前編)

          またとない機会をいただき、全国戦没者追悼式に、福岡県の遺族代表団として参列させていただきました。 8/14(月) 福岡空港にて結団式ののち、出発 参列者人数は52名とのこと、1班、2班に分かれていました 私は、父と二人で参加しました 名札、お揃いの帽子、弁当など受け取り、搭乗 行程中は、添乗用の県旗やお揃いの帽子を目印に、はぐれないように行動します ちなみに福岡県は水色のバケットハットでした 台風7号が心配されましたが、飛行機は無事に飛び立ちました 機内では、献花

          令和5年度全国戦没者追悼式に参列しました(前編)

          政次の手紙#09

          文次殿 時候もよくなった事と存じます。ますます元気で勉強している事と大いに安心致しております。ただ今、入隊しているところは昨年来、南支方面の全軍より下士官志願の秀才を集めて指導兵を教養する一種の学校だと聞く。非常なる猛訓練をやって速成の下士官をつくるところだそうな。ずいぶん難事だろう。しかし、そこを切り抜ければ段階も上がるし、多少楽になる事と思う。しかしますますその任務は重大性を生じる事は覚悟せねばなりません。最近、上田幸男君の通信の中で帰還兵の話しよりて認識致しました。幸

          政次の手紙#09

          全国広報コンクール2023入選の一報を受け、再開します

          昨年12月の展示を終えて、燃え尽きていました。 知ってもらうこと、伝えること、たくさんエネルギーを使いました。 おかげさまで、新聞やテレビで取り上げていただき展示にもたくさんの方に足を運んでいただきました。 感謝の気持ちでいっぱいです。 さて、展示と連動企画として福津市の広報誌に巻頭特集を組んでいただいておりましたが、その広報誌が広報コンクールで福岡県第1位となり、全国広報コンクールにエントリーされていたそうです。 そして、全国コンクールで「入選」したとの一報を、当時

          全国広報コンクール2023入選の一報を受け、再開します

          文次の手紙#21

          政次さま 拝啓 その後皆さまにはお変わりありませんか。長らくご無沙汰致しました。当南支方面も近頃はよほど暑さもしのぎ良くなり、朝晩は内地の10月ごろを思わせる候です。 この前の手紙で知らせていたように僕もいよいよ表記部隊に晴れの入隊をなし、希望に満ち満ちてますます元気旺盛でいます。何とぞご安心ください。これから約○○日の間、僕も相当の苦労を覚悟して人に負けない様にみっちり勉強する覚悟でいます。家からの便りも次から次へと非常に便利が悪いためか以前受け取った限りです。これから

          文次の手紙#21

          戦時下のつやざき展 12/2(金)〜16(金)

          noteでデジタルアーカイブとして残している最中の、当家に残されていたガダルカナルの島で戦死した息子と父の往復書簡の展示を行なっています。 (私の大伯父と曽祖父) 今回は、同じ町内から出征され、空母「加賀」に乗船し、ミッドウェー開戦で戦死された方が母親に宛てた手紙をお預かりして、新たに展示いたします。 さらに、東部ニューギニアの戦いを生き抜いた私の祖父の戦争体験記と旧日本陸軍に関する収集品も展示いたします。 展示の内容とテーマは大きく次の3つです。 太平洋戦争開戦、真

          戦時下のつやざき展 12/2(金)〜16(金)

          政次の手紙#08

          文次殿 秋も暮れになりまして内地は寒さを覚え、朝夕は冷たいようになりました。御地方は今からが一番よい時候という事です。勉強努力する好時期です。部隊変更になってからの第一信を本日受け取りました。日頃の努力が報いられて首尾よく入隊せられた事は何より?しきると一同大いに喜んでおります。このたびますます奮闘努力、人におくれぬ様、成績を上げられん事を切に希望致します。 先般求む(十一月五日)ご通知のとおりの品物取りそろえ、慰問袋発送致しておりますが、まだ着きませんか。豊村さんよりも

          政次の手紙#08

          文次の手紙#20

          政次さま 拝啓 その後みなさまにはお変わりありませんか。長らくご無沙汰しておりましたが僕も変わりなくますます元気旺盛に軍務に勉励しています。他事ながらご安心ください。当南支の地にも暑い夏の盛りもすぎてどうやら秋らしい気候になって内地の10月を思わせ、当地方ではこれからが一番良い気候です。僕も日頃の努力がかなって先般無事、表記部隊に入隊することができました。これからまた一層頑張ってさらに充分なる修学をする覚悟です。 11月も半ばになり家でもこれから次第に多忙を極めることだろ

          文次の手紙#20

          政次の手紙#07

          文次殿  久しく便りがないから心配しておりましたが、十月五日付けの書面が十月二十五日に到着致しましたので、大いに安心致しました。ますます武運強く健康にて奮闘せられ、また集合教育も無事完了し、近い内に入校の運びになった事は大いに満足致しました。日頃の努力の結果が良き実りを挙げた。ますます奮励努力して相当以上の成績を上げられる事を切に希望する次第であります。  去る二十八日、福岡連隊に行きて石田隊長のご帰還を尋ねましたが、直接郷里(カタカス)に退営されていたのでお伺いする事が

          政次の手紙#07

          文次の手紙#19

          豊子様(歳の近い妹宛) 拝啓 残暑も過ぎ空高くすみわたり吹く風も爽やかな秋の候となったことだろう。その後、元気な事と思う。僕も変わりなくますます元気に奮闘しているよ。内地は今秋たけなわの頃で運動会、放生会等、例年のごとくにぎわったことだろう。常夏のここ、南支は気候の変わり目というのがはっきり分からないようで、いまだに暑さが続いている。しかし、椰子の葉づれのささやきや光々とさえわたる月、またたく星の光にも何となく内地の秋を思わせるようになりました。 近頃、内地から来た兵隊も

          文次の手紙#19