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DINKsと料理とものづくりの大切さ

ほぼ毎日料理をしている私。今回はそのメリットをご紹介。


1.過程を楽しめるようになる

食べることだけが食だと思っていませんか?現代では料理は手作りするものではなく、買うものになってきています。コンビニでもすでに出来上がったお弁当や総菜が販売される時代、スーパーや市場で材料を購入したり、一から出汁を取ったりすることが日常生活において全くない人もいると思います。

 (1)食は線から点になりつつある

コンビニや総菜がなかった時代は、料理は必ず材料から作るものだったはずです。買い物をする、調理する、食べる、洗い物をする、ごみを捨てるなどの過程は避けて通れなかったことでしょう。すぐに出来上がったものが手に入り、外食が容易い現代では、極端に言えば「食べる」だけで済んでしまう場面が数え切れません。外食ならばごみを捨てることも、食器を下げることもなくただ放置してお金を払えばいいだけ、食に関する様々な「過程」が失われつつある、日常ではなくなっていることを感じます。

 (2)コスパの時代に敢えて線を描く

買うだけの食は効率がいいといえますが、逆に、本来できる経験を飛ばしてしまっているともいえると思います。買い物をしなければ食料品の値段を見ることもなく、産業や経済について考えることもなくなってしまいます。料理をしなければ、ちょっとした工夫で味が変わること、自分が好きな味がどんな味付けによるものなのか、発見することもできません。食器洗いを通して、洗剤について詳しくなることで、もしかしたら洗濯や掃除にも関心が出てくるかもしれません。こうした脱線に気づいたり、楽しんだりする機会が、自炊にはたくさん詰まっています。面倒なことをすることで、自分が好きなものを見つけられるかもしれません。

 (3)過程を楽しめる生き方を身に着ける

自炊するようになると、連鎖的に家事全般が楽しめるようになります。私はそうでした。もともとそういう傾向がありましたが、結局は、おいしいものを食べるだけの行為から、身近な生活をよくするための行為へと、自炊自体が広域的なものになってくるんですよね。食べる以外の過程を楽しむことは、生活を彩ることに他なりませんし、そうなると、部屋をきれいにしようとか、ゆとりを持って生活できる空間や心理状態を作っていこうと思えてきます。余裕ができると、さらに余裕時間で眺めた新しい景色に刺激されて、新しいことを始めて見る。そんな連鎖でしょうか。買い物にしても、普段行かないスーパーに行ってみるとか、とにかく、ちょっと違うことをしてみようと思えれば、十分ではないでしょうか。

 2.人の気持ちがわかるようになる

自炊と人の気持ちに何が関係あるのかと疑問視されることもあると思いますが、以下のように考えています。

 (1)作ることを日常にすることによる効果

与えられたものを楽しむことは簡単ですが、自分自身の行動や創作で自分自身を満足させるのは、それが習慣づいていない限りなかなか難しいものです。老後に暇を持て余す人が多いのも、仕事以外に何がしたいかわからない人が多いのも、自分で楽しむ手段を持っていないからだと思います。それを払拭するのに最適なのが「作る」を日常にすることです。動画編集でも文章でも料理でもなんでもよいので「作る」時間を大切にしてみると、人生が大きく変わります。暇で仕方ないのなら、完成品を一瞬で受け取ることをやめて、それを最初から作ることをしてみると、同じ成果物を受け取っているのに、何倍も、何十倍も、その対象物についての全部を楽しむことができます。とてもおススメです。

 (2)作り手の気持ちがわかる

思考錯誤の結果が形になったとき、自分が消費者側にいるときに、お店の向こうでその商品を売っている人や作っている人がどんな過程や感情のもとに、その場に立っているかが想像できるようになると思います。作り手と同じ体験をしない人、そもそも消費が生産よりも格上であると偏見を持っている人は、平気でひどいレビューを書いたりしますが、じゃあそれを自分で作れるのか、どれだけの人の経験と時間が投入されているか、想像してみることが大事ですよね。金を払えばその人の気持ちに寄り添う必要がないなんていう、貧しい考え方にならず、見えない人を思いやれるきっかけをくれる、それが自炊だと思います。

 3.健康になる

自炊は健康に効果があると思います。科学的な根拠としては添加物や塩分・糖分を抑えることができることもありますが、副次的なメリットも大きいと感じます。

 (1)身体的健康

食材を購入し、調理し、保存する。これにより、食材の特徴や栄養について知ることができます。私は栄養学を専門にしているわけではないですし、医学を専門にしているわけでもないですが、食や健康について、自炊をきっかけに関心が強まり、日々勉強しています。妻が激務時代に体調や健康状態を崩していたので、できるだけ、美味しく身体にやさしい食卓にできないか、そう考えながらキッチンに立つのは、とても楽しいですよ。

 (2)心理的健康

何度も書いている通り、手間や余白を取り入れること、脱線を楽しむことで、心理的余裕が生まれます。モノにあふれる時代だからこそ、そのモノがどこからきて、どこに向かっていくのか、資源のことを考えたり、人の気持ちのことを考えたり、そんな時間があるだけで、気持ちも穏やかになってくると思います。

 4.まとめ

最後に、自炊するうえで重要なポイント。それは、自分一人だけのために料理する機会も作りましょうということ。誰かと一緒に食べるから自炊することも素敵ですが、たとえば、一人で留守番、晩酌の時にも自炊してみてください。なぜなら、自分のためだけに適当に作る自炊も重要だからです。他人に食べてもらうために美味しいもの、上手なものを作ろうと思いすぎることも、あまり良いことでなく、あくまでも、失敗も含めて試行錯誤を楽しめることが、重要なんです。何でもかんでも得手不得手を前面に出して行動すると、続かなかったり、嫌になったり、飽きたりしてしまう人が多いですから、ここだけはご注意ください。

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