この磨き抜かれた再生の物語はまた大きな成長を遂げた…★劇評★【ミュージカル=Endless SHOCK(2020)】

 生きるということの疾走感をこれほど鮮やかに表したエンターテインメント作品もないだろう。時には明日への希望に向けて、時には魂の最後の燃焼に向けて、そして時には永遠の消滅に向けて。彼らは駆け、登り、躍動し続ける。堂本光一が2000年から演じてきたミュージカル「Endless SHOCK」はついに20年。鼓動が脈打つような骨太のリズムを刻みながら、表現者の究極的な場所へとたどり着く唯一無二のドラマは、今もマイナーチェンジが繰り返され、「進化」し続けている。今年もまたクライマックスでの演出なども含め一定の変化が付けられているが、堂本が特にこだわった登場人物同士の関係性の丁寧な見直しが最大限の効果を上げており、感情の波とその絡まり合い方に明解なリズムを与えることにつながっている。今回コウイチのライバル役に抜擢された上田竜也が想像をはるかに上回るパフォーマンスを見せ、この役のためにいままで自分を磨き上げて来たのかと思うほどはまっていることと合わせ、「Endless SHOCK」はまたひとつ大きな成長を遂げたと言えるだろう。この磨き抜かれた再生の物語を永遠に表現し続ける者にしか見ることができない新たな地平線をどうやら堂本光一は手に入れたようだ。新たな地平線はいつかまた堂本の前に現れるのだろう。いつまでもそれに向かって走り続けられるように。
 ミュージカル「Endless SHOCK」は、2020年2月4日~3月31日に東京・丸の内の帝国劇場で上演される。

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★ミュージカル「Endless SHOCK」公演情報

 なお、当ブログでは2月4日に今回のミュージカル「Endless SHOCK」の初日開幕直前に行われた囲み会見のもようを伝えるリポート記事「【Report】 「メンバーみんなで駆け抜けたい」と堂本光一、「Endless SHOCK」2020年版ついに開幕(2020)」を掲載しています。この劇評とあわせてお楽しみください。こちらは全文完全無料です。

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