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きりたんぽで包んで

故郷がほしい。町田寄りの横浜市の中でも外れで育ったアタシにはアイデンティティのようなものがない。外れはハズレでもある。なんつて。
その分恵まれた人生を送っているとは自他ともに認める。ちゃんと小6までサンタを信じることができたし、私立に通って他校の男子と付き合っていたし、大学も指定校推薦で入れたし、今働いている会社の事務の仕事も5社目にして受かった。
サンタを知らずに育った子、いまだに彼氏ナシの子、大学に行けなかった子、100社にお祈りされた同級生。
そいつらが妬むのもわかるけど。ホントはマジで知らん。
お前らの田舎語りのほうが羨ましいし、なんか逃げ場みたいのあっていいじゃん。
逃げ場じゃない? 田舎の空虚感舐めすぎ? そういうの、もういい。

アタシは今、恋人が死んでからっぽなんだから。
嗚呼包まれたいのよ。

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