ブドウ

「書くこと」「育むこと」小山瑠惟さんインタビュー【受講生課題記事】

※こちらはco-ba school「ライティング基礎ワークショップ」の受講生が、課題として作成したインタビュー記事です。

「福岡から来ています」
と人懐っこい笑顔で話す小山さん。
23歳にして独立を決意したニューファーマー。

無農薬に拘りたいという彼。
なぜsentenceライティング基礎講座を受講しに来ているのでしょうか。
農業と文章の関係、可能性についてお話を伺いました。

──23歳で農業に従事しているということですが、きっかけを教えて下さい。

きっかけは自分のおじいちゃんとおばあちゃんが農家をやっていた事です。
小さい頃から手伝っていました。一緒に働いて、土の感じ、作業が楽しいなと。
動物や植物と触れあって行きたいという思いが幼い頃からありました。

──始めてどれくらいですか。

今年の2月から9ヶ月くらいです。

──では学校を出てすぐですか。

畑が無いので農業関係のサラリーマンになるものだと思っていました。
農大を出て農業の指導員として地元JAで2年間働いていました。
でも、現場で携わりたいという気持ちが強くて、はじめました。

──やりたいことと歩みが一貫していますね。

ぶれた時期もありましたよ。親に反対されて普通高校に行きました。でもやっぱり気持ちは冷めなかったですね。

──今日も福岡からきた訳じゃないですか。そこまでしてライティング講座を受けに来た理由はなんですか。

無農薬、無化学肥料で作物を作りたいのですが、そういう人は少ないですし、難しいと言われています。学校でも農薬を振ってというのが指導です。でも自然の中で作りたいのです。
自分で実践するだけでは面白くないので。既に実践している人、これからやろうとする人、生活者、に情報発信したくて。sentenceのライティング講座に来ました。
既に無農薬に取り組んでいる方々にインタビューして記事にしたいです。
自分が作った作物を目に見えない生活者に発信して、と言うのもあります。
将来的には、ブログを使って販売したいですね。

──確かに価値が伝わらないといいものも手に取って貰えないですよね。
伝える手段として「書く」ことを選んだのは何故ですか。

知り合いが農業をやりながらブログも書いています。言葉ってすごく大事だと思いました。自分は一流のものを作りたいですけれど、技術はあっても魅力を表現が出来なければ他のモノと一緒になってしまいます。
自分が誇りを持って作ったものを多くの人に知ってもらって手に取ってもらいたいですね。
可視化して、この人はこういうことをやっているんだって「信頼」を勝ち取るという情報発信でもあります。

──それを実践できている人って少ないですよね。

自分が第一線としてやって行きたいです。農家の人で情報発信できている人が少ないですね。自分がその人達の代わりになって、一緒になっていけたらまず周りを勝たせたいです。

──今のお話を聞くと、自分が作ったものを生活者に伝えるだけではなく、無農薬農業に携わる皆さんを盛り上げたいという事が先ですね。

そこに携わる人、実践する人、欲しい消費者の人たち。みなさんとやれるところまでやりたいですね。
農家は害虫で作物がダメになれば収益0ですから。先輩たちはお金がないといけないのに、そのリスクを取ってやっていらっしゃる。自分がいいと思ったものを消費者に届けたいという志はすごいです。

──そういう人たちの信念などもすくい上げたいということですか。

農協は無農薬農産物などは扱わないので、売るのも自分たちでやらなければいけないです。自分が情報発信する事で、例えばシェフの人達が無農薬農家に興味持ってくれたら嬉しいです。

──それを実現するための武器として、ツールとして「書くこと」、自分のメデイアを持つというものを捉えているのですね。

自分がちゃんとした文章スキルを持たないといいものを伝えられないと思っています。
インタビューして、その人の思いを伝えるのって生半可じゃ出来ないですね。

──情報発信も無農薬農家と同じ熱量で取り組んで行きたいんだな、と感じます。

ノウハウも手に入れられれば、自分の畑で実践して、よければまた自分のブログで発信して。結構こうやってやればいけるなって、無農薬やりたい人がもっと増えれば嬉しいです。

──ありがとうございます。
なぜ書く事にこだわって東京まで来ているのか、良くわかりました。

今年植えた栗やブドウを三年後に出荷する事も記事にしようと思います。
書くことも、農産物も今から育んでいけますね(笑)

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