見出し画像

子どもたちの小気味の良いダンスや歌の躍動感と、実力派の役者たちの演技が表現する物語軸の確かさが組み合わさり、観る者を圧倒する作品に…★劇評★【ミュージカル=オリバー!(武田真治・ソニン・原慎一郎・小浦一優・鈴木壮麻・浦嶋りんこ・北村岳子・目黒祐樹・越永健太郎・大矢臣出演回)(2021)】

 一人の少年の波乱万丈の日々を通して、英国の階級社会を上から下まで串刺しにしたようなチャールズ・ディケンズの出世作「オリバー・ツイスト」の1960年初演のミュージカル化作品を「レ・ミゼラブル」や「オペラ座の怪人」で知られるキャメロン・マッキントッシュが1977年に生まれ変わらせてリバイバルヒットしたミュージカル「オリバー!」の最新演出版の世界初演がいま日本で上演されていることをご存じだろうか。複雑に入り組んだディケンズの物語の要素をマッキントッシュが得意とする繊細なタッチというたて糸と壮大な世界観というよこ糸で新しく織り上げ直した迫力満点の一大ミュージカルは、長い苦難に苦しむ日本、そして世界の人々の心のいちばん奥の方に痛いほど刺さる物語になっている。この作品の「主役」である救貧院や窃盗団の子どもたちの小気味の良いダンスや歌の躍動感と、壮観なほどそろった実力派の役者たちの演技が表現する物語軸の確かさが組み合わさることで、観る者を圧倒する恐るべき作品に仕上がっているのだ。(画像はミュージカル「オリバー!」とは関係ありません。イメージです)
 ミュージカル「オリバー!」は10月7日~11月7日に東京・渋谷のシアターオーブで、12月4~14日に大阪市の梅田芸術劇場メインホールで上演される。

★阪清和のエンタメ批評&応援ブログ「SEVEN HEARTS」でも序文は無料で読めます。舞台写真はブログでのみ公開しております。

★ブログでの劇評は序文のみ掲載し、それ以降の続きを含む劇評の全体像はこのクリエイターのための作品発表型SNS「阪 清和note」で有料(300円)公開しています。なお劇評の続きには作品の魅力や前提となる設定の説明。武田真治さん、ソニンさん、原慎一郎さん、小浦一優(芋洗坂係長)さん、鈴木壮麻さん、浦嶋りんこさん、北村岳子さん、目黒祐樹さん、越永健太郎さん、大矢臣さんら俳優陣の演技に対する批評や、ジャン・ピエール・ヴァン・ダー・スプイさんの演出や舞台表現などに対する評価が掲載されています。

【注】劇評など一部のコンテンツの全体像を無条件に無料でお読みいただけるサービスは2018年4月7日をもって終了いたしました。「有料化お知らせ記事」をお読みいただき、ご理解を賜れば幸いです。

 なお、主要な役柄であるフェイギン、ナンシー、ビル・サイクス、ミスター・バンプル、ミセス・コーニー、ミスター・サワベリー、ミセス・グリムウィグ、ミセス・サワベー、ミスター・ブラウンロウがすべてダブルキャストで、子役の主要な役であるオリバー・ツイストとアートフル・ドジャーが4人キャストであるため、数えきれない組み合わせが組まれていますが、取材機会の関係で劇評を掲載するのは、「オリバー!(武田真治・ソニン・原慎一郎・小浦一優・鈴木壮麻・浦嶋りんこ・目黒祐樹・越永健太郎・大矢臣出演回)」に限らせていただきます。ご了承ください。
 この組み合わせではカバーできない市村正親さん、濱田めぐみさん、spiさん、コング桑田さん、鈴木ほのかさん、KENTAROさん、伊東えりさん、小野寺昭さん、エバンズ隼仁さん、小林佑玖さん、高畑遼大さん、川口調さん、酒井禅功さん、佐野航太郎さんのファンやご家族の皆さま方には大変心苦しく感じております。人気公演のため取材機会も限られます。なにとぞご容赦ください。
 ただし、ブログのみに掲載する舞台写真に関しては、さまざまな組み合わせの中でこれらの俳優の出演回だけを選び取ることが難しいため、他のキャストの写真も掲載しています。

★ミュージカル「オリバー!」公式サイト

★ミュージカル「オリバー!」キャストスケジュール

ここから先は

4,085字
この記事のみ ¥ 300

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?